39.秋の三都市グルメ紀行(2)
時間の調整をしつつも快調に飛ばしたバトルホース達は、当初の予定通り昼前にカルーセンの壁門へと辿り着いた。
あらかじめ連絡を受けていた門兵達は、お忍びモード対応の適度な礼節さを持って応対してきたが、さすがに俺を初めて見て通常の態度を取れというのは無理がある。どこかぎくしゃくとした動きや言動には、こちらが慣れてスルーするしかないだろうな。
街中までバトルホースを連れ込むのは不都合があるので、五頭を壁門の厩舎に預けていると、国から派遣された専属案内人とやらが現れた。
「ゲオルグ・クラウス殿下、アルダナーリ・イーシュヴァラ殿下、ようこそいらっしゃいました。私は滞在中のお世話をさせて頂きます、カルーファン商工局のオーラフ・ヤネンツと申します」
文官らしい線の細さと卒のない落ち着いた物腰、白髪の混じり始めたこげ茶の髪、見た目50代前半から察するに歳は80代なんだろう。
シュテファンとの会話から、祭りの初めに行われるチーズ品評会の審査員である事もわかった。
となれば、美味いチーズにありつける事を期待して良さそうだな。
バトルホースを預けた俺達は、案内人に先導されながら徒歩で街中へと繰り出した。
「う~っ、凄い人~っ」
祭りと名の付くものに人が群がるのは道理である。壁門から少し進んだだけで、通りは人、人、人のにぎわいだった。
「祭りの期間中は、あらゆる処が臨時の宿泊所になりますし、転移魔法陣での日帰りも可能ですから、通常は10万人程度の人口が連日20万人を超えておりますよ」
確かに、街の規模からいえば、大半の人間には転移魔法陣での日帰りが妥当だろう。だが、駅馬車を使いながらも宿が取れなかった者達は、朝までやっているいくつかの酒場で時間を潰すようだ。
冬は閉鎖されるだけあって、ここには三階建てや四階建ての低層の建物ばかりが並んでいる。その建物も雪下ろしの事を考えてかほぼ三角屋根だし、窓には閉鎖時の雪対策で鎧戸が付いており、その色が建物毎にカラフルに彩色されているので、オーバルトやカルーファンとはまた違った雰囲気がある。
それに、雪解け水を流す為か、街のあちこちに人工の水路が流れていて、これも独特の雰囲気を醸し出していた。
しかし、普段は上位卑属に囲まれて暮らしているから自分は小さいと思いがちだが、こうして見ると俺は平均的な下位卑属の成人女性とはそう変わらない身長なのだとわかる。ヒールで嵩上げしてる事もあって、人は多いが周囲が壁となって見えないという事はなかった。
逆に、ゲオルグ達は頭一つ抜きん出ているので、良く目立つ。
けれど、今回はティモテの旧市街の時と同じお忍びモードなので、騎士と同等の扱いになるのだが、まあ、俺を連れていたら、どうしたって悪目立ちするよな。
「おい、あれ、オーバルトの畏怖姫ってやつじゃないか?」
「え!?…ああ、間違いないな。人じゃねぇ見た目してやがるし」
「首に魔物付きかよ。気持ち悪りぃな」
でも、ここまであからさまに敬意がないのは初めてだな。
彼等は連合の民ではない。隣国カヴィエルト王国の傭兵だな。自国のギルドから依頼を受けて、商人の護衛として来ているのではないか。by【魔眼】
なるほどね。
「まあ、見て、オーバルトの畏怖姫様よ。お噂通り宝石で出来た人形のようだわ」
「ねえ!あのブーツもの凄いヒールよ!」
「あれであんなに綺麗に歩けるなんて信じられないわ」
「首に纏わりついているケツァルコアトル、本物?なんだか可愛い過ぎない?」
「あ、頬ずりしたわ!ホント、なんて可愛い!」
うん、連合の民との違いが良くわかる。
連合には各国にある王立学院の下に、誰でも学べる国営の学習塾みたいなものがあって、一般的な教養は無料で学べるようになっていると聞いたが、意外と就学率は高いのかもな。
