『タイムスリップ~中学生に戻れました~』13750文字
学校の体育の授業でのバディを組むために、、クラスの人たちが自由に楽しそうにバディ決めをしていた。。
当然、、僕も誰かと組まなくてはならない!!
でも、、僕にとっては苦痛な時間だった。。
いつも独りぼっちで声をかけることすらできないで、、余ってしまうのだ。。
余り者の二人、、宮崎くんと僕、、当然、、ペアを組むことになるのだが、、
あるショックなことを言われた。。
「えっ?? 嫌だ!!」
宮崎くんからそう言われ、、僕は誰ともペアを組むことができなかった。。
学校が嫌いだった。。
勉強も人間関係もすべてが嫌いだった。。
この事件をきっかけに、、僕は不登校になった。。
あれから17年後。。
32歳の誕生日を迎えた。。
僕は今、、中学社会の歴史、地理、公民の教科書を母に買ってもらい、、公民を勉強していた。。
勉強の楽しさに気づいた。
新しい知識が増える喜び。。
僕は昔から非常識で悪い意味で変わっていた。。
中学とか学校の重要性に気づくことが当時できなかった。
なぜ、、学校に行くべきなのか。。
人として社会で生きていく上で、、必要最低限の知識や教養や社会性を身に着けるうえでも、、学校は本当に重要だということを今になって、、思い知った。。
もう遅い。。
もう32歳だ。。
精神病になり、、就職もしてない。。働けない精神疾患を持ち、、家で引きこもりに近い生活をしている。。
僕は気づけば、、涙を流していた。。
涙が溢れてくる。
きっと、、やりなおしたいんだと思う。。。
今の、、勉強や学校の大切さを気づいた、、今の状態のまま、、中身はそのままで、、
また中学時代に戻れないだろうか。。
学校に通っていられるということがどれだけ有難く、、奇跡的な事か、、幸せで尊いことか、、
今さら気づいても、、遅いんだ!!
僕は、今までの行いを悔いた。。
学校にしっかりと行けていたら、、僕の人生は変わったのだろうか。。
いや、、精神病になる遺伝子は持っていただろうから、、結局、、働けなくなり、、
苦痛なニート生活は変わらなかっただろう。
学生当時は、、不登校になる事しか身を守る術がなかった。。
本当に学校が苦痛すぎた。。
でも、、今なら、、学校を……大好きになれる自信がある。
喜んで、、通える……
学校という場所にもう一度、学生時代を体験したかった。。
ああ、、もう、、あんな大事な時間は二度と来ないんだな。。
本当に僕は、、愚か者で、、バカだよな。。
もうやめよう。
過去は変えられない。。
過ぎたことだ。。
僕は、、考えるのをやめ、、涙を拭いて、、床に着いた。。
少し肌寒い。。
毛布を手に取り、、深く頭から被る。
いや、、僕の家はクーラーは故障していて、、夏だからいつも暑いはずだ。。
なんかおかしいな。。
なんで今日はこんなに涼しいんだ??
「タカシ!! 入学式でしょ?? 早く起きなさいよ!!」
母親の声だ。
でも、、「入学式」だと確かに聞こえた。。
僕は布団から飛び起きた!!
