魔法を信じるかい?
魔法も、心霊も、妖精もみんなインチキだ
-A.C.ドイル―
十歳になりました、あの後は特に大きい病気も無く元気です。最近では領都の魔法使いにお願いして魔法の勉強をさせてもらってます。
といっても国王軍に居る魔法使いとかと違って、地方にいるような魔法使いは僕よりちょっと魔力が多い位だがそれでも何百人に一人のレベルらしいです。もっと魔力が多いのは王都に連れられて国王軍に入ることになります。
この世界では魔法陣に魔力を通すことで魔法を発動させます、基本的には手で魔法陣に触って発動させるのですが、慣れると体中のどこからでも魔法を発動させることが出来る―だからと言って股間に仕込んだ魔法陣から大量の水を放出して笑いを取ろうとするのは止めてほしいけれど―これは魔法をたくさん使えばコツが判ってくるので、魔法使いからごく簡単な子供の玩具レベルの魔法陣を貰いました。
これは簡単な爆発の魔法陣が書いてある銅板に長い銅線がつながっているもので、遠くから銅線に魔力を流し込むと地球で言うところの爆竹程度の爆発が起きるという物です。なんでも鉱山の爆破用に魔法陣を作った際思いついたらしい。銅を使うのは金銀銅は魔力をよく通すからだそうです。
そして現在、城の中庭で妹のイザベルや使用人の子供たちと魔法陣で遊んでいます。内容はどれだけ銅線を短く持って爆発を起こせるかという度胸試しだ、もちろん怪我したら負けなのですが、まあ威力が高いわけでもないのでそうそう怪我はしません。その代わり音が凄いので滅茶苦茶怖いんです。イザベルは最初びびっちゃって全く魔法を発動させられなかったが、最後の方で何とか銅線の端っこを持って爆発させられた。
護衛の兵士さんとか使用人さんたちがそろって拍手してました、イザベル愛されてるなぁ。
妹のイザベルについてですが、一言でいうと天使です。可愛すぎます。
上級貴族の家に生まれてどうしてそうなったのか疑問に思うくらい控えめで、兄が大好き(ここ重要)。父上と母上には何故か恐れつつ慕ってるというか嫌われないか心配になってる感じがします。何故だろう父上も母上もとてもお優しいのに。
父上が王太子との婚約を進めてるのが気に入らないのかな?僕が先だと遠慮してるのかもしれないが、僕は痘痕があるせいであまり上級貴族の間では人気が無いらしい。下級貴族から縁談が結構来てるらしいが、目的が見え透いててちょっと嫌なので難航中だし、イザベルは気にせず幸せになって欲しい。
とりあえず、今度顔合わせを兼ねて王家の晩餐会に招待される予定だし上手くいくといいなぁ。