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ちびっこママ、奮闘中☆彡  作者: 櫻木サヱ


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7/11

ママ、スーパーで保護される

夕方。

「今夜はそらの好きな唐揚げにしよう!」と、

日向ママは鼻歌まじりでスーパーへ向かっていた。


しかし——

このスーパーは、ママにとって“危険地帯”である。


理由はただひとつ。

毎回、ほぼ100%の確率で迷子扱いされる。


今日こそは大丈夫、と気合いを入れて入店すると、

早速パートのおばちゃん達の視線が集中した。


「あらっ……かわいい子がひとりで……」

「え、危なくない? 親御さんどこ?」

「保護したほうがよくない?」


「しなくていいです!!!」


ママはカゴを手に全力で逃げるように青果コーナーへ。

しかし油断はできない。


キャベツを手に取った瞬間、背後からそっと声がした。


「ねえねえ、迷子なの?」


振り返ると、小学校低学年くらいの男の子が本気で心配そうにママを見ていた。


「迷子じゃありません。あなたより年上です」


「えっ!? ほんと???」


「ほんとよ!!」


男の子は首をかしげながら、店内放送のある方向へ走っていった。


「迷子コーナーに行かないでぇぇぇぇ!!!!!」


慌てて追いかけるママだが——

遅かった。


館内放送が流れる。


『迷子のお知らせです。

お名前は……えー……わからない小さな女の子で……

身長は百三十センチほど……

とても可愛いお顔をしていまして……』


「誰よその“可愛い小さな女の子”って!?!? わたしよね!? 絶対わたしよね!?」


周囲の客がママを見て「え、あの子じゃない?」とざわざわ。

ママは震える声で叫ぶ。


「わたしは迷子じゃありません!!!」


その瞬間、優しい店員さんが近づいてきた。


「大丈夫よ、一緒にお母さん探そうね」


「探さなくていい!! わたしが“お母さん”!!」


「はいはい、怖くないからね〜」


話が通じない。


ママは強制的に手を握られ、

迷子センターの隣にあるベンチへ連れて行かれた。


「ちっ……違うのに……!!」

ママは涙目で抗議する。


そこへ、買い物帰りの近所の“ママーズ”が通りかかる。


「まあ〜〜〜また保護されてるの!?」

「日向ちゃんほんと可愛いわねぇ」

「今度お菓子持ってくる?」


「いらないぃぃぃ!! 大人扱いしてぇぇぇ!!」


店員は依然として微笑んだままだ。


「大丈夫、すぐお母さん見つかるからね」


「だからわたしが母なの!!」


そこへ、そらが現れた。


「母さん。……またか」


そらは事情を聞きもしないで店員に学生証を見せる。


「この人、俺の母です。しょっちゅう保護されるんで」


「本当に……!?!?」


店員が絶句した瞬間、放送が切れた。


ママは床にしゃがみこみ、うなだれた。


「なんでわたし、買い物するだけで事件になんの……」


そらは呆れたように言う。


「スーパーって“子どもしか来ない時間帯”とかあるから、母さんは完全に該当するんだよ」


「該当したくない!!」


そらはママの袋を持ってくれながら言う。


「でもまぁ……迷子扱いされても、俺は母さんを迎えに行けるし。

困ったら呼べよ」


「……そらぁ……優しいけど、それだと迷子みたいじゃない……?」


「事実だろ」


「ひどい!!」


泣きながら笑うママの手をそらが引いて、

二人は夕焼けの中を帰っていく。


今日の唐揚げはいつもよりちょっと涙の味がするかもしれない。


いや、ママの涙じゃなくて“笑いすぎの涙”かもしれない。


“合法ロリお母さん”の奮闘は、

また次の事件へ続くのであった。

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