識字率の高さから察するに、基礎教育課程の就学率は九割を超えているだろう。by【魔眼】
ああ、そういえば、誰もが文字の読み書きや計算に困ってない感じだもんな。
カヴィエルト王国の識字率が五割程度だと言われているからな。連合は経済のみならず教育水準もかなり高いといえるだろう。by【魔眼】
「姫様、街のレストランにて品評会の受賞作が食べ比べ出来るようですよ」
「ん、そこ行く」
「かしこまりました」
高山地帯という事もあり、周りはひんやりとした空気に満たされているようだが、俺には関係ないので服装などどうでもいいのだが、今日は見た目が寒々しくならない程度にはトップスの重ね着をしている。フリルの詰襟ブラウスの上に、ホワイトミンクのボレロだ。更にゲオルグの生足禁止令が発動しているので、黒刺繍付きの濃紺のミニフレアーの下は黒のスパッツとショートブーツで肌を隠している。騎上ではゲオルグに背を預ける格好になるので、髪は垂らしたままにしてあった。
先頭の案内人に続いてオスカー、俺とゲオルグの左右にシュテファンとテオ、後ろにロルフという鉄板の陣形で歩けば、自然と人々も避けて行く。お陰で非常に歩きやすい。視れば、この街には露店がなく、通りに面した建物の1階はほぼ何らかの店となっていた。
カルーセンは期間限定の都市だからな。一般住宅という建物は皆無だ。どれも何かしらの商業施設や生産加工所を兼ねていて、表通りにあるのは飲食店と宿泊所だな。ここで作られる加工品は全てカルーファンの商業ギルドを経由する事になっているが、出来たてのチーズだけはここで食べられるようになっている。夏の避暑地でもあるので、街全体が観光施設と思っていい。by【魔眼】
うん、この景色と気候なら、遠方からでも富裕層が夏の避暑に来るのわかる。きっとカルーファンの民も休みを利用して上がって来るんだろうしな。連合にバカンスの概念はなかったが、実は三連休くらいなら結構簡単に取れるらしいからな。なんか、王族周りが一番のブラックな気がするんだよな。
案内された雰囲気の良いレストランの奥席に着いた俺達に、まず供されたのは乳酸菌の発泡酒だった。味はカルピスチューハイに近いけど、味が甘目でアルコール度数も高く結構強烈なパンチがある。それに合わせてセミハード系チーズの優勝作である『岩塩チーズ』が出て来た。綺麗なオレンジ色でチェダーチーズを思わせたが味は全く違い、塩気の効いた濃厚な味わいで、発泡酒にも良く合った。次は白ワインとフレッシュ系チーズの『水牛のモッツァレラブラータ』で、これは向こうでも食べた事はあったが、段違いに美味かった。外側のモッツァレラも中のクリームも、水牛独特の濃厚なミルクの旨味がたまらない逸品だ。白カビ系チーズは城で取り寄せていた『岩山羊のチーズ』が今年も優勝だったらしく、安定の美味さだった。青カビ系チーズは今年初参戦という若手の作で、こちらでは今までなかったというゴルゴンゾーラドルチェに近い味で、審査員達に衝撃を走らせたらしかった。ウォッシュ系チーズの一等を取った『ビゴのモンドール』は、そこらの赤ワインでは負ける程のねっとりとした奥深い味わいで、熟成ワインを空けさせる事になった。食べ方としては、上部をカットして室温で溶けた所に白パンやサイコロステーキ、茹でた野菜を絡めて食べる疑似チーズフォンデュだな。デザートはもちろん、濃厚ソフトクリームだ。ただこれは、昨日城で食べたものからしたらどうしたって劣る。劣るが、十分に美味かった。
一時間近く掛けて昼食を済ませ、一端今日の宿泊場所へと向かう。
そこは街の最奥、天然の崖の上に作られた王家の離宮だ。離宮とはいっても、謁見の間もなければ大広間もない。ちょっとしたサロンやダイニングがいくつかと、高級リゾート並みのスイートがたくさんあるといった感じだった。まあ、使われ方としては避暑なんだろうから、それでいいんだろう。
