表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/38

転生世界の母親



> 母親は、やはり父親の影に隠れている。

だが神原の目には、その沈黙の中の不安が見えた。


(ああ……俺の母さんもこんなふうに黙ってた。言い返す力がなかっただけなんだ)


「……お母さんも、ありがとうね。俺の話、ちょっと聞いてくれて」

小さく笑いかけると、母親は一瞬だけ顔を上げて、目を潤ませた。

食卓で母親が沈黙のまま皿を並べている。

父の機嫌を損ねないように、気配を消すように立ち回る姿は昔の母と重なった。


神原はふと、あの時の母の老いた姿を思い出す。


小さな市営住宅の窓際、ひなたの中でうたた寝する母の白髪が風に揺れていた。


(もしこの人も、何十年後にあんなふうになったら……)


「……あのさ、今日、俺が洗い物するよ」

母が驚いたように顔をあげた。

神原は笑ってごまかした。

「なんか、気が向いただけ。たまには恩返し?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