「え??」
なんと、、布団が全然、、寝る前と違っていた。。
オレンジ色の布団になっている。。
毛布は水色だ。。
寝る前は全部、、黒の布団と毛布で寝ていたはずだ。。
「どういうことだ??」
台所に行くと、、母が目玉焼きとウインナーを焼いていた。。
母はとても若返っていた。。
状況がおかしい。。
「今日、、入学式だっけ??」
「何、、当たり前のこと言っているの?? 昨日、、あれだけ明日から新しい中学校だって、、楽しみだってはしゃいでいたじゃない!!」
「えええええーーーーーーーーーーー!!」
どうやら、、理由はわからないが、、僕は中学の入学式の日に、、過去に戻れたらしい。。
あり得ないことが、、少しでも、、「戻れたらな、やりなおせたらな」という妄想が、、願いが、、
現実になって目の前に起きていたのだ。。
「制服に早く着替えなさい!! 今日から、、中学生ね!! おめでとう!!」
「うん!!」
母が中学の制服を手渡してきた。。
それを見た時に、、僕は震えた。。
あれだけ着たかった制服を、、「現役の中学生」として着れるんだ。。
涙が溢れ出た。。
今度は喜びの、、歓喜の涙だ。。
そして、、目玉焼きとウインナーと白米は人生で一番美味しかった。。
「今度こそやり直すぞ!! しっかりと中学を3年間、、休まずに、、通いきるぞ!! 楽しむぞ!!」
体は中学生当時で、、中身だけ32歳の僕のまま。。
過去に戻れた。。
あれだけ戻りたかった過去に。。
「学校に現役で通えている奇跡を、、喜びを、、今、、全身で感じている」
20年前か。。
20年前の自分の体は背がまだ低く、、痩せていて、、動きやすかった。
32歳の僕は、、145キロの体重でいつも歩くだけで重労働だったからだ。。
でも、、なんか不気味だ。
現実ではないことが起きている。。
こんな過去にタイムスリップできるものなのか??
こんなことが起きていいのか??
いや、、自分が現実だと思っていることは、、自分の思い込みと先入観であり、、実際の「現実」は、、
全然、、自分の感じていることをは似ても似つかないものなのだろうか??
科学に反した出来事。。
これが何を意味するのだろうか??
神様がいるのかもしれない。。
本当に望んだことを叶えてくれた。。
神様がいるなら、、
一体、、どんな人なのだろうか。。
僕は太陽の光が窓から漏れ差すのに希望を感じながら、、玄関で、、靴を履き、、
家を出た。。
20年前に戻ってきて、、僕は中学校入学式のために、、制服に着替えて家を出た。
家の造り自体は変わっていなかった。
しかし、、玄関を出て、、最初に目に入ったのは、、
まぶしい太陽の光だった。
全身に浴びる、、太陽の光。。
僕の家は日当たりが凄く良い。。
希望に溢れている今の気持ちと太陽の日差しが僕の心を更に興奮させた。。
心地よい興奮だ。
「ワンワンワン!!!!」
犬がいた。。
そうだ。
忘れていた。
20年前は犬を飼っていたんだ。。
ポメラニアン。。
懐かしい記憶がよみがえる。。
飼い始めた時は、、散歩によく行ったが、、だんだんサボるようになってしまったんだよな。。
今度はしっかりと散歩に連れて行ってやろう。。
やりなおせたらな。。
今度こそ。。
20年前の通学路は、、僕を新鮮で懐かしい気持ちにさせた。。
そうだそうだ、、こんなだったよなあ。。。
矢作第一中学へと向かう。
僕の入学した中学校だ。。
隣さんの早川さんはまだ元気だった。。
でも、、5年後亡くなるんだよな。
あのおばあさん、、今は生きている。。
また、、涙が溢れ出てきた。。
隣の人が死なずに生きている。。
また会えた。。
他人のはずなのに、、温かい心が。。
これが「人情」というものか。。
早川のおばあさんは、、ポストの中身を確認しにちょうど家を出てきた。。
「おばあさん!!」
僕は早川さんの手を強く握った。。
大げさに映っただろう僕の行動を、、早川さんは嬉しそうに笑顔で返した。
中身だけ32歳になった自分ということはまだ誰も知らない。。
そろそろ、、本当に入学式に行かなくては。遅刻する。。
小走りで、、学校へと向かう。。
途中、、あの宮崎くんと出会う。。
ある小さな交差点で、、宮崎くんのことが頭に浮かんだ瞬間に、、
本人が歩いてきて姿を現したのでビックリした。。
最初から、、あまり良い仲ではなかったから、、手を振ったり、、挨拶もしない。。目が合い、、お互いスルーした。
これからバレーボール部で一緒になるんだよな。。
