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ちびっこママ、奮闘中☆彡  作者: 櫻木サヱ


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5/11

ママ、子ども料金で強制入場

休日。

「たまには母さんに気分転換させてやるか」

というそらの提案で、親子はショッピングモールへ。


日向ママはお気に入りのワンピースと帽子でお出かけモード。

ただし——その可愛さが災いを生むとは、この時まだ知らない。


「よし、映画観よう。新作のアクション」

「いいわね! 久しぶりにデート気分だわ〜」


そらが無言で顔をしかめる。

「母さん、それは言わないでくれ」


チケット売り場。

そらが二枚購入しようとすると、店員がにこっと微笑んだ。


「はい、学生さん一枚と……小学生のお客様一枚ですね」


「ちょっ……!!」


ママが爆速でツッコミを入れる。

「わたしです! わたしが学生でも小学生でもありません!!」


店員は一瞬固まり、困ったように笑った。


「あっ……す、すみません……あの……でも……

うちの規定では『見た目がどう見ても小学生』の場合は確認をお願いすることになってまして……」


「そんな規定あるの!?!?!?」


まさかの“見た目”規定。

ママは怒りよりも衝撃で震えた。


「身分証ありますから、大人料金でお願いします」


免許証を出すと、店員は深々と頭を下げた。


「ご確認ありがとうございます……!

でも……本当に……成人……なんですね……」


「真顔で何度も確認しないで!? 傷つくわ!!」


結局、大人料金でチケットを購入し、入場ゲートに向かった。


ところが。


ゲートのスタッフがママを見るなり、

「あ、迷子ちゃん……お母さんどこかな?」

としゃがんで目線を合わせてきた。


「迷子じゃありません!! そらの母です!!!」


そらが横から淡々と証言する。


「この人、俺の母です。今日だけじゃなく毎日こうなんで」


「毎日!?」

ゲートスタッフの目が濁った同情に変わった。


「……その……大変ですね……」


「なぜわたしよりそらが哀れまれてるの!?」


やっとのことで入場し、映画を観始めたが——

ここでさらなる事件。


上映中、ママの席がふわっと沈む。

椅子が「子ども用の軽量モード」に自動調整されたのだ。


「ちょっと!? この椅子、勝手に低くなってるんだけど!?」

「センサーで子ども判定されたんだろ」


「見た目に部屋のAIまで誤解させないで!!」


ママはカチカチと椅子の高さを直しながら、

映画の爆音と同じくらいの怒りゲージを溜めていった。


上映後。

出口へ向かう途中で、今度はモール内のイベントスタッフに声をかけられる。


「あっ! そこの可愛い子! キッズ向けクイズ大会参加しない?

参加賞のお菓子あるよ〜!」


「行かない!!!!!」


即答で拒否するママを見て、そらは肩を震わせる。


「母さん、今日一番声出たな」


「そら笑うな!! 心えぐれるわ!!」


その後も、

キッズ撮影コーナーでカメラマンに「はいポーズ!」と撮られかけ、

アイス屋では「お子様サイズですね」と言われ、

本屋では児童書コーナーに案内され——


日向ママのHPは赤ゲージになっていた。


夕方、帰り道。

ベンチに座ったママは項垂れた。


「……今日、わたし一度も“大人”として扱われなかった気がする……」


そらはペットボトルのジュースを差し出しながら言った。


「母さんが母さんだからだよ。

でも……俺は何回だって言うし、何回だって証明するよ。

母さんは、大人で、俺の母さんだって」


ママは驚いてそらを見る。

じんわり目が潤む。


「……そら……。

あんたそれ、反抗期どこ行ったの……?」


「最初から来てない」


「なんて扱いやすい子なの……!?」


そらは少し照れくさそうに視線をそらす。


「まあ……母さんが困ってる顔するの、好きじゃないから」


「言うじゃないの……!」


ママの頬がゆるむ。

今日もさんざんな誤解続きだったけど、最後の一言で全部チャラになった。


「よし。そら、次は温泉行こっか♪」


「……そこでまたトラブル起きる未来しか見えないんだけど」


そんな予感しかないまま、

“合法ロリお母さん”の奮闘はまだまだ続くのであった。

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