特筆すべきところは、絶景を背景に崖に沿って作られたテラスだろうな。
今日の晩餐と明日の朝食はこのテラスだと聞いて、ちょっとワクワクした。しかも、カルーファン王家の配慮で、今日は俺達だけの貸し切りらしい。
「午後はどうされますか?」
合流した俺の侍女達からロングスカートのドレスに着替えさせられ――ミニスカは乗馬の為だったので――髪を結われた俺に、シュテファンが問うてくる。
これが普通のお姫様であれば、長時間の乗馬で疲れているだろうから、ゆっくり休養となるのだろうが、俺にそれは当て嵌まらない。第一、明日は朝食後にカルーファンに戻るのだ。街歩きをしなくてどうする。
「生産工房の見学と、食べ歩き」
「かしこまりました」
商業ギルドが目を光らせているので、この街で直接買い付ける事は出来ない。だから、美味い工房を見つけておいて、明日カルーファンの取扱い店に買いに行くのだ。なお、生産者直売という考え方は、この国にはなかった。ギルドの既得権益が強いのが原因だろうが、内政干渉をする気はないので、めんどくさいが仕方ない。
で、引き続き案内を依頼した商工局の高官に連れられて、あちこちの工房を見学しつつ試食させて貰いながら、俺好みのチーズをピックアップしていく。もちろん、それらはテオによって記録され、明日の買い物に活かされるのだ。
そして、俺の鉄壁の胃袋は、あらゆる店のソフトクリームを制覇していく。これも店毎に特徴を持たせようと工夫が施され、ひとつとして同じ味はない。因みに、ここのソフトクリームは小鉢型のワッフルコーン盛られて出てくる。といっても、ソフトクリームマシーンなんてものはないので、盛り方はスクープで掬ってという事になるのだが。
「ピルルッ」
一口ずつお裾分けを貰うエンヤも超ご機嫌だ。
「ゲオルグパパ、これオススメだよ」
「うむ」
特に美味いと思ったものは、ゲオルグにもスプーンで掬って差し出し食べて貰ったのだが、その一見砂吐きそうな甘い行為を躊躇なく受け入れている鬼元帥を見た、現地案内人や居合わせた者達の顏が引き攣っていたのは、もちろん計算通りである。
うちの近衛達も、俺が人前でパパ呼びした事には驚いていたが、行為自体は微笑ましいものを見る顔付きで見ていたな。
これが、姫の言う周りをドン引きにする甘え方なのか?by【魔眼】
まっさか~、この程度じゃ序の口だね。本気を出すのはオーバルトに戻ってからだよ。
そうか…。by【魔眼】
その日の晩餐は篝火の焚かれたテラスという、とんでもなくロマンチックなシチュエーションで始まったが、何よりその澄み切った空に広がる満点の星空に、思わず声がでた。
「ふあぁぁあ、凄い星っ」
「ここは高地で星の冴えが違うからな」
そうなのだ。この世界、人工の灯りが少ないので、実はどこに居てもプラネタリウム張りの星空が見える。けど、ここは空気がより澄んでいるからか、見え方がまるで違う。なんというか、いつもより焦点が合ってるって感じなのだ。しかも、今まさに降ってきているかのような近さだ。
「ほんとうに、なんと素敵なのでしょう」
「このような場所でご相伴に預かれるなんて、幸せなことですわね」
「カルーセンがこのような場所だなんて知りませんでしたわ。夫が退役しましたら、今度は家族で訪れてみたいものですわね」
「最近、どこのギルドも転移魔法陣の使用料が下がり始めたそうですわよ。わたくしも旦那様にお伝えしてみましょう」
今日は貸し切りだから、俺の我儘で侍女達も同席させたが、いつもと違って皆はしゃいでいる感じがする。俺達と違って寒さに弱いんじゃないかと思っていたが、篝火の所為でそこまで寒くはないようだし、しっかり着込ませているので大丈夫なようだ。うん、良かった。
