美空の願いと漣の意思
な‥何やってんだコイツ‥。
「止めろって、何がしたいんだ?」
驚きから、はっと我に帰り美空から離れる。
俺が問い詰めると小さな声で懇願してきた。
「お願い‥。お願いだから、男に戻って‥。」
「俺が男に戻ってもお前に得はないぞ?」
俺が楽になるだけで美空には何の得もねぇじゃんか‥。
何考えてるんだか知らないが、解らないな。
「漣の家が男しか居ないと聞いた時から後継ぎは私だって思ってた。だからレッスンや勉強も人一倍頑張った。なのに‥‥ッ!」
なるほどな。そこへ俺が女はとして登場してしまったという訳か‥。
「何で私じゃいけないの?」
・・・んな事、俺に聞かれても。
俺だってそりゃあ男で居るときの方が気使わなくて楽だけどさ。
自分自身で決めた道を、他人に邪魔されたくねぇ。
「俺がそんな軽い覚悟で女やってるとでも思ったのか?」
「そんな事は言ってない。」
こうも強気なことを云っているが、内心は必死そうだ。
「じゃあ、無理な事くらい分かるだろ・・」
俺が言うと何かを決めたような目で、こちらを見てきた。
「あれを観て!私達のキスシーンはバッチリ撮らせて貰ったわ。」
指さす先には、高級そうなカメラが用意されていた。
「今からマスコミに流してやるわ!それが嫌なら男になる事を拒絶して!」
なんだコイツ、やっぱ女は怖い・・。
「そんな事しても、無駄だ・・」
・・・・・・・!?
見やすいかな~と思い書きかたを変えてみました。
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