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BEAST  作者: 八田部壱乃介
9/10

九節・葬列

 階段から神殿内へとエスカリヴィオたちは入った。先の崩壊によって、中は瓦礫で溢れている。ところどころ柱が残っており、壁もそのまま現存していたが、いつ崩れてもおかしくない。天井は無くなっていた。今は空が見える。

 月は雲の裏に隠れてしまって、あの黄色い眼差しは黒く暗く、どこにも見えない。

 代わりに眩いばかりの星々が浮かんでいた。

 ただただ静かな冷たい空気ばかりが充満している。

 そんな神聖ともいえる雰囲気の中、中央には大きな影が鎮座していた。ドムトローラ。まるでこちらがやって来るのを待っていたかのように、ミレイリオに赤ずきんたちも整然と並んでいる。

 誰もがその時を待っていたかのように。

 すべての目線がエスカリヴィオたちに注がれる。

「あれがドムトローラ」と、エスカリヴィオは指を差した。

 エメリエッサが息を止める。ドムトローラの全身には蝿が集っていた。息は荒く、また不快になる臭いを撒き散らしている。ルミレエーナは大鎌を振るって空気を震わした。重たい音がしたが、軽く扱ってみせている。それから、おもむろに口を開けた。

「最初の大狼にして、人間に擬態してまで生き残ろうとした死に損ない。今は老いて体も心も腐りかけ。ミレイリオに支えてもらわないと精神も安定も出来ない始末」

「私を侮辱するのか?」

 ミレイリオが全員、同時に話す。神殿を幼い声が支配した。ルミレエーナはくつくつと喉の奥で笑う。

「事実を述べたまでよ」

「なあ……おい、あれが、本当にドムトローラ──神、様なのか?」エメリエッサが戸惑いの目をエスカリヴィオに向けた。

 エスカリヴィオは黙って頷く。

 ドムトローラを守るように、十人ほどの赤ずきんが囲っていた。彼女らは皆、ドムトローラの正体を知っていて尚、従うことを選んだのだろうか。それとも、彼女らの精神それもまた、ドムトローラに支配されているのか。

「何れにせよ、狩るだけだわ」

 エスカリヴィオは割り切り、考えることをやめる。鋸を構えて、見つめ返す視線を睨みつけた。

「クソっ」とエメリエッサは頭を掻く。「どうすりゃ良いんだ、あたしは!」

「好きにしなさい」エスカリヴィオは突き放した。

 ルミレエーナは苦笑して、「こちら側についてくれると助かるんだけれど」

 エメリエッサは答えるでもなく、ルミレエーナを睨む。ルミレエーナは肩を竦めてみせた。それから何気ない様子で視線を外に向ける。エスカリヴィオもその視線の先を辿ってみると、青教の狩人たちが何やら大きなものを持って、控えていた。

 目を凝らしてみる。

 それは砲台だった。形こそクロスボウと変わらないが、その大きさは目を見張るものがある。確か──バリスタというのだったか。ドムトローラを退治するために用意したのだろう。これが壁の隙間から、何台も用意されていた。見渡してみれば囲まれている。四方八方から撃ち込むつもりなのだろうと思われた。バリスタに番えられた矢は、どれも槍のように太く鋭い。

 あれなら、きっと稲妻も通るに違いない、とエスカリヴィオは思った。

 ルミレエーナはおもむろに手を挙げる。

 機構が作動したような、人工的に重たい音。一斉にバリスタから矢が発射され、何本も何本も突き刺さっていく。その中には赤ずきんやミレイリオも含まれていた。串刺しに貫かれ、立ったまま絶命する者。倒れ込み、中途半端な体勢で動きを止める者。

 ドムトローラもまた例外ではなかった。胴体は勿論、腕や脚にも、まるで地面と接着させようとするかのように矢が貫通している。痛みに喘ぐような咆哮。大地が震え、神殿が僅かに軋んだ。

 塵が舞う。

 赤ずきんたちが動いた。まず先にとバリスタの元へ向かう。ルミレエーナとエスカリヴィオは武器を構え、これを阻止するべく走り出した。赤ずきんたちはエスカリヴィオたちの様子に気付き、その一部が足を止め、方向を転換。妨害に徹した。また彼女らはエメリエッサのことも敵だと見做しているらしい。剣やクロスボウと、各々の得物で襲いかかっていく。

 エメリエッサは諦めて無心になったようだ。中立の立場であるというのに、襲いかかってくるならば、それが人間であろうとも容赦しない。もはや対立は免れないだろう。大槌を振るって乱暴に相手を砕いた。

