悲しみと憎悪の結果はご褒美?
中二病注意です
誤字脱字等のご指摘よろしくお願いします
「うぁぁ……があああああああああああああああああ ! 」
魔物のような声を上げる黒い何かの声がリュウセイだとイチノとラルフは分かった
イチノとラルフは驚いて声も出ない状況
しかしそんな中いち早く正気を取り戻したイチノはリュウセイに心配するかのように声をかけた
「リュウ……セイ ? 」
「うがああああああああああああああああああああああああああ」
今の黒い何かをまとったリュウセイには彼女の言葉は何かに遮断されているかのように届かない
「ん〜、やっと面白そうな事が始まったのに期待ハズレね〜」
つまらなさそうにしていたエリゴスはそういうと槍を構えてリュウセイに突撃する……しかしそこに獲物はいない
「闇魔法……『血の代償』 ! 」
1人の少女、ラルフは自分の腕を切りそう呟くと、リュウセイに似た何かがそこに出来上がった
それがラルフの作った何かだと気づかずに突撃したエリゴスは再びニヤリとして攻撃体制に入る
「ラルフ様 ! 援護をお願いします」
「わかりましたですぅ〜」
イチノはエリゴスに物理面で勝てるはずがない、そんなことはイチノが誰よりも分かっていた
だから少しでも勝率を上げるためラルフの「闇魔法」を頼ることにした
「闇魔法……『ジャック』 ! 」
エリゴスの目は一時的に機能しなくなる、その瞬間を狙ってイチノは「剣術lv3」を使い切りかかるがまるで目が見えているかのようにエリゴスはイチノの気配だけで攻撃を防いだ
「この程度なの〜 ? 私を失望させないでね〜」
エリゴスは再び槍を構えて突進してくる
「闇魔法……『ジャック』 ! 」
ラルフはさっきと同じ魔法を唱えるが2度はエリゴスに通用するはずもなく突進していったイチノは吹き飛ばされる
「がっ…… ! 」
イチノはもう戦える事ができない、立つ事がやっと、しかしイチノは持ち前集中力でなんとか戦っている
「闇魔法……最終奥義『混沌』 ! 」
ラルフはそんなイチノを見て最初からこれを使えばこんなことにならなかったのかと考えながら凄まじい勢いでエリゴスを中心にして闇に飲まれていく
「そこそこやるようね」
一言、いままでのエリゴスの声とは違かった
ラルフが打つことのできる闇魔法の最終奥義を直で受けて無傷とは流石のエリゴスでもいかなかったようだ
しかしエリゴスの体には傷らしい傷もなくほとんどダメージを追っていない状況に近い
「私を失望させた罰よ死になさい……『グングニル』 ! 」
イチノとラルフ、そしてリュウセイを囲むように何もない場所から無数の槍が出現する
今にも飛び出してきそうな槍
そんな時リュウセイの脳内にある声が聞こえてくる
(お前は何をしたい)
「……」
リュウセイは答えない、再び声が聞こえる
(お前は何を望む)
「2人を……惚れた相手を守りたい」
(なぜ守る)
「……」
(答えろ、なぜ守る)
リュウセイは一言
「好きだから」
(守るために何がいる)
「力……2人を守るための力が欲しい」
(ならば我を求めろ、力を渇望しろ
我を受け入れろ、力には代償が必要だ受け入れる力が大きすぎて汝の身が持たぬかもしれぬ、覚悟しろ)
「……ああ、それでも惚れた相手を守れるくらいの力が欲しい」
(よかろう)
謎の声はそう告げると聞こえなくなった、その瞬間リュウセイの身にまとっていた何かが自分を守る黒い鎧へと変化した
リュウセイには3つの力が与えられた
一つ目は変わらぬ「愛」を守る盾
二つ目は「憎悪」を焼き払うための業火
三つ目は「悲しみ」に打ち勝つための純粋な力
「ふふふっ、また面白くなってきたわね、最終ラウンドの始まりよ ! 」
そういうとエリゴスは無数の槍を撃ち放った
しかしその槍はリュウセイ達に届くことはない、見えない壁に遮られているようだった
その正体はリュウセイに与えられた一つ目の力、守るためのスキル「プロテージ」だ
