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氏親の謀略2

宗長:「氏親の命を受けた古白は、豊川のほとり。馬見塚の岡に城を築き、この地を今橋と名付け城主となるのでありました。」

宗牧:「……が、その翌永正3(1506)年。氏親と古白の関係は破綻。今川は攻撃するため兵を今橋に向けるのでありました。良好であった両者の関係がなぜわずか1年の間で崩壊することになってしまったのか……。」

宗長:「1つ取り上げるとしますと、今橋は渥美郡。その渥美郡で勢力を伸ばしていたのが戸田憲光。」

宗牧:「その戸田氏が渥美郡内を北進し、牧野氏が勢力を張る宝飯郡と八名郡を睨む形で造ったのが。」

宗長:「二連木城。」

宗牧:「その二連木の城から古白(氏親)が築いた今橋までの距離は。」

宗長:「わずか1キロ。」

宗牧:「これだけの至近距離。しかも山や川など自然環境に影響を受けない場所に両者が存在していた。と言うことは……。」

宗長:「今橋の城が出来る以前から係争の舞台となっていたことが容易に想像することが出来ます。」

宗牧:「その地に古白は城を築き……。」

宗長:「松平攻めの拠点とは言え、大量の今川の兵力を迎え入れることの出来る態勢が整う事態となった。と……。」

宗牧:「これに慌てた憲光は。」

宗長:「今川との関係構築に力を入れることになる。」

宗牧:「今川としましても目的は対松平にあるため。」

宗長:「従ってくれる分には構わないスタンスをとっていることもあり。」

宗牧:「気前よくこれを受け入れた。と……。」

宗長:「そうなると面白くないのが牧野古白。」

宗牧:「これまで尽力して来たことは一体全体なんであったのか……。」

宗長:「氏親・古白双方の通信が徐々に疎遠となっていく中。」

宗牧:「その隙をつき関係を深めることになったのが。」

宗長:「戸田憲光。」

宗牧:「憲光の讒言を真に受けた氏親は。」

宗長:「松平を攻める手始めに。と……。」

宗牧:「裏切った古白をまず血祭りにあげることを決断。」

宗長:「そこで氏親が奥三河の奥平氏に認めた書状がこちら。」


【牧野古白により窮地に陥っている戸田憲光を救うべく私は出陣することになりました。古白の件が片付きましたら以前から懸案となっています松平を始末しようと考えています。そこで奥平殿には今の岡崎から豊田に抜けるルートの確保をお願い申し上げます。】


宗牧:「松平と古白を悪の枢軸に見立て、氏親はあくまで三河の民の救世主として。の装いを整えようとしていますね……。」

宗長:「今川・戸田の連合軍に今橋の城を囲まれた古白。」

宗牧:「今橋の城は対松平。豊川を用い、北からの攻めに備え強化された城なのでありましたが。」

宗長:「安全なハズの今川勢力下である南から攻め込まれ、背水の立場となってしまったことに加え、」

宗牧:「古白の本貫地はその豊川の対岸にある宝飯郡であったため。」

宗長:「救援も思うようにはいかず。当然宝飯郡にも今川の兵は入って来たとおもわれますので。100日あまり持ちこたえたのではありましたが……。」

宗牧:「今橋は落城。」

宗長:「古白以下多くの親戚縁者は討ち死に。」

宗牧:「ベンチャー企業が大きな会社と提携したまでは良いが。資本力の差により徐々に権限が奪われていったベンチャー企業の社長が。」

宗長:「なにやら不穏な動きを見せようとしているのを。」

宗牧:「さっして先手を打ったのか……。」

宗長:「シンプルに用済みであったのか……。」

宗牧:「どちらにしても氏親に後ろめたいことがあるのでしょうか……。」

宗長:「三河を救うために立ち上がったなどと言う大義名分といい。」

宗牧:「もし古白が降伏を申し出たとしましても……。」

宗長:「……後腐れ無きよう。」

宗牧:「根絶やしにしたのでありましょうね……。」

宗長:「このいくさの結果。今橋の城は戸田氏が管理することになり、今川は兵を更に西へと展開することになるのでありました。」

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