今度こそ、、あの時、、「えっ?? 嫌だ!!」と言われた現実を変えるんだ。。
また、、バディを組む、、人選をするときが来たら、、みんなから取り合いされるくらいの人気者に
なることが目標だ。
せめて、、余り者にならないように、、痛んだ残飯のようにならないようにすることが目標だ。。
学校に着いた。。
その間にたくさんの制服姿の同胞?? たちがいて、、僕もその制服の人たちの集団に紛れ込んで、、
「ああ、、僕は学生なんだ!! 現役の立派な学生なんだ!! 中学生なんだ!! 青春だ!1」
と心から歓喜した。。
当時は、、中学生になったことも、、全然感動もなかった。
何も感じなかった。。
それがとてももったいないと今なら思える。
一度きりの人生で、、
一度きりの学生生活。。
普通に過ごすのはあまりにもったいない。
もうちょっと噛み締めたらよかったと、、
大人になって考えたものだから。。
入学式に来た。
大勢の新一年生がピンクの花がついた「入学おめでとう」と書かれた名札みたいなのを胸につけている。
僕だけ32歳なんだな。中身は。
ワクワクするよ。
これからどんな学園生活が待っているんだろうと思うと。。
椅子に座り、、長い「校長先生のあいさつ」が始まった。
昔は、、このような長々しい大人の話は苦痛だったのに、、
成長した32歳の俺は、、有難く、、楽しく、、面白く、、感動しながら聞いていた。。
すべてが新鮮だった。
すべてが。。
ああ、、僕は本当に中学生なんだ。。
あの頃に戻れたんだ!!
気づけば、、あまりに胸が熱くなり、、涙が溢れ出た。。
「ううう、、うううう」
周囲に気づかれないように気を使いながら、、感動の涙を静かに流した。。
「大丈夫?? どうして泣いているの??」
校長先生の話を聞きながら、、泣いている僕を、、隣の和田くんが心配そうにして聞いた。。
「ううん、、嬉しくてさ。。これから青春が味わえると思うと嬉しくてさ」
「僕は不安の方が強いよ」
「真逆だね」
「そうだね。。ははは」
和田くんは話しかけてきたけど、、「しゃべらない!!」と、、担任の橋本先生に注意された。。
「はい!! すみません!! 気を付けます!!」
と返事した。。
気が強かったな。。そういえば。。橋本先生は変わってないな。。
当たり前か。。
過去にタイムスリップしたのだから。。
体育館で行われた入学式。。
バレーコートのラインに懐かしさを感じた。。
「頭で考えすぎて上手くいかなかったバレーボール」
体で動かしてプレーするのに、、頭ばかり動かし過ぎて、、下手なままバレーボール部の3年間を終えた。。
やり直すことができる。。
入学式で会ったクラスメイト。。
「ああ、、、こんな人もいたな!! 懐かしいな!!」
そんなことばかりだった。。
1-3組だった。。
教室に入ると、、
「入学おめでとう!!」
とピンクと白のチョークで一番目立つように描かれていて、、そこの両脇に桜の木と、、校門で制服姿ではしゃいでいる賑やかな男女の学生の姿が描かれた黒板アートが。。
「上手だな。。とてもこんな風には描けないや」
半ば、、諦めモードに。。
「この黒板アートは先生が描きました」
橋本先生が誇らしそうに言った。。
「すげえ」
と誰か小声で言った。。
そして、、記念撮影をした。。
校庭の庭に出て、、みんなで並んで。。
また、、教室に戻り、、今年の抱負をクラス全員が発表することに。。
「僕は、、これから大事に3年間を過ごしていきます。。一生に一度しかない貴重な中学生です。まさに青春です。。定期テストで上位10位以内に入り、、部活動でもスタメンに選ばれるようになることが目標です。。1年が過ぎるのはとても速いです。しっかり強く味わって、、かみしめて、、大事に、、慎重にこの中学生活を送りたいです!! クラスの人気者になりたいです。。みんなから取り合いされるくらい魅力的な人間に!!」
と僕は言い切った。
部活動はバレー部に入った。
そして、、僕は、、いつの間にか、、豪快なスパイクをバレーコートに叩き込んでいた。。
「バン!!!!!! ズドーーーーン!!!!」
部活動の顧問である福安先生は、、「4人の1年生のなかで一番うまい!!」
と称賛してくれた。。
あの頃とは違うんだ。。
頭で考えてばかりいて、、あの頃はスパイクも下手くそだった。。
今は、、「感覚」で打っている。。
スパイクを打てることがこんなにも嬉しいなんて。。しあわせだーーーー!!!!
