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第18話:残したいもの

 お盆に入る前日、三千代は久しぶりに館に戻って来ていた。


 ここ数日、三千代の頭からある光景が離れないでいた。それは、あの高杉という男を見つめる明日香の顔だった。


 「正直あたしにはよく分らないからな…………」


 三千代は、館内にある自室のベッドに腰をかけ考えていた。はっきり言って恋愛に関することは自分にはお手上げである。何しろ、初恋をせぬままこちらに来たのだ。


 (何で明日香は、あの男が好きなんだろう。確かに顔をいい方だし、優し気でもあった。でも、自分以外の女と付き合ってるんだよね?)


 「うーーーーー、分らないよーー」


 そう叫ぶなり、三千代はパタリと後ろに倒れこんだ。ベッドの上で足をばたつかせていると、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。


 「はい?」


 「何だ、まだ休んでいないの?」


 ドアを開けて入ってきたのは、円だった。


 「円先輩! 先輩は、自分よりも他の女を選んだ男を好きでいられますか?」


 「何? やぶからぼうに」


 「明日香のことでちょっと…………」


 「そう」


 円は、ベッドの端に腰を下ろし慎重に考えながら答えた。


 「でも、状況がよく分らないから安易には答えられないわね…………」


 三千代は手短に高杉と明日香の微妙な関係について説明した。


 「でも、明日香さんと彼は付き合っていた事実はないのでしょ?」


 「有希子は、明日香に対して好意を持っていたって」


 「そうね、でも互いに好意を持っていたとしても気持ちを告げなければ恋愛は成立しないんじゃない?」


 「そういもんですか? でも、何で明日香は気持ちを告げなかったんだろう…………」


 「多分、負担になりたくなかったんじゃないかしら。それに…………」


 「それに何ですか?」


 「記録を見たのだけれど彼女の書き換え前の本では、この夏の検査で知っていたらしいのよ」


 「知ってた?」


 「自分の命が長くないって…………」


 「死期を知ってた。じゃあ、別に契約を行う対象にはならないのでは? それが天命なら」


 「彼女が契約した理由は、残したかったから」


 「何をですか?」


 三千代の問いに円は、薄く笑みを浮かべると三千代のおでこを指ではねた。 


 「痛い」


 「彼女の残したいものならいずれ分るわ。さぁ、いいかげんに休みなさい。明日からは、役所で出国手続きの仕事が待っているんですからね」


 「げぇ、あの地獄のラッシュですね。休みます」


 「じゃあ、明日ね」


 円はそう言うと部屋を出て行った。


 「明日香の残したいもの?」


 三千代は、新たに浮かんだ疑問を頭の中でぐるぐると考え込んでいたが、とりあえず明日にせまった出国ラッシュにそなえ休むことにした。


だいぶ、佳境に入りつつあるのかな?

この勢いで書き進めたいです。

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