晩餐の料理は素朴な田舎料理というか、素材の味で食べさせるものだった。高地産の野菜はどれも美味しく、そこへ種類豊富なチーズを合わせれば、また違った旨味を感じられていい。具沢山のシチューやグラタン、白ワインで溶かしたチーズフォンデュ、茹でた野菜やローストチキンに溶かしたラクレットをたっぷり掛けて食べたりしたが、どれもこれも満足出来る味だった。
翌朝は翌朝で、朝日に照らされて輝く山々を見ながら、搾り立てのミルクから始まる朝食で、ついでに堅くて噛み切れないという噂の肉も、塩漬けにして熟成させれば生ハムとジャーキーの中間のような噛み応えの保存食になるという事で黒パンと共に食べてみたが、なるほど食べれない事はないというものだった。価格の安さと保存性から、これはこれで需要があるというのも頷ける。ただ、敢えてこれを食べる必要はないというのが、正直な感想だな。
そんな感じで、俺達のカルーセン滞在のリミットは、あっという間にやって来た。
案外、登りよりも降りの方がきついとは聞くが、バトルホースの脚力であれば山道も余裕で駆け下りれるらしいので、先に侍女達が転移魔法陣で戻るのを見送り、予定よりも少し遅めにカルーセンを出た俺達は疾走という名にふさわしいスピードでカルーファンに戻った。実は登りよりも降りの方が目前に広がる景色は雄大で、はるか彼方まで広がる森や川や高原というパノラマに、結構感動したりしていたのだ。
カルーファンに着いたら着いたで、すぐには城へ戻らず、昨日の購入リストを消化すべく精力的に街を巡った。当然、ここもお忍びにならないお忍びモードだったが、時間の無い俺には外野の喧噪など気にしていられない。
だって、カルーセンとは違い、ここにはチーズ系スイーツの店が目白押しだったのだからな。しかもここは、500万都市だ。街の規模がオーバルトとは桁違い。事前に収集していた情報を基に昼も摂らずにひたすら買いに走ったが――大都市なので道幅も広く、バトルホースで巡っても問題がなかった――前々日に城の侍従から勧められていたアフタヌーンティーの名店に辿り着く頃になっても、数店の買い残しが発生し、更には数量限定で手に入れられなかった物まであった。
「明日のイナーフェンへの出立は昼過ぎに致しましょう。あちらの王家へは、正餐ではなく晩餐への変更を打診しておきますから大丈夫ですよ」
スコーンの代わりにチーズスフレが出る店で、ほあほあのスフレを突きつつもぐずっていた俺に、出来る男のシュテファンは爽やかに笑い掛けた。
「いいの?」
「おまえにそんな顔をされては、予定通りに出発するとは言えんな」
「ピュイッ」
ゲオルグに頭を撫でられ、エンヤに頬をスリスリされては、いつまでもぐずってはいられない。
「明日は夜明けと同時に並ぶ!」
予約不可かつ数量限定というチーズバタークリームサンド『極』――濃厚なバタークッキーの間にフレッシュチーズとバターのクリームを挟んで型焼きした名物のプレミアム版――は、毎朝行列ができ、開店と同時に売り切れ必至というものだった。
「それはロルフに行かせますから、姫様は開店の少し前に参りましょうね」
「あ、うん」
笑顔の質が変わったシュテファンに逆らってはいけない。
オーバルトの姫が庶民に混ざって並ぶなど、いくらお忍びとはいえシュテファン達には到底許容出来なかったようで、当のロルフにも、私にお任せ下さいと力強く念押しされてしまった。
その後は、城に戻ってヤキモキしていた侍女達の特急エステを受け、国王との私的な晩餐に臨んだのだが、その席でお爺ちゃん国王は、俺に妙な事を言って来た。
「姫君は、結構なコレクターだそうだの。しかも、貴賓室に置いてあったボンボニエールが大層気に入っておったとか?」
「…んん?」