3年生のレシープの天才「追川先輩」、、優しい「西田先輩」、、セッターの「鹿野先輩」
をこの目で見た時に、、心から叫びたくなった!! 「会いたかった!!」 って!!
嬉しいことばかりだ。
普通なら、、タイムスリップなんてあり得ないだろう。。
でも、、現実に起きている。。
しっかりと今度こそ、、「もうちょっと噛み締めていく!!」「しっかりと丁寧に味わっていく」
しかし、、スパイクって気持ちいいなーーーー!!!!
あのバレーコートに響き渡るスパイクの音がたまらん!!
だが、、少し心配なことが。。
同期のバレー部のあの、、宮崎くんがイライラしているように見えた。。
面白くないような感じだった。。
僕が、、あまりにうまくスパイクするから置いてかれたように感じていたのかな??
気のせいだろうか??
新1年生の俺たちバレー部員は4人。。僕、、宮崎くん、、森くん、、野本くんの4人だ。。
そして、、新1年生はスパイク練習には基本、、まだ参加させてもらえずにボール拾いが主な仕事だ。。
そして、、練習の終わりに、、試しにスパイクを打ってみろと言われて、、僕は、、20年ぶりくらいのスパイクを打って、、福安監督を驚かせたわけだ。。
各教科の教科書が配布された。国語、理科、社会、数学、英語、保健・体育、技術、道徳など。。
これからのテストで必ずいい点を取る。具体的には500満点中450点以上が目標だ!!
また、、ワクワクしている自分がいる。。
そして、、勉強にも精を出した。
家に帰ったら、、まずは勉強した。。
自分の部屋と机が与えられていた。。
そして、、やる気が出た。。
目標があり、、目指すべきものがあると、、人は燃える。。
テストでできれば学年1位を取りたかった。
その願望が強くて、、
自ら、、進んで、、勉強をできた。。
自然と。。
20年前は、、勉強してもテストしてくれるところがないし、、今更、、学校に通うエネルギーも無いとひたすら腐っていた。
でも、、今は違う。。
勉強できること、、学校に通えることがこんなにも嬉しいことなんだと、、
幸せな日々を送っていた。。。
そして、、ある日、、学校から帰ってくると、、
自分の部屋の机の上に、、虹色の封筒が一枚、、置かれていた。。
「なんだ??」
気になって、、中身を開封して、、見てみた。。
手紙が1枚入っていた。。
そこにはボールペンの黒い字でこのように書かれていた。。
「タイムスリップできてよかったね!!
これから先も、、中学生のままでいたいなら、、
クラスメイトで不登校の佐藤恵子さんを、、また登校させることが条件だ。
もし、、それができないなら、、1年後の中2の4月1日に君は、、元の32歳の時に戻ることになる。
タイムスリップできたお礼に、、佐藤さんの人生を救ってほしい。。
佐藤さんは、、不登校になり、、中学3年生になったときに、、首つり自殺してしまう。。
ぜひ、、助けてやってくれ!!
