異世界召喚された勇者達は全員オタクだった。
新作を投稿します。
異世界召喚された勇者達の趣味の話です。
全員がオタクです。
オタクには詳しく無いので矛盾を感じる方は勘弁して下さい。
俺は一文字猛。
異世界召喚された男子高校生だ。
(大好きな特撮を暫く観ていないな)
一文字猛は特撮オタクだった。
(特撮が観たい)
特撮を観る事が出来ないストレスで胃潰瘍になりそうだ。
(観たい、観たい、観たい)
魔法なら何とかなるかな。
記憶を複写するのは闇属性魔法で、映像を再生するのは無属性魔法なのか。
映像を再生するには記録媒体に魔法陣を組み込む必要が有るのか。
記録媒体は多くの魔力を含んでいるのが絶対条件なのか。
記憶複写の魔法と魔石に映像再生の魔法陣を組み込む魔法を会得した。
異世界知識と日本の科学技術知識を駆使して魔石に魔法陣を組み込んだ。
(成功したぞ)
遂に仮面◯イダー1号2号初期編の映像再生に成功した。
これで特撮を好きなだけ観れる。
ゾル◯佐編、死神◯士編、地獄◯使編、ゲルシ◯ッカー編も完成させた。
俺は黒嶋洋一。
異世界召喚された男子高校生だ。
(異世界は退屈だ。面白い娯楽が無い。特に俺の大好きなアクションドラマの鑑賞が出来ない)
黒嶋洋一はアクションドラマオタクだった。
「あぁ〜、アクションドラマの映像が観たい」
「観れるぞ。但し洋一の記憶に有る映像だけどね」
一文字猛に俺の呟きを聞かれてしまったが、そんな些細な事はどうでも良い。
「アクションドラマの映像が観れるだと。どうやったら観れるんだよ」
「洋一の記憶の中の映像を再生の魔法陣を組み込んだ魔石に複写する。後は再生魔石に魔力を注いで再生するだけだ」
「頼む。やり方を教えてくれ」
「無理だ。俺しか出来ない」
「・・・・そんな」
「落ち込むなよ。洋一の記憶を覗いても良いなら再生魔石を造ってやる」
「頼む。いや、頼みます」
「但し条件が有る。一話に付き金貨一枚な」
「金枚は高いだろう」
「交渉決裂だな」
「・・・・金貨一枚払うよ」
「それじゃ、アクションドラマの映像を思い浮かべろ」
「分かった」
俺はアクションドラマの映像を思い浮かべた。
少し頭痛がしてきた。
一文字猛が脳内の映像を魔石に複写している影響らしい。
「キ◯ハンターの映像か」
「そうだよ。悪いか」
「集中しろ。失敗するじゃないか」
「悪かった」
俺は集中した。
「終わったぞ。吹雪一郎が初登場する話だな」
「特に好きな話なんだよ」
「俺はキイ◯ンター皆殺し作戦の話が好きだ」
「風間洋介の母親が大活躍する話だな」
「そうだよ。悪いか」
俺と一文字猛はキイハ◯ターの話で盛り上がった。
その後ロボットアニメオタクの兜大介にはグレ◯ダイザーの再生魔石を、刑事物オタクの会田右京には非情のラ◯センスの再生魔石を、時代劇オタクの大石勇に大忠◯蔵の再生魔石を造ってやった。
「此処は何処だ」
「俺達はコスプレ会場に居た筈だ」
「白昼夢か」
「訳か分からない」
「誰か説明してよ」
五人の高校生はコスプレ会場に居たのに見知らぬ場所に居た。
「おお、勇者達よ。召喚に応じてくれて感謝する」
中年男が五人に声を掛けた。
「オッサン、誰だよ」
「王様のコスプレしやがって」
「趣味か゚悪いな」
「全然似合っていない」
「ダサいわね」
「・・・・」
国王は五人から散々罵られてしまった。
「余はパール王国の国王メイドイキだ」
「アンタが国王」
「嘘だろ」
「あり得ない」
「誇大妄想狂か」
「惚けているの」
五人は国王の言葉を思いっきり否定した。
「本当なのか」
「この国は駄目だな」
「近い内に滅亡するな」
「マジ」
「お気の毒に」
五人は好き勝手に言いたい放題だった。
「彼等が新しく召喚された勇者か」
「コスプレイヤーかよ」
「赤色、青色、緑色、黄色、桃色の仮面ですか」
「まるでゴレ◯ジャーだな」
「絶対に猛と同類よね」
同年代の五人組が謁見室を入ってきた。
「俺は一文字猛だ」
「俺は黒嶋洋一」
「僕は兜大介です」
「俺は会田右京だ」
「私は大石勇よ」
同年代の五人組が名乗った。
「俺は赤坂剛だ」
「僕は青山明です」
「俺は緑川健二」
「俺は黄谷大太だ」
「私は桃野ペギーよ」
五人も名乗り返した。
オタクの異世界人が五名から十名に増えた。




