ペンギン三兄弟 〜 20話 星降る夜に の巻
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
ある日の夜、ドンは屋根の上にのぼって
望遠鏡をのぞいていました。
チャン「おーい、ドン。そんな所で何してるの?」
ドン「月をみてるんだよ」
ゴン「へーえ、オレものぼろう」
好奇心の強いゴンは、早速ハシゴをのぼり始めました。
チャンは、高い所が苦手なので躊躇していましたが、結局、
「おれも」と、のぼり始めました。
ゴン「望遠鏡なんて持ってたの?」
ドン「大家さんが貸してくれた」
ゴン「いつの間に。相変わらず、てまわしがいいねえ」
ドン「今日はね、月が地球に近づいて大きく見えるんだ」
ゴン「確かに大きい」
ゴンは月を見上げて言いました。
ドン「ゴンも見てみる?」
ゴン「見る見る」
ゴンは望遠鏡をのぞきました。
満月が大きく明るく見えました。
ゴン「おーキレイだなあ、すげー」
チャン「屋根の上は、やっぱおっかねーな」
チャンが、足もとをふらつかせながら、やっとのぼってきました。
ドン「チャンも見てみ、キレイだよ」
チャンも望遠鏡をのぞきました。
チャン「へー、月ってこんなに明るいの」
ドン「今日は特に明るく見えるんだよ」
ゴン「知ってるよ、スーパームーンって言うんだよね」
ドン「お、知ってたね」
ゴン「ネットで見た。チャンは知らなかったでしょ」
チャン「知ってますよ、TVニュースでも言ってたからね」
3羽は、しばらく屋根の上に並んで座って、大きな月を見上げていました。
ドン「あ、そうだ」
ドンは、急にはしごを降りて行くと、しばらくしてまた戻ってきました。
手には何やら楽器を持っています。
チャン「何持ってきたの?」
ドン「これはね、ウクレレだよ」
ゴン「それも大家さんに借りたの?」
ドン「これはぼくのだよ」
ドンは、チャラーンとウクレレを鳴らしました。
続けて、何やらメロディを引き始めました。
ドン「屋根の上といえば、やっぱりギター弾いて歌うのが定番でしょ」
チャン「それウクレレだけどね」
ゴン「しかし、ドンはいつも知らないうちにいろんなものゲットして、使いこなしてるんだよな」
ドン「なんか歌おうよ」
チャン「あの、こは、どこ、のこー、こんな夕暮れ〜」
ゴン「しあわせだなあ、ぼくはしあわせな時が一番しあわせなんだ。死ぬまで生きてるぞ!
きみのー、ひとみはー、ほしとー、かがやき〜」
ドン「ちょっと君たち、歌がふるすぎだよ」
ゴン「あ、流れ星!」
ドン「見逃した!次見たら願い事しなきゃ」
チャン「みんなの願い事って何?」
ゴン「ゴジラに会えますように」
ドン「ウクレレ漫談がうまくなりますように」
チャン「ゴンに取られずに、おいしいものがたくさん食べれますように」
みんなの願い事が叶いますように...
おしまい