常に、、私、、『時間の神様』は君を見ているから。。
タダで、、タイムスリップはできないからね。。
君が中学2年生になる頃に、、佐藤さんは不登校から脱却していることが条件だ。。
そして、、君は佐藤さんの友だちになってあげること。。
これからも中学だけじゃなく、、高校、、大学と、、人生をやり直したいなら、、
人を救うことが条件だ!!」
ここで文章は終わっていた。。
佐藤さん?? 誰だ?? わからない。。記憶にない。。
しかし、、
タイムスリップを継続するには条件があるということがわかった。。
僕をこの時間軸に巻き戻してくれた「時間の神様」がいるということもわかった。。
これから新たな戦いが待っているのかな。。
次の日、、担任の橋本先生に佐藤さんのことを聞いてみた。。
「佐藤さんは入学式から一週間後に、、いきなり学校に来れなくなったの。。原因はまだわからないわ。。 佐藤さんは部屋に引きこもって、、会いに行っても出てきてくれないのよ。。でも、、なんでそんなこと聞くの??」
「佐藤さんと友達になってあげたくて。。不登校ですよね??」
「今日、、佐藤さんの家に行くから、、一緒に来る??」
「いいんですか?? じゃあ、、お供します」
佐藤さんの家は、、平屋の1階建てだった。。
かなり質素な家だ。。
狭いなあ。。
この家は。。
橋本先生と、、佐藤さんの家の玄関の前で、、チャイムを押し、、待っていた。。
佐藤さんの母が玄関から出てきた。。
「娘は、、学校に行きたくない理由を教えてくれないんです。。どうしたらいいでしょうか??」
「僕を娘さんに会わせてください!! 友達になってあげたいんです!!」
僕は、、自分でも何言っているの分からなかった。。
「困ります!! 帰ってください!!」
「いいえ、、学校に来ない理由を聞きたいんです!!」
いつもより積極的な自分がいた。
タイムスリップができなくなり、、32歳の自分の戻りたくないから、、焦って必死になっているのか。
「佐藤さん!! 友達になりましょう!!!! 僕は恵子さんの友達になります!! だから、、学校に来てください!!!!」
玄関の前で、、彼女に声が届くことを祈ってそう叫んだ!!
すると、、なんと佐藤さんが現れた。。
「恵子。。大丈夫なの??」
「実は……わたし、、いじめられているの!!」
「誰にいじめられたんですか??」
橋本先生は今まで無言だった。
僕の行動に目が点になっていた。
驚いていたからだろう。。
「吉本さんにです。。悪口を言われました。。毎日、、『不細工!!』と小声で言われ続けました」
「多分、、あなたがとても美人だから、、嫉妬していたのよ。。女は顔が命だからね」
橋本先生はそう言った。。
そう、、佐藤さんはクラスでトップクラスの美女だった。。。いや、、学年で1番かもしれない。
そう思わせるくらい整った顔立ちをしている。。
「もう、、不細工と言われるのは嫌なんです!!」
「そんなことで大事な中学校を行かないなんて、、もったいなさすぎるよ!! 行こうよ!! 僕が、、吉本さんに注意して、、言わせないようにするから!!」
「あんた!! 悪口を言われたことがあるの?? わたしの何が分かるのよ!! わたしの辛さなんて誰にもわからないんだ!! 帰って!!」
佐藤さんはそう言って、、玄関の扉を思いっきり強く閉めた!!
入学して3か月が経った。
定期テストが行われた。。
ガリ勉の成果で、、学年8位に食い込むことができた。。
本気で勉強すれば、、僕だって勉強できるんだ。。
そして、、学年1位は、、なんと、、佐藤さんをいじめていた吉本だった。。
吉本は超陽キャで、、頭が凄く良いが、、顔面偏差値は普通以下であった。。
超美人の佐藤さんに嫉妬したのも無理はない。。
そして、、佐藤さんは陰キャ代表という感じだ。。
とても地味で暗い性格だ。。
吉本は、、クラスの中心人物という感じだった。。
クラスにも階級がある。カーストがあるのだ。
最上位カーストだった。
定期テストで学年1位というのは、、顔が普通だとしても、、その弱点を補うくらい、、
お釣りが来るくらい、、圧倒的に尊敬され、、有利になるらしい。。
吉本が女子3人と教室の机で話しているところを、、僕は、、話を中断させて、、割り込んだ。。
「吉本!! お前、、佐藤さんを『不細工』って言って、、いじめているらしいな。。やめろよ!!
