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第16話 新しいライダー

馬を使って移動した裕斗とルイーゼは、船の降りた場所へと移動した。


近くで見た船は、やはり大きかった。


どのくらい大きいかというと、10m以上ある魔導騎士を中に入れられるのでないかと思うほど大きい。


「あれ?ユウトさん達じゃないですか」


聞き覚えのある声に振り返ってみると、そこには我らが隊長エルザと副隊長のシーラがいた。


「ユウトさんたちも来たんですね」


「いや、僕はルイーゼに連れてこられただけなんですけど……誰か帰って来たんですか?」


「ああ。それは――」


「お!出迎えしてくれてるじゃねえか!」


その声とともに、何者かが船から降りてきた。


年は30代前半。無精ひげを生やしており、眠たげな瞳をしている男だ。

この男も騎士団員のようで、黒を基調とした制服を着ており、両腰に剣を一本ずつ差していた。


「ん?見ねえ顔だな。だれだ?」


男は眉をひそめ、裕斗を見た。


「彼はサカキバラ・ユウト。新しく入ったライダーです」


答えたのはルイーゼだった。


「ああ、お前が例の…。話は聞いてるぜ、よろしくな」


男は納得したように頷くと、握手するべく右手をさし出した。


裕斗はそれを握る。


「は、はい。よろしくお願いします。…ええと」


「あ、すまんすまん。自己紹介がまだだったな」


男はピッ、と親指を自らに向ける。


「俺に名はマルセル・エンバルク。隊長の一人を任せてもらっているものだ」


「隊長…」


そういえば、一人他国に行っていると団長が言っていたことを裕斗は思い出した。


――そうか、じゃあこの人が…


「マルセル隊長、帝国との交渉はどうなった?」


エルザがマルセルに対して何か質問をした。


「まあ、取り付けることはできたけどよ……」


「数は?」


マルセルは困ったように頭をポリポリと掻いて、人差し指を立てた。


「一人だ」


マルセルの言葉に、裕斗を除く面々は顔を暗くした。


「…帝国は、我々を見捨てるつもりなのか?」


「裕斗と私を加えて三人…これは厳しいですね」


「で、でも!1人は来てくれたじゃないですか!」


「まあ、そうなんだけど、来た奴の性格に難があってだな…」


「?それはどういう――」


「何よ!しょうもない国ね!」


聞いたことのない第三者の声が裕斗の耳に入ってくる。

裕斗たちが振り返ると、もう一人船から少女が降りてきた。


年は裕斗と同じくらい。白を基調とした制服を着ており、腰まで伸ばした赤髪と若干つり目の赤い瞳を持つ美少女だった。


「あー、紹介するよ」


マルセルはポリポリと頭を掻いた。


「こいつはヴァネッサ・ランドール。ノウゼン帝国から派遣されたライダーだ」


「派遣…ライダー…。てことは新しい仲間ってことですか?」


「まあ、そうなるな」


「そんな話どうだっていいわよ」


ヴァネッサはそう言って、裕斗とマルセルの会話に割って入った。


「それで?この国のライダーはどこよ?」


「ええと…僕と…」


「私だ」


裕斗とルイーゼが名乗りをあげる。


「はあ?あんたが?」


ヴァネッサはルイーゼを流し目に見た後、裕斗をジッと見つめた。


「な…何か?」


次の瞬間、ヴァネッサの手が動いた。


「ッ!」


裕斗は何もできず、目を閉じるだけだった。


ピトッ、と裕斗の首に何かが触れる。


「……?」


そっと目を開けると、ヴァネッサの手刀が裕斗の首に当たっていた。


「点でダメね。反撃するどころかビビッて目を閉じるなんて」


ヴァネッサはフン、と裕斗を小ばかにしたように鼻を鳴らし、手刀を離した。


「こんな奴がライダー?オルトランデはずいぶんと人手不足が深刻なようね」


ヴァネッサのその態度にルイーゼはムッとした。


「おい、貴様その態度は何だ」


「は?あんたこそ何よ」


ヴァネッサは腕を組み、ルイーゼをにらんだ。


「私はこの国を助けに来たのよ?そっちこそ、こちらにへりくだるのが礼儀なんじゃない?」


「貴様……!」


バチバチバチ!と両者火花が散る勢いで衝突する。このままじゃ、一触即発の雰囲気だ。


これは、同じライダーたる自分が何とかしなくてはと、裕斗は一歩踏み出した。


「あの!」


グウウウウウウ。


そんな音が、あたり一面に広がった。


「「「?」」」


エルザ、シーラ、マルセル。ケンカをしていたルイーゼとヴァネッサさえ、音の発生源である裕斗に集まった。


「ええっと…」


裕斗は顔を赤くしながら、発生源たる自らのお腹をさすった。


「そういえば、ご飯まだでしたよね?」

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