ヒロインはヒロインだった
とりあえずモブ君と話し合った結果
1.怪しい魔法を使ってるみたいだ。
2.魔法陣は持ち込めないので、恐らく生まれつき魔法陣が体にある
3.教師が変なのはおそらくその魔法のせい
4.違和感を感じるという事はヒロイン嬢の魔法は俺達に効いてない
5.魔法の効力は他の物理法則と同じ距離の二乗に反比例して減衰するので、離れたところだから効いてないけど接触したらどうだか判らない。
6.恐らく他人を道具としか思ってないサイコな性格をしている。
7.つまり、近寄らない方が無難。
という事になりました。
ヒロイン嬢が学校にいる事は恐らく本人以外誰のためにもならないんで、どうにか出来ないかと思うんだが教師がどうにかなってる以上動きづらい。最悪父上や国王陛下にお願いしないといけないかもしれない。
そして妙だ、進級後にはまず試験を行ってそれぞれの授業のクラス分けを行うというのに、誰も俺の所に来ない。特に一部授業に手抜きの多いマチアス様が来ないなんて今までになかったことだ。
ちょっと研究室の外に出て見ると、人だかりが出来ている。高い所から見下ろしてみると中心はヒロイン嬢で、その隣にマチアス様。周囲に学園銃士隊のイケメンといった感じで、ヒロイン嬢に近いほどイケメンで家柄が良い男が集まっている。大抵の女生徒は気にしていないが、イザベラだけがオロオロしている。そういえばイザベラも俺と魔力がそう変わらないからあの女の魔法が効いてないのか。
そのままでは危険なのでイザベラを回収して事情を聞いてみると、どうやら今朝からマチアス様の様子がおかしかったらしい。イザベラにヒロイン嬢がどれだけ素晴らしいかを熱弁して、イザベラと結婚するのは仕方ないが学校に居る間は彼女の傍に居させてほしいと言われた。イザベラはどうしたのかと心配になって追いかけていったのはいいが、とてつもない人だかりで近寄る事すらできなかったと。
やはり精神に影響を与える魔法なんだろう。魔法陣見てみたい、式を解明してみたいという魔法学者としての当然の考えが頭に浮かぶが今はそれどころではない。ミレーユ様の情報収取がどうなるか次第ではあるが、最悪銃で暗殺しないといけないレベルの話だろう。それ以上の準備をしなければいけない可能性もある。
そんな事を考えているとタイミングよくミレーユ様がやって来た。ヒロイン嬢はアイエス男爵の庶子で、最近まで平民として暮らしていたらしい。しかも、どうやら裏社会と関係がある模様だ。そしてアイエス男爵夫人は子供が産めない体だったらしく、最近になって男爵家に呼び寄せられたらしい。
やはりどうにかして排除しないといけないかと考えていると、ミレーユ様がとんでもない事を口にした。
「信じてもらえないかもしれないし、笑われるのも覚悟の上でいうけど私は前世の記憶があって、ここは乙女ゲームという前世で流行った物語の世界の中なの」
一世一代の告白をしたつもりが、予想だにしない返答が帰ってきた
「俺も前世の記憶があるんだが、乙女ゲームってのは何だ?」というのをほぼ同じタイミングで言われた。
アルベルトは東京の下町に住んでいて、ゲームも色々やっているが乙女ゲームというのは良く知らないとの事。詳しく聞くと2000年に亡くなっている、ちょうど某ヘルメット頭な恋愛ゲームまでなら知ってるみたい。同○生もやってたとかどういう事よスケベ。女性向け恋愛ゲームと言ったら理解してくれた。
モブさんの方は日本を飛び出してアメリカで育ってフランス行って傭兵になってとか、法螺ばかり吹いてるので相手にしない。とりあえず元日本人なのは間違いないみたいだ。
そして、この世界はただの乙女ゲームじゃない、「恋銃士学園」の製品版ではないのだ。昔読んだ雑誌に開発中の画面が載っていたのだが、その時ヒロインの名前がヒロインだった。メーカーサイトにあったデモムービーでもヒロインが自分の事をヒロインって言ってて笑われていたのを覚えている。製品版ではきちんと名前がついていたからここは製品版に仕上がる前のプログラムの世界なんだろう。そしてわざとやってるのかバグが取れる前なのかは判らないが、登場人物の好感度がいきなりMAXになっているのだと思う。
自分で言っててありえないような話なんだけど一応辻褄が合ってしまう。
お助けキャラで好感度が存在しない私
攻略対象のイベント絵とかによく出てくるキャラだけど主人公との会話すら存在しないモブさん
仲良くなるとバッドエンド確定のアルベルト
悪役令嬢のイザベラ
この四人だけ魔法が効いてないのもそういう事なんだろう。
この話をみんなにしたらアルベルトが
「デバッグしてないゲームはメ○ルマッ○ス2壊で十分なのになぁ」
とつぶやいていた。武士の情けで細かくは聞かないであげようと思う。
アルベルトは(作者と一緒で)デコゲーマニアです。
トリオザパンチにハマったあたり末期です。
もちろん某探偵も大好きです




