初めての苦戦 後編
遅れてごめんなさい
昨日は寝てしまいました。
今日はもう1話投稿する予定です
「カタカタ」と音をしながらゴブリンアビスは自身の切られた腕を取り戻していく
リュウセイやイチノはそんな様子を唖然としながらみていた
「なんだよ……これ」
「なによ……これ」
2人が唯一気があった瞬間だ、口に出した言葉は同じだった
リュウセイは復活したゴブリンアビスを急いで「愛眼lv2」で見て見ると今まで以上におかしい存在だと気がつく
名前:アビス化
レベル:15
体力:500
物理的攻撃力:3000
物理的防御力:100
特殊攻撃力:100
特殊防御力:50
魔能力:毒分泌、アビス化、心話
スキル:物理的攻撃力強化lv4、鉄壁、剣術lv1、疾走lv2
好感度:40
物理的攻撃力が今までよりも遥かに強くなっていてなおかつスキルも強化されていたのだ
「まじか……」
リュウセイはポツリと呟く、すぐにナイフを構えて攻撃体制に入った
「小僧……俺をここまで追い詰めるとは気に入ったぞ !」
どこか無機質な声が辺りに鳴り響くとその声の主がゴブリンアビスだとイチノとリュウセイはすぐに気づいた
「なんで喋ってるのよ……魔物って喋」
「わかるはずないじゃん……まだこの世界に来て数日しか経ってないんだよ ? 」
「それって設定じゃなかったの ? あんた本気で大丈夫 ?」
イチノがリュウセイを本気で心配している間にゴブリンアビスがリュウセイに剣を振りかざし襲いかかって来た
「ここは危ないからイチノは下がっていて、今までとは比べ物にならないくらいつよい」
「悔しいけどそうするしかないみたいね……」
イチノの怪我をした腕では足手まといになるだけだ、それをイチノ自身もわかっていた
「小僧俺を失望させてくれるなよ」
ゴブリンアビスがそう言うと今までとは比べ物にならないくらいの威力の攻撃をして来た
「っ……」
リュウセイは受け止めるのは無理と判断し攻撃をかわすことに専念している
「小僧、避けてばかりでは俺が楽しめないぞ全力で……こい ! 」
「言われなくても」
リュウセイは「疾走lv1」と「気配削除lv1」を使ってさっきと同様にゴブリンアビスの後ろに回って攻撃をした
しかし「カン」とまるで金属を切ったかのような音がした
(こいつの物理的防御力って低かったのになんで弾かれるんだよ……まさか見間違い ? )
そう思いもう一度ステータスを確認するが見間違いではなかった
「なんでこんなに硬いんだよ……チートだろ、ん ?」
ゴブリンアビスの体をよく見ると「毒分泌」で何十層にもコーティングされていてさらに「鉄壁」などを使い防御力を高めていたのだ
「刃が通らないわけだ」
「さっきと同じようにとかして見たらいいんじゃない ?」
ポカンとしながら言うイチノ、だがそんなに簡単にいくわけがない
「簡単そうに言わないでくれよ、こいつの体分解を使いながら攻撃するととかした分だけまた毒でコーティングされるんだ」
イチノはイチノで何かできることはないか、あいつの弱点はなにかなど考えていた
「何かないの…… ?」
リュウセイはまたゴブリンアビスの後ろを取ろうとして近づいた、その時ゴブリンアビスの首が180°回転したのだ
「うわっ、お前今までわざと攻撃を受けていたのか ?」
「ふっ、小僧の攻撃など避けるに値しないだけだ」
ゴブリンアビスは腕も回転させてリュウセイを切りつけた
「っ……」
リュウセイは空中にいたのでかわすことができずに攻撃をまともにくらってしまい吹き飛ばされてしまった
「あんた ! 大丈夫 ? 」
「っあぁ、直撃は避けたからな」
リュウセイにダメージが入ってないと言うと嘘になる
リュウセイは直撃は避けた、がその代償に左腕がまともに使えない状態になっていた
「何か無いのか、この状況を覆す何かが」
このままではゴブリンアビスに勝てない……と思いながら勝つ方法を考えているとあることを思い出した
「おいイチノ、僕のこと好きか ?」
「な、何を急に !」
突然変なことを聞かれたイチノは動揺を隠しきれていない
「好きか嫌いかで言うとどっち ?」
「好きか嫌いかで言うとす、好きだこうして何度も助けてくれたことは感謝しているからな」
イチノは恥ずかしそうにリュウセイの事は嫌いじゃ無いと伝えた、リュウセイは少しニヤニヤしている
「ありがとう、少し目をつぶって」
「っ急になんだ !」
言われるがままにイチノは目を瞑るとリュウセイはイチノの可憐な唇を奪った
「んっ……」
色っぽい声が聞こえてリュウセイは一瞬誰 ? と思うがやはりイチノだった
こんな可愛い声も出せるのだなと感心しているとその時にはイチノの顔は真っ赤だ
やりすぎたか ? と思いイチノの方を見ると嬉しいのか怒っているのかわからないほど顔を赤らめている
「っ、急ににゃにをする !?」
「すまない、あいつに勝つにはこれしか方法がないんだ」
