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宗長・宗牧

宗長:「皆様こんにちは。連歌師の宗長です。」

宗牧:「弟子の宗牧です。」

宗長:「これから我々がこの物語のナレーション。語りを務めさせていただくことになるのでありますが。」

宗牧:「読まれている皆様の内。多くのかたが抱いているであろう疑問からまず述べなければなりませんね。」

宗長:「それは……。」

宗牧:「我々はいったい誰なのか?であると思われます。」

宗長:「私どものことを説明するよりも、私の師匠である宗祇のほうが名が通っているかと……。」

宗牧:「かの古今和歌集の秘伝解釈である古今伝授を受け継いだかたでありますからね。」

宗長:「我が師・宗祇は京の相国寺に入りまして順調に出世を果たし、平時でありましたらそのまま左団扇で悠々自適な日々を送ることが出来たであろうかたなのでありましたが。」

宗牧:「応仁の乱が発生致しまして……。」

宗長:「京の都は焼け野原。」

宗牧:「多額のお布施を払ってくれるスポンサーも自分の生活で手一杯となり。」

宗長:「収入源を失い、生活に困った師・宗祇が活路を見出したのが。」

宗牧:「地方遠征。」

宗長:「若狭の武田に能登の畠山。越後の上杉に西国周防の大内に至るまで。」

宗牧:「金になるならどこへでも馳せ参じ、日本全国に連歌ブームを巻き起こしたかたが宗祇その人でありまして。」

宗長:「宗祇の居る京で薫陶を受けたのが私宗長であり。」

宗牧:「北陸遠征中の宗祇の後を追ったのが私宗牧なのであります。」

宗長:「そんな我々がなぜ三河の話に?と思われるかもしれませんが。」

宗牧:「我が師となります宗長の出身が駿河の地。」

宗長:「元々私は今川義忠の家臣でありましたが、義忠が敢え無い最期を遂げ。駿河の国が落ち着かない情勢になったこともありまして上洛。その後、宗門の世界で長じたところで義忠の嫡男・氏親が無事家督を継ぐことが出来たことにより、再び縁が出来まして駿河と京の間を行き来する生活が始まり、その間にあります三河とも縁が生まれたわけであります。」

宗牧:「当時は21世紀の世の中とは異なり、通信技術が発達していない時代でありましたので、一つ小粋なフレーズが出来ますと、それだけで全国ツアーを組むことが出来る有難い時代。ちなみに師・宗長が編み出した数多ある言葉の中で、最も世間を震撼させたワードと言えば……。」

宗長:「急がば回れ!!」

宗牧:「この一言でどれだけの銭こを懐に治めたかにつきましては……。」

宗長:「(……国税がうるさいので……)。」

宗牧:「もっとも……。」

宗長:「(幕府がしっかりしていたなら、こんな地方行脚をする必要もなかったわけでありまして……)。」

宗牧:「我々も食うのに精一杯の時代なのでありました。」

「それにしても京と駿河の間の行き来が頻繁であったのは異常と言えば異常なのでありますが。」

宗長:「それには理由がありまして。」

宗牧:「それは何かと言いますと。」

宗長:「我々には連歌師のほかにもう一つの顔がありまして……。」

宗牧:「大きな声では言えないのでありますが。」

宗長:「実は我々。今川氏の外交顧問も兼務する立場にありまして。その今川と折衝事にあたる勢力とも深い繋がりを持つことになりまして……。」

宗牧:「表立っては早雲が武力で持って。裏のことは我々がわからないところで始末する……。」

宗長:「今。そのターゲットになっているのが三河の国。」

宗牧:「なにやら氏親と古白が話し合いをしているようでありますよ……。」

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