そのせいで、、佐藤さんは学校に来れなくなったんだぞ?? どうしてくれるんだ??」
「何?? いじめちゃいけないって法律なんかないでしょ?? 学年1位のあたしよりモテそうな顔しているのが気に食わないのよ!! あんたに関係ないでしょ?? これは女子の問題だから男子は引っ込んでな!! あたしより頭の悪い吉岡くん!!」
「謝りに行こう!! 佐藤さんに!! このままじゃ佐藤さんは間違いなく自殺するぞ??」
「あんた預言者?? 笑えるわね。。あいつがどうなろうと気にならないわ。。なんなら死んでくれたほうがいいわ」
「おまえーーーー!!!!」
僕は吉本に思いっきり殴りかかろうと胸倉をつかんだ。。
いつからこんな積極的で勇気ある人間になったんだろう。。
たぶん、、それだけ必死だったんだと思う。。
「ビンタされたいのか?? 悪いことしたら謝りに行くのは当然だろ??」
「あんた!! なんなのよ!! 頭おかしいんじゃないの?? ビンタなんかしたら、、あんたは一生、、尊い女に手を上げたクズになるわよ??」
「佐藤は自殺するんだよ。。だから、、死なせるのは可哀想すぎるだろ?? 今ならまだ間に合うから!!」
僕はこのまま学校に来なければ、、佐藤さんは自殺するということを知っている。。
時間の神様がよこした手紙で。。
「なんであんな奴に謝らなくちゃいけないの?? 学年1位の私の方が価値があるし、、偉いのよ!!」
「佐藤が超美人だからいじめたんだろ?? 悪いのはお前だ!!」
僕は激しく、、吉本の胸倉をつかみ、、強く揺らし、、必死に訴えた。。
「わ、、わ、、わかったわよ。。謝ればいいんでしょ?? しつこいわね!! それより、、あなた、、面白いわね?? だけど、、いじめを辞めるには条件があるわ。。あなたが次の定期テストで学年1位になりなさい!! 私を超えてみなさい!! そうすれば、、いじめをやめて、、佐藤に直接、、謝罪するから!!」
「約束だぞ!!」
「ええ!!」
こうして、、僕は次の定期テストで学年1位になるために、、必死に更に、、勉強することに!!
吉本にとっては定期テストの順位がすべてらしい。。
学年1位ならば、、自分よりも偉いと認めるらしい。。
偉い人の言うことは、、素直に聞くしかない。。
ということらしい。
「母さん、、僕、、バレー部辞めたい!! そして、、塾に通わせてほしい!! お願いします!!」
必死に母に頼んだ。。
「あなた、、あれだけバレーボールができるって、、嬉しがっていたじゃない。なんでなの??」
「どうしても次の定期テストで学年1位を取りたいんだ」
「どうしてもっていうなら、、仕方ないわね!!」
監督の福安先生には、、バレーボール部を辞めるとどうしても気まずくて言えなかった。。
上手な選手である僕に期待していたはずだからだ。。
だから、、母に福安先生へ、、退部届を渡してもらった。。
そして、、福安先生と学校の廊下ですれ違ったときに、、こう頭を下げた。。
「すいません!! どうしても勉強に専念したいんです!! バレーボールをしたいけど、、それ以上に大切なことがあるんです。。本当に、、期待にお応えできなくて、、申し訳ございません!!」
すると、、福安先生は嫌な顔して、、無視したかのように、、何も話さずに無言で、、歩いていってしまった。。
相当、、ショックだったらしい。。
話したくもないという感じだった。。
仕方なかった。。
バレーボールより大事なんだ。。
今は、、吉本の佐藤さんへのいじめをやめさせ、、佐藤さんをまた登校させるためには。。
僕が学年1位を取れば、、吉本は佐藤さんへ直接、、謝罪してくれると誓ったから。。
本当かどうか怪しいが、、最善を尽くすのが、、僕のこだわりだから。。
悔いは残したくないから、、ベストを尽くすんだ!!
