ボリスとニコル
1/16(月)改訂。
文が大幅に付け足されてます。
「理由を説明してあげたいノハ、山々なんだけどネ・・・僕、これ以上この部屋に
いると〝ニコル〟に怒られチャウから、外に出て話さナイ?」
頭の上にハテナマークを浮かべている私を見てボリスがそう言った。
それにしてもなんで彼がこの部屋にいるとニコル様が怒るんだろ???扉はちゃ
んとあけてあるのに?まぁ、アーヤの説明も聞きたいし、気分転換のためにもボリ
スとももう少し話したい。出るのはかまわないが・・・
「もしかしてニコル様が扉の外にいる?」
「イルヨ。もしニコルに会いたくないなら、モロウに乗って窓から出るといいヨ!
ついでにアーヤも連れってってネ!ニコルにアーヤ見せると今以上に機嫌が悪く
なるから・・・」
今ニコル様に会うと喧嘩しちゃいそうだし・・・気まずい・・ので彼の申し出はあ
りがたい。
それにしても、前々から思っていたけど・・・この国の人って犬嫌いなんだろう
か?・・・と思いながらアーヤを抱えてモロウの背中の上に乗った・・・んだけど、
この部屋って・・・
「ここ、2階!!?」
「ハハハ大丈夫、大丈夫!モロウなら、屋上から降りたって無事着地できるヨ♪」
心の準備もないままに2階から飛び降ろされた私の悲鳴を聞きながら、ボリスは暢
気に後ろからそう答える。私は心身恐々になりながら私はその時心に堅く誓った。
・・・〝こいつ後で絶対絞める〟・・・・と。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「イヤだな~約束はちゃんと守ったんだがら、そんなに睨まないデヨ~」
「私がいくら呼んでも出てきてくれなかったのに、お前の言葉には耳を傾け、外に
も出る・・・本当に忌々しい気分だよ」
と、彼・・・ニコルは肺のそこから吐き出すような、怨念のこもったため息を吐き
出した。
彼女の部屋の鍵を渡してくれる代わりに彼女を部屋から連れ出すこと・・・それが
僕とニコルが交わした約束。ま、他にも色々細かいこと約束させられたけどね・・・
主に彼女関連で。会話だけでさわらないとか、すぐに出てくることとか、扉をあけ
る・・・とかほんと細かいことを色々とね。
「あのネ、前から言っているけど、僕とアヤノは友人で、それ以上でもそれ以下で
もないんだよ?」
「男女の友人関係は9割方成立しない。・・・友人という関係も忌々しいですけど
ね」
目線だけで人が殺せるなら今すぐころしたいというような物騒で目で彼は僕を睨
む・・・あぁもう、ああ言ったらこういう。いつものことだがこれじゃ押し問答だ。
それにしたって、ワンッフル王国の住人・・・つまり僕もそういう気がないわけじ
ゃないけど・・・異性の友人関係さえ許せない〝独占欲〟の強さ。パンダコッタ王
国の住人はそれが他の国に比べて異常なほどに高い。元々この国の住人で無い彼女
は彼に、強く執着され、深く独占欲を抱かれてしまっていて少し同情する。といっ
てもどうもしてあげられないんだけどね・・・。心の中ではうまくいくよう応援し
てるよ?両方ね・・。まぁ、ぶっちゃけ僕は面白ければどうなってもいい派なんだ
けどねw
彼と僕の関係は、彼は嫌がるだろうけど『親友』。アヤノがこの国に来る前に僕は
この国に留学してたこともあって、ニコルとは仲がいい。留学が終わってからも手
紙のやりとりはよくしてたしね。ま、アヤノが来てからはこの屋敷に来ることはな
くなってて、ここ数ヶ月でまたよく通うようになったんだ。
「アヤノが好きなら君のことなんか無視してとっくの昔にマーキングしてる
ヨ。・・・あんまり独占欲強いとアヤノに嫌われちゃうゾ?」
ワンッフル王国の住人はみな鼻が利く、なので好きな異性には自分の匂いを付けて、
この人は自分のものだと主張する&他の相手をその匂いで威嚇するのが主流だ。
パンダコッタ王国の住人は、ワンッフル王国の住人ほどは鼻が利かないがそれでも
一般的な人間からすれば十分に鼻が利く・・・つまり、僕がアヤノにマーキングす
ればニコルでも十分にわかるのだ。
「もうほとんど嫌われてる気がします・・・」
どよ~んという効果音が付きそうなくらい自分の発言で落ち込んでいるニコル。こ
れはかなりの落ち込みようだ・・・数ヶ月前、危ないからと言って外に出してもら
えないで切れたアヤノに「ニコル様なんって嫌い!」と言われたあげく一週間以上
口を聞いてもらえなかったときくらいの落ち込みようだ・・・。あのときのニコル
は仕事も手をつかず、魂の抜け殻状態で、国の流通が危うくストップしかけた。
ま、そんなに落ち込むぐらいならアヤノに正直に話して隠し事なんってしなければ
いいのに・・・って、僕は思うけどね?
「アヤ・・・元気にしてました・・・?」
「ン~、声聞こえたと思うけど、すごく元気だったヨ。マ、血のにおいが部屋に充
満してたけどネ」
「血?!!」
「心配性だナ~安心しなヨ、どこか怪我とかしているわけじゃないカラ」
はぁ~、と安心したため息をつくとニコルは、
「何か食べやすそうな物を庭に運ばせるからしっかり食べさせてあげてくださ
い・・・」
というと、おぼつかない足取りでふらふらと廊下を歩いていく。
彼はあんな状態で大丈夫なのだろうか?若干心配だ・・・。
ま、なんとかなるでしょ!と勝手に結論づける。
さ、これから僕は僕でアヤノとの会話を楽しむことにしよう♪