晩餐会に行こう
俺をその名で呼ぶな!
―流狩雄くん12歳―
「何でそんなマトモなのよ」
そう言われても知らんがな。おっといけないつい前世の素が。
どうも、アルベルトです。僕の名前は王都にて変な風に伝わってるみたいです。初めて会った王女様からこの一言、泣いてもいいでしょうか。
王都にお呼ばれして晩餐会に参加しました。僕と妹は晩餐会に出るのは初めてだったのですが、まあうまく立ち回る事が出来たと思います。左頬に残ってる痘痕も大体の方は大人だったので皆様見なかったことにして頂いてます、さっきから妙な視線でこちらを見てる一人を除いて。
イザベルは僕のひっつき虫だったのですが、可愛いから何も問題ない。挨拶自体はきちんと出来てたのでお兄ちゃん子なのねって感じにしか思われてない模様です。僕と同じで妹大好きな兄上から殺気の籠った視線が飛んでくるのがとても怖いですが、イザベルが付いてくるんだから仕方ないじゃないですか(棒)。ただし、こちらも特定の一人から妙な視線で見られてる。
よりによってそれが第一王女のミレーユ姫だったりするんです。
ミレーユ姫は王女にてこの国一番の魔法使いで「マジックプリンセス」と呼ばれてる。その魔力は凄まじく、僕が死にそうな思いをしないと使いこなせない魔法陣でも姫にかかれば鼻歌交じりで連発できる。必死で体力作りしてる僕がバカみたい。
そんなトンデモ魔法使いに恨みを買ったら僕の人生終わったも同然なんですけど。誰か助けてほしい…とりあえず兄上に相談してみよう。兄上は今十五歳でこの国の貴族が通う学園の一年生だから王都に住んでいる。姫についての話も僕より詳しいはずだから、何か助けてくれるはず。
「姫は気さくな良い方という評判だし、俺も普通に話せてたから何かの勘違いじゃないのか?イザベルは俺が見てるから一度話し合って誤解を解いてこい」
兄上、それはただ単に俺からイザベルを奪いたいだけですね。
まあ、兄上のいう事も一理あるからいまだに妙な目線をこちらに飛ばしてくるミレーユ姫に挨拶しに行きましょう。
「お初にお目にかかります、リスホルン侯爵が次男アルベルトにございます。以後、宜しくお見知りおきの程をお願い申し上げます」
返事が無い、どうしようここからどう言葉を繋げればいいのでしょうか?僕が戸惑っていると冒頭の言葉をいただけた訳です。
「いやちょっと待ってください、確かに僕の顔はこんなですけど世間に顔向けできないことはしてないつもりです。っていうかこの痘痕面で中身までおかしかったら最低じゃないですか。いくらマジックプリンセスで名高いミレーユ様でもその言葉はあんまりです」
流石に反論したのですが、ミレーユ姫が怒ったような困ったような妙な表情をしている事に気が付きました。
「申し訳ありません、何か誤解があったみたなので2人でお話しませんか?」
あれ?僕の顔がキモいから見てたんじゃないのかな?まあ命が惜しいしここで断る理由はないですよね。
素直に付いていくとバルコニーに案内された。
「本当にごめんなさい、疱瘡にかかったという所から噂が変な風に曲がって伝わったみたいです。ご本人にお会いしたら噂と違って素敵な方でびっくりしてしまいましたの」
どんな噂だよ全く、あと俺に縁談がこない理由が大変よく判りましたありがとうございます。
「それでは、お詫びを要求してもよろしいですか?」
ちょっとダメ元でお願いをしてみよう。
「わたくしに可能な事でしたら」
「いや大したことではないです、王都の魔法学者を紹介していただきたいだけです」
「その程度なら構いませんが、わたくしのお願いも1つだけ聞いてもらえないでしょうか」
ミレーユ姫は今すぐにでも僕のことを絞め殺しそうな恐ろしい顔をしながら続きを言いました。
「二度とわたくしの事をマジックプリンセス(笑)みたいな恥ずかしい名前で呼ばないでくださいませ」
ハイ、ワカリマシタ、昔の外国ドラマみたいですね。あれは番号なんかで呼ぶなでしたっけ。
流狩雄くんは実在しないキラキラネームです。
DQNameのサイトとググって調べて居なかったんで、ちゃんと居ないと思います。
もし実在してたらごめんなさい。