これは本当だ、こうすることが今回ゴブリンアビスに勝つことができる唯一の手段だ
「べ、別に怒っているわけではないが責任はきちんと取ってくれるのなら問題ない……」
イチノの顔はやはり真っ赤、もうそれ以上口を開くことはなかった
リュウセイがイチノの唇を理由もなしに奪ったわけでは無い、新固有能力を使うために必要なことだった
リュウセイの新固有能力、「キス」はその名の通りキスをすることで発動される新固有能力だ
対象が少しでも自分に好意を抱いてる時に使うと一定時間その好意を爆発的に上昇させるという能力
ちゃんと発動されているだろうかと思いながらイチノに「愛眼lv2」を使う
名前:イチノ・ルーン
レベル:21
ランク:D
体力:200
物理的攻撃:600
物理的防御力:120
特殊攻撃力:400
特殊防御力:120
固有能力:集中
スキル:剣術lv3、気配削除lv1
適正職:剣士、ナイト、暗殺者
好感度:MAX
好感度が最大まで上がっていた、これには使った本人でさえとても驚いていた
「まさかこんなに効果があるとは……」
これならいけるだろうと「絶対信頼」を使うとイチノの体が光りだし自分の中に光が吸収されていく
ステータスが自分の中にに吸収されていく感覚があり成功したと確信できた
名前:リュウセイ・スメラギ
レベル:3
ランク:F
体力:450
物理的攻撃力:900
物理的防御力:360
特殊攻撃力:500
特殊防御力:340
固有能力:「セーブ」、「愛眼lv2」、「絶対信頼」、「キス」
スキル:気配削除lv2、気配感知lv1、疾走lv2、剣術lv3
魔能力:「分解」
適正職:なし
「これなら勝てる…… !」
(……さすがに適正職までは得ることはできないか)
少し残念そうな顔をしながらナイフを構えた
「ほう、何をしたか知らないが小僧の強さが増している、これなら楽しめそうだ…… !」
「フヒッ、そりゃどうも、まぁ僕は楽しむ気は無いんだけどね」
挑発じみたことをゴブリンアビスに言うとリュウセイは強化された「疾走lv2」と「気配削除lv2」を使ってゴブリンアビスの懐に潜ることに成功した
リュウセイはゴブリンアビスの腕に「剣術lv3」を使うとゴブリンアビスの腕は胴体と切り離され、「ボトッ」と音をして落ちた
「…… ?」
何が起こったのかわからなかった、しかしすぐにゴブリンアビスはニヤリとする
「愛眼lv2」を使ってみるとゴブリンアビスのステータスに異常が発生している
名前:アビス化
レベル:15
体力:400
物理的攻撃力:3500
物理的防御力:50
特殊攻撃力:10
特殊防御力:50
魔能力:毒分泌、アビス化、心話
スキル:物理的攻撃力強化lv4、鉄壁、剣術lv1、疾走lv2
好感度:60
物理的攻撃力がさらに上がっていたのだ
「まじかい」
リュウセイはなぜか物理的攻撃力と一緒に上がっている好感度をみてもしやと思い攻撃する
(……やはりそうだ、こいつドMだ !)
リュウセイは引きつった顔をしながらさらに攻撃をした
「もっともっともっとおおおおおおおおおおおおおおおお ! もっと攻撃をしてこい ! もっと俺を傷つけろおおおお ! 」
「えぇ……」
リュウセイは思わず困惑したような声を上げる、そしてゴブリンアビスの好感度パラメータが90まで上がっていることに気がつく
「本当はやりたく無いけどな……」
いやそうな顔をしながら「絶対信頼」を使うとゴブリンアビスが自分の中に入ってくる感覚がして思わず吐きそうになる
リュウセイはハァハァしているゴブリンアビスの事は放っておいて自分のステータスプレートを確認した
名前:リュウセイ・スメラギ
レベル:3
ランク:F
体力:750
物理的攻撃力:4400
物理的防御力:400
特殊攻撃力:510
特殊防御力:400
固有能力:「セーブ」、「愛眼lv2」、「絶対信頼」、「キス」
スキル:気配削除lv2、気配感知lv1、疾走lv2、剣術lv3、鉄壁lv1、物理的攻撃力強化lv4
魔能力:「分解」、「毒分泌」、「アビス化」、「心話」
適正職:なし
攻撃力だけならそこらの冒険者を圧倒できるほどのステータスにリュウセイは困惑し自分のステータスプレートをもう一度確認するが見間違いでは無い
リュウセイはゴブリンアビスに最大威力の「分解」をかけるとほとんど跡形もなく消えた
最後消える際に「ご主人様ぁぁぁ」とゴブリンアビスが言っていたのは聞こえなかったふりをした
「イチノ ?」
イチノの顔を確認するが顔は未だに赤く開いた口も閉じられていなかった
「イチノさん ? 、大丈夫 ?」
イチノが通常通りに戻るまで2、3時間くらいかかったのはまた次の話だ
ツッコミどころ満載の戦闘回ですがどうか温かい目で見守ってください
修正済み
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