4話
「大丈夫か、ミリア」
甘ったるい程優しい声でミリアの身を案じ、ついでに肩も抱き寄せてる婚約者。
うへぇ、砂糖吐きそう……。
イチャつくのは他所でやってくださーい!後ついでにリア充死んどけ!!私こーゆーの地雷なんでー!次やったら怒るからね!!
ミリアちゃん、何であんたも赤面なんてしてんのよ。
「御機嫌よう。エルメス様」
白々しい程優雅に挨拶を返してみたら、エルメスは鼻で笑った。うわぁ腹立つ。
「相変わらず傲慢だなセリーナ。そんな君とおさらば出来るのが嬉しいよ」
「どういう意味ですの?」
ゲームと同じ返答をする。
「今日此処で、俺は貴様との婚約破棄を告げる!」
うーん、予想通り過ぎて言葉が出ない。
「……納得いかないという顔だな」
え、嘘。そんな顔してた私?
「あら、そんなこと有りませんわ。予想通り過ぎてつまらないだけですの」
またもや悪役スマイルを浮かべて返す。
おっとエルメス、言葉が出ないっ!
「そもそも、私が貴方程度の男にフラれた程度で傷付くとお思いで?だとしたら余程の自信家なんですわね。後、何か勘違いしている様ですから教えて差し上げますけど、私、最初から貴方を愛してなんかいないの。だからこの後そこの小娘とくっつくなり何なりお好きになさったらどう?傲慢王子と庶民娘、ある意味お似合いではなくて?」
アドリブを交え、と言うか全部アドリブでいい放った私に言葉が出ない傲慢王子と田舎娘さん。
「それでは私、失礼しますわ。二度と私に近づかないとさえ約束してくれるのなら、どうぞお好きな方と結婚してくださいな」
ばいばーい!もう二度とこんなくだらないことで引き留めんなよー!