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名も無き物語~無能の白銀騎士~  作者: 木ノ添 空青
天界革命編
62/83

息抜きでもいかがでしょうか

「……っと、寝て……」

 声? 誰だろう……。

「疲れちまったんだろ? お前()()でけぇんだから起こすなよチビ助」

「誰がチビよ!? あたしはもう13歳になりました~!!」

「誕生日が来たら身長も伸びるような人体構造ならよかったのにな」

「なんですって!?」

「お二人ともうるさいです!! 病室ではお静かに!!」

「……あ、あれ? 私、寝ちゃって」

「ほら起きちゃったじゃない! あんたのせいよコゲマッチ!」

「ハイお前降格しま~す。騎士学校の入学願書書いといてくださ~い」

「お・し・ず・か・にッ!!」

 寝起きの目をこすりながら賑やかな方を向くと、おっきい人と小さい人が頭を抱えてうずくまっていた。

「あっ、すみません。不躾なのを二人も連れてきてしまって」

「っ風花さん!? ティナさんに、パンチ部隊長まで。私こそすみません。気付かなくて」

 そこには私服姿の精鋭騎士が三人も顔を揃えていた。

 いつもの凛々しい騎士服姿とは別の緩い格好なのに、まとっている雰囲気だけで気が締まる。

「み、見舞いに来たのよ。風花が一緒に来いってしつこいから」

「あ、あぁ。騒ぎ立てて申し訳ない」

「そんな、きっとジンくんも喜びます。とくに、パンチ部隊長は憧れだ、ってよく言っていましたから」

「そりゃ嬉しいな。起きたら剣の稽古にでも付き合ってやるか」

 頭を抑え、引きつった顔で笑って見せた。まさかこうも度々お会いすることになるなんて……。天界で馬鹿にしてたのバレてないよね?

「それよりかぐやちゃん。地界神様が心配なさっていましたよ? 退院してから休みなくずっと付きっ切りらしいじゃないですか」

「私は大丈夫です。今度は、私がジンくんを待っててあげなきゃ」

「相変わらずだな。ジンも隅に置けないねぇ」

「あんたよりは人間出来てるから当然でしょ?」

「こいつ……」

「そのお気持ちは大変素晴らしいですね。ですが、今日は地界神様の命により強制連行させていただきます」

 そういうと、私に手を差し伸べてきた。

「えっ? あぁの」

「今週は地界神様の生誕祭でしょ!? だから緊急以外は全て任務休止! 少し息抜きに出かけましょ?」

 そっか。今日から7月の初週。天界での生活も挟んでいたからすっかり忘れてた……。

 地界の7月初週は、地界神様の誕生日に合わせて、丸々一週間、毎年各地で大規模な生誕祭が開催されている。

 この一週間は仕事も学校も休日という事が決まっている。

「そ、そうですけど……、ジンくんのお見舞いはお仕事ってわけじゃ」

「今のかぐやちゃんの疲れ切った顔色見たら、ジンだってきっと心配すると思うぜ」

「……っ」

「あんた、まともにご飯も食べてないでしょ!? そろそろ露店も並ぶ頃だし、はやく行くわよ」

「うし、俺は看護師に伝えてきますんで、風花さんたちは先に向かっちゃってください」

「わかりました。お願いします」

「ほらほら、何食べる? 今日はパンチの奢りなんだから遠慮するんじゃないわよ~」

「皆さん!? あの、私はぁ~!?」

ご覧いただきありがとうございます。

今後ともご贔屓に。


木ノ添 空青

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