 ここは戦場。もはや言葉が交わされることはない。

 エスカリヴィオも現実を受け入れた。鋸を手に、赤ずきんと対峙。相手の振り下ろす剣を鋸で受け流し、顎に掌底を喰らわせる。よろめいた隙を突いて鋸で胸を突き刺した。これで一人。

 ふと、バリスタの方から悲鳴があがった。見れば、狩人へと赤ずきんのみならず、ドムトローラまでも襲いかかっている。エスカリヴィオは追ってくる赤ずきんの手を振り払い、そちらへと急行した。

 外は暗闇。松明がか細い灯りとなって夜の影を濃くしていた。ぼうっと浮かんで見える雪がちらちらと視界に散らつく。狩人は半数ほどが絶命し、睨み合いのまま、じりじりと後退していた。他には、この場に四人の赤ずきんと、爛れていて、全身が傷口のようなドムトローラとが居り、濁った眼差しでエスカリヴィオを見つめ返していた。

 多勢に無勢──この数的不利をどうにか出来る策は持っていない。ドムトローラが狩人たちを蹂躙。鋭い爪で切り裂き、腐敗した血が触れた者の筋肉を溶かしていく。更にドムトローラから逃れた数名さえも、赤ずきんの手によって殺められていった。

 エスカリヴィオ一人では太刀打ち出来そうにない。ここは潔く逃げることに決める。踵を返し、目的地を定め、足を踏み締めたその時──自身の影が増えていることに気がついた。それは酷く大きく、また横に伸びている。

 人型のそれではない。

 ぱちぱちと弾ける音。

 荒々しい息遣い。

 エスカリヴィオは思わず口元を綻ばせた。

「お帰りなさい──お祖母ちゃん」

 振り返り様に槍を投げる。大狼は月のように青白く光り輝き、雷を撒き散らした。ルミレエーナによれば、体毛が伝導体なのだろうとのこと。知らない言葉だったが、意味は何となくわかる。つまり、毛を飛ばすことで──これもルミレエーナの言葉だが──感電させているのだ。

 エスカリヴィオは素早く衣服を脱ぐと、毛を振り払うように放り投げる。よって感電こそ免れたが、強風にあおられ、勢いよく後方へと、体が突き飛ばされた。赤ずきんや狩人たちも同様に弾き飛ばされている。

 指先に少しばかりの痺れ。

 急いで立ち上がると、エスカリヴィオは松明を手に取った。視線が集まる。赤ずきんたちがエスカリヴィオの首を取ろうと動いた。と、ルミレエーナが鎌を持って一人を斬った。突然のことに対応が遅れ、赤ずきんたちが一人、また一人と狩られていく。

 神殿からミレイリオとエメリエッサが移動してくるのが見えた。ミレイリオがドムトローラの護衛のために動き、また一部が牽制のためにエメリエッサに飛び掛かる。エメリエッサは虫を払うように大槌で振り裂いた。その度にドムトローラが叫ぶ。まるで痛みを分かち合うかのように。

 エメリエッサから離れて、ミレイリオが駆け寄ってくる。

「火を!」ルミレエーナが叫んだ。

 エスカリヴィオは頷き、松明を地面に翳す。予め撒いておいた油に伝って、火が道を歩きだした。一瞬にして、辺り一面は火の海となり、ミレイリオとの間に壁を作る。

 獣は火を恐れるものだが、大狼は例外らしい。ハスバリーテは獰猛にも牙を剥き出しに、今にもエスカリヴィオへ飛び掛かろうとしている。

 エスカリヴィオは火を揺らめかせながら、

「ついて来い!」

 雪道を溶かし、雪崩させた。土砂崩れに巻き込まれないよう、エスカリヴィオは木に飛び掴むが、押し流されていく。ルミレエーナの話では、この先に湖があるのだという。これは非常に大事なことだった。というのも、ルミレエーナからハスバリーテの稲妻を退ける手法に関わるのである。

 曰く、

「水は雷を良く通すのよ」

「つまり?」エスカリヴィオが訊けば、 

「拡散されて痛みも薄まるってこと」と、ルミレエーナが答える。「つまるところ、ただの大狼に早変わり」

 冬の湖面は氷が張っていた。だが、雪崩がこれを突き破り、ハスバリーテと共にエスカリヴィオが落水。閃光が走った。全身に些か痺れが起きたが、気絶するほどではない。大狼の体毛も今や濡れてしまい、擦れて電気が作られることもなさそうだった。

