427
427。
知ってるかい?
知らないなら教えてあげる。
427は、
死にな。
「たけるー!この宿題、写させてくれ!!」
友達に、宿題を教えてとねだる僕の名前は、坂本 兼。
ごく普通の高校生です。 だけど・・・・・。
「そんぐらい自分でやれって!簡単でしょ!?」
「そこんところお願いします。俺達、長い付き合いだろ?」
こんなに熱心にお願いするには、理由がある。
それは、
殺されて・・・しまうから・・・・・。
「お願いだって。じゃなきゃ、俺、死んじまうよ。」
「・・・・。」
そう言うと、友達のたけるは、だまってノートを渡してきた。
「はやくしろよ・・・。こっちだって見つかったら・・・・、殺されんだからさ。」
ガシャシャシャ・・・・。
「やべえ、先生がきた・・・・。おい、ちょっと!」
たけるは、先生が来たとたんに俺に渡したノートを奪った。
「ごめんな、たける・・・・、こっちも死にたくないんだよ・・・。」
先生がそっと口を開く。
「今から、宿題チェックをしますから、ノートを机にだして。」
先生がチェック表を持って、一番右の列の一番前の安藤の席に来た。
「あれ・・・、安藤君。ノートは?」
「わ、わ、忘れました・・・。で、ですが、ちゃんとやったんですよ!だけど、家に忘れてしまって・・・。ほんとちゃんとやったんです。」
そんな安藤の言葉に、先生は聞く耳をもたずに右手をズボンのポッケにいれて・・・。
「427。」
バァーーーーーン!
銃声が教室中に鳴り響いた。
皆がざわめきたつ。
だが、先生は、そんなことをお構いなしにどんどんチェックをしていく。
そして、俺の席に近づく。
俺は、この時に何度も「このまま、時がとまってほしい」と思っただろうか。
だが、その願いもむなしく・・・。
「坂本君、ノートは?」
そう言われた瞬間、俺は先生を押しのけて教室に走って出て行った。
このまま逃げれば、助かると思った、その刹那・・・・、
バァーーーーーーーン!!
バタッ・・・・・・・・・・・・。
「宿題を忘れた奴は、427。」