こうして、勉強一本に専念できる状況を自らの手で掴み取った。。
ただ、、僕は、、あの中3の体育のバディ決めで宮崎くんやクラスメイトに「吉岡と組みたい!!」と思ってもらえるようにすることがゴールだと思っていた。。
そこをゴールにしていた。。
バレーボール部を辞めたことで、、宮崎くんと接する機会が大幅に減る事にはなる。。
だが、、方法はあるはずだ。。
宮崎くんに言われたい。。
「吉岡!! 俺と組もうぜ!!」って!!
次の定期テストまであと残り4か月。。
塾に通い出した僕は、、まさに勉強漬けだった。。
ただ、、「テストで学年1位を取るためだけ。高い点数を取るためだけの勉強」は、、
出題されないとわかった教科書のページは、、飛ばして、、無視するため、、
なんか苦痛になってきてしまった。。
教科書のすべてのページをしっかりと読んで、、勉強して、、吸収したいけど、、
テストの点数獲得に特化した効率の良い勉強方法を選択したから、、
少し、、勉強への魅力が薄れてしまったようだ。。
純粋に楽しめない。。
でも、、次のテストで学年1位は絶対に達成しないとならない。
点数獲得に特化した最優先した勉強方法では、、なんか勉強が嫌になってくるのだ。。
効率重視だと、、遊び心がなくなってくる。。
焦りというか。。
急がなくちゃっていう気持ちが勉強を嫌いにさせる。。
この4か月だけ。。
耐えよう!!
つらい。。
結局、、この点数効率重視の勉強方法では、、勉強する気にどうしてもなれず、、
「楽しむこと」を最優先した勉強方法にシフトチェンジした。。
続かないと、、意味がない。。
一番大事なのは楽しむことだ。。
佐藤さんの家には、、毎日のようにしつこく行った。。
佐藤さんを学校に来させるためには「粘り強さ」「しつこさ」「無視したらめんどくさいから、、行くしかないか」と思わせることだと考えた。。
佐藤さんに手紙を書いた。。
毎日、、手書きで手紙を書く。。
「僕は、、吉本にいじめをやめさせ、、恵子さんへ謝罪させるために、、次の定期テストで学年1位を取ることを吉本に約束しました。。余計なお世話かもしれませんが、、僕は、、あなたに学校に来てほしいです。。あなたのことが、、好きだからです。。友達になってくれませんか?? 毎日、、家に来るし、、手紙を送ります!! 返事を待っています!! 僕はあなたが学校に来てくれるまで絶対にあきらめません。。あきらめの悪さは世界一ですから!!」
と書いた手紙などを。。
チャイムを押して、、佐藤さんの母が出てきて、、その手紙を渡す。。
佐藤さんの様子を聞き、、「吉岡です!! 恵子さん!! 友達になりましょう!! 学校で待ってます!!」
と大声で言い、、帰る。。
を毎日、、定期テストまでの4か月間、、行った。。
そして、、定期テストが行われた。。
不思議と、、苦手な教科はなかった。。
あの頃は、、数学が特に苦手で34点を叩き出したくらいだが、、今は、、中身は32歳で成長しているから。。
まあ、、32歳の人間が中学校の定期テストを受けても、、不公平というか、、自慢にならないんだけどね。。
本当の意味で、、現役でとは言えないから。。
でも、、それでも、、青春を味わえた。。
テストの結果発表の日。。
なんと、、意外にも、、佐藤さんが登校してきた。。
そして、、
テストの結果発表の提示版を見ている。。
そこには、、
1位 吉岡
2位 吉本
と書かれていた。。
そう、、俺は学年1位を取った。。
取ったんだ!!!!
