第47話 回答
残党を倒し、船を守りきった裕斗は格納庫へと戻り、機体の操縦室を開けた。
外を見ると、ルイーゼやヴァネッサ、エルザといった面々が下で待っていた。
「ユウト!あれは何なのだ!?」
ルイーゼが顔を近づけて問いてくる。
「あ、あれって……?」
「“ランスロット”のことだ!暴走が収まったかと思ったら目は赤いままだったり、いきなり炎を出したり、いったいなにがあったらああなる!?」
「ええと、それは……う~ん」
「それは私が答えましょう」
返答に困っていると、後ろから少女の声が届いた。
慌てて振り返ると、クラウディアが操縦室から幽霊のように現れる。
いや、実際幽霊かもしれない。
彼女の体は半透明だし、なんか宙にういているから。
「な、何者だ!」
突然現れた来客にルイーゼは腰の剣に手を添えて警戒する。
それは他のみんなも同様で、剣を持たないものも警戒心を露にしていた。
しかし一人だけ。彼女の正体に気づく。
「……ちょっと待ちな。あんたもしかして……獣人か?」
気づいたのはハンナだった。
「ええ、そうよ。人間に媚びへつらうエルフさん」
それに対しクラウディアは、彼女に侮蔑の目を向けた。
「……んだと?」
バチバチとにらみ合う。
「ちょちょちょっと待った!クラウディア、仲間に向けてそういうこと言っちゃダメだって!
ハンナさんすみません!でも、この人は僕に力を貸してくれたんです!」
「……まあ、厳密には、私の中にある魔獣の力ですが」
「「「!」」」
「待て、話が見えない。なぜ獣人が魔獣の力を持っている?そもそも、なぜ“ランスロット”に宿っているんだ」
ルイーゼは眉をひそめる。
当然の反応だ。
「……いいでしょうお話しします。そして深く恥じなさい。あなたたち人間の愚かな行為を」
クラウディアは言う。
「先ほども言ったように、私は獣人。かつてこの世にいた種族です」
「獣人……しかし獣人は魔獣に滅ぼされたのでは」
ルイーゼは質問を述べた。
「そこが間違っていたんだよ」
質問に答えたのは裕斗だった。
「間違い?」
「獣人は魔獣に滅ぼされたんじゃなく、獣人自身が魔獣だったんだよ」
こくん、とクラウディアは頷く。
「ええ。私たちはある日人間によって魔獣へと変えられ、今あなたたちが乗る魔導騎士により一人残らず殺されました。
そして、どういうわけか私たちの意識は魔導騎士に留まったのです」
「そしてある日、宿っていた獣人たちが魔導騎士を操り、逆に人間を襲っているってわけ。その内に秘めた、魔獣の力を使ってね」
「……なるほどね。前に私の魔導騎士が暴走したのは、中に獣人が入っていたからなのね」
ヴァネッサは納得したように頷いた。
対照的に、ルイーゼは考え込むように指を顎に当てる。
「……しかし、誰が獣人を魔獣に変えたんだ?」
「首謀者……だとは思ってないんだけど、一人だけ、その事実に大きく近づける人物を僕たちは知っている」
「ある人物?それは誰だ」
裕斗はうん、と頷いて言った。
「名前はルドルフ・ヴァーグナー。名の方に心当たりはなくても、姓は心当たりあるんじゃないかな?」
「「「…………!」」」
「ヴァーグナー……。それは、団長の姓ではないか」
「うん。しかも、その人の顔はユリウス団長にそっくりだった。もしかしたら、あの人はルドルフさんの子孫の可能性が高い」
もちろん、ただ姓が同じの他人の空似の可能性も十分にある。
仮に血縁だからといって、何も知らない可能性も十分にあり得るのだ。
だが、聞く理由は十分にある。あの事件の真相が、分かるかもしれないのだから。
だからこそ
「会って話してみよう。団長に」
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