 エスカリヴィオは水面から顔を出すと深く息を吐く。

 弓を構えて、鋸を番えた。

 空に向けて引き分ける。

 指を離し、鋸は上空へ。

 矢を番える。

 そして、一本を喉に。

 番え直し、もう一本は頭に。

 仰反り、飛沫をあげて、ハスバリーテは後方に倒れ込む。

 エスカリヴィオは彼女の前脚を踏み台に、大きく跳躍──頂上で鋸を手にすると、思い切り喉を掻っ切った。鮮血が舞う。大狼の筋肉は痙攣し、全身からは力が失われていった。黒目にはエスカリヴィオが映っている。やがて、そこから光が消えた。

 エスカリヴィオは目を瞑る。

 そして、空に浮かぶ星を見た。

 そこへ影がかかる。

「変異種から生まれたミレイリオが一体どんなふうに育ったものか、とても興味を持っていたのですけれどね」

 天使のように美しい声が耳に入った。

「だから我々は自らを捧げましたのに……」

「ミレイリオを食した大狼は変異種になる」

「でも未だ、変異種から生まれたミレイリオを見届けることは叶いません」

「赤ずきんに力を与えては大狼が狩られ、赤ずきんに力を与えなくては、大狼が生まれない──」

「これは非常に悩ましいことです、エスカリヴィオ様」

 くすくすと複数の笑いがこだまする。音はエスカリヴィオを囲んでいた。別れの時間を過ごすことも邪魔されてうんざりする。エスカリヴィオは鋸を抜き取ると腰に提げた。

 首を鳴らす。

「知ったことじゃない。勝手に悩むが良いわ」

 陸地に飛び乗ると、エスカリヴィオへと一人が槍を突き出した。エスカリヴィオはこれを弓でいなし、殴りつける。背後から気配を感じ、振り返り様に弓を振り払うと、貫こうとしてくる槍と当たった。片手で掴み、思い切り引っ張る。と、前につんのめるミレイリオの顎先を拳で殴り上げた。

 矢筒から二本の矢を用意。エスカリヴィオは弓に番えると、新たに現れた、目の前の二人に矢を放った。ミレイリオの目線から背後に複数居ると把握できたので、体を捻り、弓を引き絞る。それから発射。

 ぎりぎり、という音がする。

 見れば、木の影──およそ十メートル先から、ミレイリオが弓を引き分けていた。矢を放とうとする刹那、ルミレエーナがこれを阻止──鎌を振るう。刃が風を切った。音が遅れて鳴り響き、断末魔すらあげさせない。

 ミレイリオたちが倒れていく中、エスカリヴィオの元へ、不吉な足音が近づいていた。腐り切った臭いで、その正体をすぐに理解する。

 ドムトローラ。

 人間に寄生した──死を恐れる死神。

 言葉だけの長。

 エスカリヴィオは槍を手に、弓に引っ掛ける。息を整えながら、速やかに弦を引き分け──狙いを定めた。木々の隙間から徐々に姿が露わになっていく。四足歩行の獣──その姿が。

 震える息を止めて、集中する。自らの心拍音だけが聞こえる世界。すべてが遠ざかり、緩やかになった空間で、エスカリヴィオに見えるのは一匹の獲物だけ。今、その体躯が眼前に現れた。相手の心臓目掛けて放つ。槍は重たくしなりながら、回転。ドムトローラの胴体、その胸元に深く突き刺さる。

 激痛による咆哮。

 だが、ドムトローラが爪先で槍を叩き切る。地面に落とされた槍は、その先端が歪んでいた。傷口から噴き出したどす黒い血が、土の上に溢れ、枝葉を溶かしていく。それは槍の先端も同じ。肉を抉ると同時に溶かされたようだ。だから簡単に切り落とされた。

 ハスバリーテによる雷撃は望めない。傷口は血液凝固によって、既に塞がれていた。

 ドムトローラが牙を剥き出しにする。前脚の力むのがわかった。地面を揺らしてエスカリヴィオへと跳躍。脚を上げてのしかかろうとする。エスカリヴィオは攻撃を避けるべく体を後方へ。しかし、その先は湖。思い切り傾れ込み、ドムトローラと共に沈んでいく。

 途端に水の色が変わった。赤黒く、滑りけがある。

 回路のためか、それともドムトローラの血液のためか、冷たさは感じられない。だが、ドムトローラに掴まれたまま──彼が重りとなって抜け出せそうになかった。息が続きそうにない。もがいてもびくともしない。ドムトローラの顔が近づく。噛みつこうとしているようだ。牙が肩に触れる。熱い。痛みはなかった。