「来訪の記念に余がプレゼントするが、どうじゃ?」
いや、別にあれが気に入ったなんて言った覚えはないぞ。単にあの王家の生キャラメルが…。
そこで、はっとなり、貴賓室のボンボニエールを視てみた。
燭台のような凝ったデザインの台座に大きな陶器の丸箱がふたつ乗った豪勢なそれには、今日もぎっちりと生キャラメルが詰まっている。そのボンボニエールをくれるという事は。
「いいの!?」
「もちろんじゃよ。気に入っておったのじゃろ?」
「うん、凄く!」
「そうかそうか、姫君のコレクションに加えて貰えるなら、余もうれしいぞ」
中身の方に目がいっていたが、あのボンボニエール自体も結構な名品なので、俺のコレクションとしても何ら遜色はない。けど、それよりもここでしか食べられないアレを持ち出させてくれる国王の太っ腹に感謝だ。
「次はもっと長く滞在して欲しいところじゃがな」
「そうですね、来年はもう少し考えてみようと思っております」
国王の依頼に、ゲオルグが何やら思案気に頷いている。外交的見地のあれやこれやかな?まあ、そこら辺はゲオルグに任せておけば間違いないだろう。
その後、明日の予定変更も問題なく出来たと聞き、俺達は就寝した。
翌日、数量限定品の確保をロルフに託した俺は、のんびりと朝食を済ませてから、バトルホースに乗せてもらって件の店へと繰り出した。
「申し訳ございませ~ん。本日の販売分はこちらの方で終了となりま~す」
「うおぉぉぉっ、今日はダメだったかーっ」
「やったー、ギリ買えたぜ!」
「あんた何時に来たんだ?」
「1時前だよ」
「う~ん、やっぱそのくらいに来ないとダメか~」
店の周りで繰り広げられる悲喜交々を見つつロルフの側に近づくと、俺を見た周囲の者達が驚いて後じさりしたので、ロルフの周りにだけ調度良い空間が出来た。
「良かった、15番目だね」
「私の前は昨晩からの徹夜組だそうですよ」
菓子ひとつに徹夜?と思わなくもないが、この行列が買おうとしているのは、一日100箱しか作られない限定品で、買えるのもひとり1箱だというのだから然もありなん。俺だって、昨日食べた通常版の美味さに10箱――1箱10個入り――買ったが、その上を行く極上品だというのだから、ぜひとも手に入れたいと思うのは誰しもだろう。
実は値段も結構するのだが、派手に喜んだりしている者より粛々と並んでいる者の数で判断するに、ここに並んでるのは個人でというよりもロルフのように仕える主人の為にという人間の方が多いようだ。
「いいい、いらっしゃいませ。極のご、ご購入でよろしいでしょうか?」
昨日訪れた時とは違う店員だったが、昨日と同じ反応をされたな。
「ああ、頼む」
ロルフが俺から預かった金を差し出し、用意されていた箱を受け取ると俺に手渡してくれる。
「はい、姫様、どうぞ」
「うん」
出来たての甘い匂いが漂う箱を貰い、胸に抱えて店を出る。後ろの方では、店員達の『ありがとうございました~』という声が見事にハモっていた。俺が抱える程の大きさの箱なのは、サンドひとつが15センチ角というサイズだからだ。この大きさだから、一箱10個でも十分な量がある。それに、俺達は10人だし、今晩皆で楽しむ分には丁度良かった。
暫しその香りを堪能してから、箱を【異界】に仕舞う。俺の周りには立派な体格の壁が出来ているので、この程度のスキル行使は気づかれない。
それから予定していた店を数店巡り、納得のいく買い物が出来た俺はバトルホースを壁外の転移魔法陣でオーバルトに戻し、今度はイナーフェンへと向かうべく迎えに寄越して貰った馬車でカルーファンの王城に戻ったのだった。
取り敢えず年内は更新を止める事無く終えられました。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。




