君との出会い
バドミントンはもうやらない、もう関わらない。そう決めたはずだった。
なのに……
「お願い!明日の試合で俺の線審に入って!」
これで何回目かな。
私じゃなくてもほかの人がいるじゃない、と何度説得しても首を縦に振ってくれない青空が、違うクラスなのにわざわざ私のところまで来て深々と頭を下げた。
「いやなの。もうやりたくもないし見たくもない。青空が一番それをわかってるでしょ。」
誰よりも私を理解してくれている彼が私の言っていることがわからないわけがなかった。
「睦月じゃなきゃダメなんだ。
約束しちゃったんだ。必ず連れてくるって」
青空は訳のわからない言葉を何度も繰り返した。
私を心配してこんなところまで追ってきてくれた青空。
彼がこんなにもお願いをするなら、もう行くしかない。
線審をやるくらいならきっと大丈夫。
迎えた次の日。
大きな体育館で始まった試合で青空は新一年生にも関わらず準決勝にまで勝ち進んだ。
相変わらずすごいな。
青空は何をやってもいい結果を残す。
頭だって私の数倍いいだろう。
何やってもかなわないな。
次のコールを待ちながら隣でアップする青空を横目に私は周りにいる人たちを見渡した。
今ここに残っているのは、見覚えのある人達ばっかり。
ずっと前からトップを狙って争ってきた人達が私たちを囲んでいた。
その時、ふと目に飛び込んできたのは一番奥のコートで試合をしていた一人の女の子だった。
見たことない。知らない子。
だけど私はその子から目が離せなくなった。
シャトルが踊ってる。
シャトルが嬉しそうに空中を舞っている。
それにあのフォーム……。
彩羽のフォームにそっくりだ。
「すごい……。」
とても楽しそうに、笑顔まで作りながら試合を続けている彼女が大声で言い放った。
「一本っっ!」
バシッ、とシャトルがラケットに当たる音がして大きな弧を描くようにしてサーブが打ち上げられた。
私の頬を一筋の涙がなぞっていた。