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剣に捧げるプロローグ

__まさか、こんな日が来るとは。


「ねえ、戦うの?それとも戦わないの?」


ここが戦場だと思えないほどのびのびとした声。


「後者の場合は、私があなたを殺してあげることになるんだけど、いいの?」


ふふ、と笑いながら言う台詞は残酷そのもの。


「戦いますよ、全力で」


自分を奮い立たせるために言ったのだが、まだ手も足も震えている。


「そんな貧弱な武器で私に勝てるとでも?舐められてるのかな?」


罠にかかったネズミを嘲笑うかのように口角を上げる彼女。

楽しんでいるのだ。この状況を。

こちらは仲間を1人、人質に取られ、背後に広がるのは真っ黒な海。

武器が貧弱なのも事実だ。敵に愛用の短剣を壊され、今手に持っているのはそばに落ちていた短い鉄パイプのみ。


「……」


「まあいっか。ね、私があなたを殺すまでにどのくらい時間がかかるか、賭けない?」


彼女にとって、これはゲームでしかないのだ。自分が勝つことが確定したただの遊び。あとは決められたボタンを押すだけのRPG。


「挑発に乗るなっ!殺されるぞっ!」


手足を縛られ放置された仲間の声。 もう既に鼻血をたらし、いたるところに傷、服にも焼け焦げた跡がある。


「口出ししないでほしいな。邪魔」


パーンッ


初めて聞く冷たい声と、短い発砲音。気づくと武器である拳銃は人質に向いていた。


「これでも気は短いの。次は左をやるかもね」


銃を向けられた彼の右耳が根元からなくなっている。

銃を向けてから撃つまでの間、わずか0.2秒。ほとんど標的を見ずに一寸の狂いもなく当てられる技術。

赤黒い血が流れ出す。

見ていられないほど無残な姿を、彼女はじいっと見つめた。


「うふふ、やっぱり楽しいねえ、いじめるのって、ワクワクしちゃう!」



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