しかし、、32歳の中身の自分が学年1位をとっても、、
全く嬉しくなかった。
まるでチートを使ってズルして勝利したかのようにしか思えなかった。。
俺はいきなり来たことにビックリしながらも、、冷静に佐藤さんに話しかけた。。
「やっと来てくれたね!! 待っていたよ!!」
「あなたがしつこすぎるからよ。。でも、、本当に有言実行ね。。学年1位を取るなんて!! 凄すぎるわ!! おめでとう!!」
吉本が、、無言で、、俺と佐藤さんの前に来た。。
そして、、こう言った。。
「佐藤さん。。ごめんなさい。。もう悪口は言わないわ。。私が悪かったわ。。いじめたりしてごめんなさい!! 本当に、、本当に!! ごめんなさい!!」
なんと、、吉本はその場で佐藤さんに土下座をして謝罪した。。
佐藤さんはこういった。。
「吉岡くんがしつこすぎるから!! 学校に来てみたいの!! そして、、わたしのために、、、勉強してくれて、、学年1位までなってくれて、、嬉しいの。。だから、、これからは学校に来るわ」
そして、、吉本はこういった。。
「佐藤さん。。あなた、、凄い美人だから、、やきもち焼いてしまったの。。本当に私って悪いわよね。。安心して。。もう、、絶対にあなたをいじめたりはしないわ。。学年1位の吉岡くんは、、私より偉いから、、偉い人のいうことは聞かなくちゃね!!」
「あなた、、本当に心から反省しているの?? 偉い人の言うことじゃなくても、、いじめはダメなのよ??」
「これからは、、佐藤さんと私と吉岡くんで3人、、友達になりましょう!! 4か月間、、吉岡くんにずっと、、いじめをなぜしてはいけないのか、、悪口はいけないのか、、教え込まれたわ。。本当に世界一しつこかったわ。。友達になってくれるかしら?? 佐藤さん??」
吉本は握手を求めて、、手を差し出した。。
「今度、、また悪口言ったら、、許さないからね?? 昔の自分とは違うんだから。。10倍返しするからね。。わたしも吉岡くんに、、やり返さないからいじめられるって強く教え込まれたの。。これからは、、友達よ。。よろしく!! 吉本さん!!」
吉本と佐藤さんは、、お互い、、強く、、握手した。。
とびっきりの笑顔で。。
その日の夜、、
僕は、、ある考えが芽生えていた。。
32歳の頃の自分に戻りたい。。
本来の自分に戻りたい。。
今の中学生の姿をした自分は、、仮の自分だ。。
本当の自分ではない。。
置き去りにした32歳の体重145キロの当時の僕が、、
『僕を置いてかないで!! 見捨てないで!! 忘れないで!! 戻ってきて!!』
と心に訴えてくる。。
机に置いてあった、、時間の神様がくれた虹色の手紙が白く発光した。。
時間の神様が現れた。。
「32歳のあの頃の君に戻れるよ。。戻るかい??」
「はい。。今の僕は、、本当の僕ではない。。32歳のあの自分が、、本当の僕です」
「しかし、、君は、、まだ、、中学生のままでいられるんだよ?? 宮崎くんたちに、、体育のバディ決めで、、みんなから取り合いされるくらい人気者になるって目標はどうしたんだい??」
「さっきも言ったように、、僕は、、本当の、、本来の自分の姿に戻りたいのです。。今の32歳の中学生は不自然です。。真の意味で、、現役の中学生とは言えない。。僕は過去を変える必要は無くなりました。。無理に変えようと思えなくなったのです。。過去は過去。。それを大事に受け止めていきます。。真の過去から逃げたくないのです。。無理に変えても、、それは偽物の過去でしかないから。。短い間でしたが、、中学生の生活を楽しめました。。ありがとうございました」
「ご苦労さま!!」
こうして、、僕は32歳の自分に戻ってきた。。
体重145キロ、、精神病、、ニート。。
しかし、、
なぜか、、この「本来の自分」に戻れたことが、、
中学生に戻れた以上に嬉しかった。。
145キロの重い体で布団から立ち上がった時に、、
歓喜が溢れた。。
懐かしいなと。。
これからだ。。
これが、、本当の僕なんだ!!
本当の僕から逃げたくない!!
しっかりと生きてやる!!
本当の人生を!!
僕の人生はまだ、、始まったばかりだ。。
第2のスタートを切って!!