それにはエリゴスも驚いたようだがすぐに体制を立て直し、一本の槍とともに突進してくる
「はははははははははははは ! いいね〜、こんなにゾクゾクする相手と戦ったのは10年前以来だよ ! どうか失望させないでくれよ ! 」
リュウセイはエリゴスとともに突撃してきた一本の槍を素手で受け止める
三つ目の力、悲しみに打ち勝つための純粋な力によってエリゴスの槍は受け止められる
「チッ ! やるじゃないの !」
リュウセイにそんな言葉は届くはずもない、次に瞬間エリゴスの体は炎、いや業火がまとわりついた
「クリムゾン・ヴァルカン」
業火の正体は、二つ目の力「憎しみ」を焼き払うための業火
「ふふっ……やるじゃないの」
リュウセイはトドメを刺そうとエリゴスに近づくがもうすでに姿はない
最初から逃走用の力を残していたかあるいはまだ本気ではなかったかのどちらかであろうとリュウセイは予測する
「チッ、逃したか」
普段のリュウセイからは想像もできない口調で放たれたその言葉は何の攻撃よりも2人に衝撃を与ええた
「うがああああああああああああああああああああああああああ ! 」
戦闘が終わったかと思うとリュウセイは再び暴走する
それはもうアルト草原一面を火の海に変える勢いでの暴走
もう誰も止めることができない、このままアルト草原は火の海になると誰もが絶望するこの状況、しかしイチノだけは違った
イチノは一か八かにかけてリュウセイに近づくがリュウセイは手を振りかざす
しかしイチノを目の前にして振りかざされた手は止まった
「しかたないわねぇ……今回だけよ
もう……」
ラルフはイチノが何をするのかと思えばイチノはリュウセイの唇に口づけをした
ラルフの顔は真っ赤だ、しかしそれと同じくらいにイチノの顔も赤くなる
「い、イチノ何をしてるんです ?」
「……」
イチノは答えることができない
「……ここはどこ ? 私は誰 ?」
「何バカなこと言ってんのよ……大変だったんだからね !」
リュウセイが目を覚ますとそこは見覚えのあるイチノ達が止まっていた宿だった
「私も心配したんですよ〜」
ラルフはあの時のこと、そしてあの後起こったことをリュウセイに話す
「っ、ああエリゴスが逃げたのは覚えているしかしあの後のことは覚えていない、そんなことがあったのか……」
リュウセイは自分が何をしたか、イチノが何をしてくれたか、それら全てを覚えている
思い出すとイチノとリュウセイは顔が赤くなった、そしてなぜか関係のないラルフの顔まで赤くなる、3人のうちで一番赤いと思われる、関係がないのに
リュウセイはイチノの事を無意識に考えていた、彼女の扱いはもうラルフと同等であろう、彼女を思う気持ちも何もかもがラルフと同等
イチノをラルフと同じくらい意識していた
「本当にありがとう、2人がいなかったら俺は今頃ここにいなかっただろう」
2人、ラルフとイチノはリュウセイの一人称が変わっている事を特に気にもせず話を進める
「2人にお礼がしたい、明日、観光区に美味しいレストランがあるみたいなんだよかったら一緒に行ってくれないか ?」
「まぁ、それくらいいいわよ」
「まぁ、それくらいならいいです〜」
デートイベント発生 ! などリュウセイは思いながら帰ろうとするとその日は2人の宿に泊めてもらう事なる
(よっしゃ ! デートイベントだけではなく、お泊まりイベントまで同時発生するなんて !)
リュウセイはニヤニヤしているとラルフから冷たい視線が繰り出せれる
しかし、リュウセイにそんなもの効果がない、むしろ興奮させてしまうだけだ
そんないつものやりとりを続けていた
pvやブクマが増えてきました!
このまま第一目標のブクマ10が達成できると嬉しいです
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とてもモチベーションあがります