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一章:旅立ち 3

「・・・なります。」


そういった俺に満足そうな顔を向ける青年。


「うっし! いい答えだ。 俺の名前は平井 勘輔ってんだよ。 よろしくな!」


そういって勘輔はにやっと俺に笑いかけた。

俺も唇の端を吊り上げて笑い返した。


「とりあえず、だ。 もうすぐ俺の・・・いや、俺たちの味方がくるから、それまでここで持ちこたえるぞ。」

「も、持ちこたえるったって・・・俺、銃なんて持ったことないですよ!?」


俺の言葉に、しばし考え込む勘輔。

俺たちの間で木魚が鳴る。

ポクポクポク、チーン。

・・・・どうやら勘輔が何かを思いついたようだ。


「じゃさ、頃合いを見計らってこれをあいつらのど真ん中に投げ込んでやってよ。」


そういう勘輔のスーツの中から、教室の床にぽろぽろと手榴弾が落ちる。その数およそ10個。


「ちなみにピン抜いてから爆発まではだいたい4秒くらいだから。 じゃ、いっちょいってみよー」


え、という俺の声も聞かず、勘輔は勝手に機動隊に宣戦布告を始める。


「おい、そこの拡声器持ったおっさん! あんただよ、あんた! 今からあんたらふざけた大人がどうなるか教えてやるから動くなよ!!」


そういって勘輔は右腕のガトリングを再び乱射しはじめる。

あわてて校門近くのバリケードまで避難するおっさん。いつの間にあんなもん作ったんだ・・・・・

バリケードまで避難して、図に乗ったおっさんはあろうことか挑発を始めた。


「ふん! たかが餓鬼数人で何ができる! 車さえ運転できない貴様らが、われわれに勝てるとでも思っているのか!!」


その言葉に、にやりと笑う勘輔。


「・・・・・運転できちゃったりするんだなぁ、車。」


バゴォンとすさまじい音を立ててバリケードだったもんが四方八方に飛び散る。

あわててバリケードから避難する機動隊。

それを後ろから追いかけるのは・・・・・スポーツカー。

いや、正確にはスポーツカーと呼べたシロモノではない。

なぜならその車には本来あるはずの屋根がなく、代わりに前後左右に向けて短機関銃がすえられているからだ。


「な・・・・なんだこれは・・・・・!」


絶句するおっさんを鼻で笑う勘輔。


「俺たちの、戦闘車両だよ。」


それはまさに化け物だった。速度はスポーツカーと同じぐらいで、全方位どこから接近しようと弾丸の雨にさらされる・・・・


「す・・・・すげぇ・・・・」


思わず俺は感嘆の声を上げていた。

というか、これって・・・・


「いったい、誰が作ったんだ・・・?」

「俺だよっ!!!」


突然足元から声がして、驚きのあまり後ろに飛び退る俺。

よく見ると、そこには一台のトランシーバーが置いてあった。


「今お前が俺の声を聞いているトランシーバーもっ、あの戦闘車両もっ、はては平井の右腕までもっ! ぜぇんぶ俺様が作ったのさっ!!」

「唐沢、無駄口は俺たちをここから脱出させてからにしろ。」


へへっとメカオタク(唐沢さん・・・だったか?)が笑う声が聞こえた。


「りょーかい。 ・・・・といっても燃料満タンの彗星ちゃんがそこに行った時点で、あんたたちの無事は保障されてるんだけどねー」


・・・・彗星っていうのはおそらくあの戦闘車両のことだろう。

そんなにすごいものなのか・・・・あれ。

ぼんやりとそんなことを考えていると、下で車の止まる音がした。


「おい、勘輔! はよのリーや、あんま時間あらへんで!!」


みごとな関西弁で勘輔に呼びかけたのは、ボーイッシュな姿をした活発そうな女性だった。


「おう! すまねえな、凛子。」


どうやら凛子というらしい。


「ほんなんええって! それよか、はようとびおりぃや! あいつら戻ってきちょるで!!」


確かに、最初は恐る恐るだった機動隊が勢いを取り戻しつつあった。

じりじりと、盾を構えた隊員に囲みこまれる戦闘車両「彗星」。


「よし、お前先に下りろ。」

「えぇ~っ! そんなん無理やぁ・・・じゃなかった。そんな無理ですよぉ!」


「じゃあ蹴落としてやるよ」


がすっと背中を蹴られ、落下する俺。



「うわぁぁぁぁぁっ!!!!」


校舎の3階から落ちる落ちる・・・・

と、思ったらあっさり彗星に受け止められた。クッションでもあるらしい。


「おし! ちゃんと受け取ったかぁ、凛子ぉ!」

「ばっちしやで! はやく勘輔もおりぃや!」


「いや・・・俺はここで敵を食い止める。先に行け。」


「そんな!」

「なんやて!?」


引きとめようとする俺たちを、勘輔はゆっくりと手で制した。


「この国は腐ってる・・・そうだろ、龍太?」

「な・・・・なんで俺の名前を・・・・」

「そのためには、確実にお前みたいなのが生き残るべきなんだ。心配はいらねえ。俺には超高性能な右腕があるからな。後から追いついていくぜ。」

「でも!」

「覚えてないか? 9年前のこと。」


9年前・・・・?


「わすれちまったか・・・・まあずいぶん昔のことだもんなぁ。仕方ねえよ。」


一体何のことだ・・・・・?


「俺は、お前のお義兄さんだよ。」

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