 両手でドムトローラの顔を抑えつける。力が強い。それに激しい。自身の口元から泡が出ていく。エスカリヴィオの体が水底に当たった。相手の胸元を刺そうと考えたが、鋸を落としたらしい。片手で探したけれど、なかなか見つからなかった。

 と、ドムトローラの体重が軽くなる。エスカリヴィオは我慢ならず、水面から飛び出した。咳き込みながら息をする。どん、という音。世界が勢いよく反転し、気付けば自分は木の根元。殴られたようだ、咽せながら、呼吸しようと努める。

 目を上げれば、ルミレエーナがドムトローラの背中に乗り上げていた。鎌を突き刺している。引き摺るように滑り落ち、赤い線を刻んでいった。大狼が叫び、木々は揺れる。

 エスカリヴィオは何とか立ち上がると、どこからか「えうっ」という声。次いで、地面に叩きつけられ、爪を突き立てられたルミレエーナが見えた。背中に鎌を残したままのドムトローラが、ゆっくりと脚を退ける。ルミレエーナは動かない。

 エスカリヴィオは大きく息を吐き、弓と矢を探した。湖の付近に落ちていたのを見つけると、二本番える。

「ドムトローラ!」と声を荒げた。

 矢は双眸と同じ数。狙い澄まして引き分ける。大狼の顔がこちらに向いた。と同時に矢を放つ。両目共に潰れ、ドムトローラは暗闇に落ちたらしい。背中に鎌を残したままのたうち回り、暴れ狂い、右往左往。

 今のうちだ。

 エスカリヴィオはルミレエーナの元に駆け寄り、抱き起こす。息は、仄かにではあるが、まだあった。口が動いている。エスカリヴィオは耳を澄ませた。

「神殿まで連れて行ってくれ」

 エスカリヴィオは黙って頷く。肩に腕を回し、ルミレエーナを立たせた。歩かせようにも足元が覚束ず、何度も倒れそうになる。道は倒木によって塞がれており、越えるのも一苦労。そんな折に、影が二つ、揺らめいた。

 赤い衣服。神殿への道を遮るように立っている。二人ともフードを深く被り、顔を隠していた。一人は鉈を、もう一人は鞭を持っている。エスカリヴィオは歯噛みした。

「退いてくれないかしら」

 言葉よりも先に、赤ずきんは得物を差し出す。鞭が飛んだので、エスカリヴィオは咄嗟に腕で防御──すると、肉が内側から破れたように肌が抉れた。興奮のためか痛みは少ない。ぐっ、と喉の奥で空気を飲み込んだ。間を置かずして、鉈が腹部を裂こうとする。ルミレエーナを庇い、蹴り上げたが、更なる鞭の追撃によって、背中を強く打ち付けられた。

 今度はあまりの痛みに意識が飛びそうになる。弓を支えにして踏ん張ると、赤ずきんに向き直った。ルミレエーナが囁く。

「エスカリヴィオ……合図したら、私を二人の方に押し出してくれ」

「わかった」

 ぱちん、という軽快な音。それと一緒に足を巻かれ、エスカリヴィオはその場に体勢を崩した。ルミレエーナも隣で転ぶ。鉈を持った赤ずきんが、エスカリヴィオに馬乗りになった。が、弓で彼女の顔を叩き、喉を突く。後ろに仰反った瞬間を見計らい、足を縛る鞭を掴み、思い切り引っ張った。赤ずきん同士でぶつかり合う。

「今だ」と、ルミレエーナが言った。

 エスカリヴィオは仰向けに、ルミレエーナの背中を押し出してやる。ルミレエーナは二人に両手を広げ、抱き付いた。重心を失った赤ずきんたちは、ルミレエーナの力に押し負けて、そのまま倒れ込む。その先に大地はない。

 暗黒。奈落の底へと三人は落ちていき、やがて音も聞こえなくなった。

 エスカリヴィオは痺れた手足に何とか力を込めて立ち上がる。ルミレエーナの消えた場所を覗き込んだが、何も見えない。生き残ったようにも思えず、目蓋を閉じて、祈った。

 しかし誰に祈るのだろう。

 恐らく、自分自身にだ。

 もうそれ以外に祈る相手は居ないのだから。

 気配がした。見れば、ドムトローラが立っている。偽りの神。偽りの人々(ミレイリオ)の長。彼は夜空に向かって咆哮し、それからエスカリヴィオを見据える。

 手元に武器はない。

 エスカリヴィオは口を真一文字に引き締めた。

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