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テスト

奈留也は、はふーと息を吐き出すと、

「それより亜夜歌、そろそろいいんじゃないの?」

いきなり止まってさっと横に飛ぶと、道を開けた。

亜夜歌は、校門に入ったあたりから付けられていることを、かすかに聞こえる足音からすぐに気づいていた。特徴のあるブーツのコツコツ、という音から、体術科の有名なスパルタ教師、原先生だということもわかっていた。もちろん、そこですぐ剣を抜いても良かったのだが、あいにくそこはだだっ広い広場。体術の先生は使うのは己の拳と鉄板付きブーツを履いた足、という変なこだわりがあることから、広い場所だと全身を伸び伸び使われて先生側が有利。なので狭いところ、例えば下駄箱の前に誘い込んで襲わせるのが1番いい作戦だと考えたのだ。


実は、奈留也とこのりが亜夜歌の妹発言に驚いて振り向いたとき、彼らも先生に気づいて目配せをしていたのだ。もちろん亜夜歌の作戦も理解してくれて、時間稼ぎのために、何もなかったかのように話を続けてサポートした、というわけだ。あって間もない彼らだが、とても気の合うパートナー。


「ほう、やるじゃあねぇか。俺をここまでおびき出すとは、噂に聞いた通りよくできたもんだ」

体術の基本的な構えをとった先生が舌舐めずりして言った。

原先生はまるで虎のような鋭い目をもった人。重いブーツを履いて走っても、生徒より速い結果の出せる、筋力が並外れた先生だ。ジャージ越しでも大きな肩幅などからそれがうかがえる。

噂、というのがどんなものなのか気になるところもあるが、今は戦うことにだけ意識を持っていく。

先生の膝と肘にはプロテクターのような機械が付いていて、そこに一発剣や銃弾、パンチやキックを打ち込めば、赤いライトが青に変わる。3分以内にそれを全て青にすれば生徒側の勝ち。逆に、できなかったら先生の勝ちとなる。負けたからといって成績の評価に関わるわけではないが、先輩や後輩からの評価にはつながる。ここで先輩にいいところを見せることで、仕事の手伝いをさせてもらえたり、パートナーに選ばれることもあるのだ。

「このまま勝たせてもらいますよ」

「体は中学生だが、遠慮なくいかせてもらうぜ……やあぁっ!」

亜夜歌は両手で剣を抜いた。

先生はぐっと拳を握りしめた。

戦闘開始だっ!

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