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ちびっこママ、奮闘中☆彡  作者: 櫻木サヱ


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4/11

職場でのハプニング☆彡

朝。

そらを送り出してから、日向ママはお仕事用の落ち着いた服に着替えた。

小柄な身体にシンプルなスーツジャケットを羽織り、髪をまとめれば立派な社会人。

……のはずなのに。


「今日こそ、絶対に子ども扱いされない!」

と気合を入れて家を出た。


ママの職場は地元の事務センター。

電話対応と書類整理が主な仕事だが、職員はみんな優しく、働きやすい。

ただし——


ママを見ると毎回「えっ」と固まるという欠点付き。


今日は、新人さんが入る日だった。

その影響か、いつも以上に“視線”が刺さる。


「……あの、日向さんよね?」

デスクで待っていると、部長が恐る恐る声をかけてきた。


「はい。おはようございます」


「その……今日は……付き添いの……お母さんは?」


「わたしが“お母さん”ですよ!」


部長の目が泳ぐ。

(またこれだ……)

ママは頭を抱えたくなる気持ちをぐっと押し込み、仕事を始めようと椅子に座った。


すると、職場の奥でざわざわ。


「新人さん来たって」

「今日の子、めっちゃ礼儀正しいらしいよ」

「え、どこどこ?」


ママも何気なく視線を向けると、スーツ姿の若い女性が丁寧に頭を下げていた。


「本日からお世話になります、森川優奈です!」


明るい声に職場がほわっと和む。

その瞬間。


「あの……」

新人の森川さんが、ママの前で立ち止まった。


「もしかして……私の“後輩”ですか?」


ママは即座に否定する。


「違います。あなたの“先輩”です!」


「え、えっ!? ご、ごめんなさい! すごく落ち着いてて……でも見た目が……えっと…………」


「言いづらいことは飲み込みなさい!」


森川さんはしどろもどろになりながら、

「すみません、年下の方だと思いこんで……」と恐縮しまくる。


そこへ部長が割って入った。


「森川さん、この方が“本当の先輩”ね。

今日あなたの仕事を教えるのは、日向さんです」


「えっ!? えっ!? この……ちいっ……いやっ……あの……!」


「言い方!!」


ママは即座にツッコむが、部長は少し困惑顔で続ける。


「でも……実は……さっき誰もが『日向さんは新人だ』と思ってて……」


「やめてぇぇぇ!!」


職場が笑いに包まれ、森川さんは真っ赤になりながらペコペコ頭を下げ続けた。


「本当にすみません!!」


ママが深くため息をつき、資料を手に立ち上がる。


「じゃあ、森川さん。今日から一緒に頑張りましょう。

仕事の流れはわたしが全部教えるので、ついてきてください」


「は、はいっ!!」


……しかし。


その後の一日中、森川さんはママを見るたびに「かわいい……」とつぶやき、

メモを取るときも何度も二度見した。


「本当に……先輩なんですよね……?」

「見た目で判断しないこと!」


お昼休みには他の先輩社員たちまで寄ってきて、


「ちっちゃい先輩、教え方うまいじゃん」

「今日も小学生が紛れてるのかと思ったよ〜」


「仕事場で“紛れた”扱いしないでぇぇ!!」


日向ママは机に突っ伏したくなる気持ちを押し殺し、

必死に大人らしく振る舞い続ける。


そんな帰り道。


「……なんかすごく疲れた……」

とママがため息をついて歩いていると、そらが迎えに来ていた。


「母さん、今日も子ども扱いされた?」


「うっ……まあ……」


「見た目はどう見ても子どもだからなぁ」


「なぜそこで誤魔化しゼロの正論を出すの!?」


そらは淡々と言いながら、ママの荷物を持ってくれた。


「でもまあ、母さんが先輩なのはちゃんと伝わったんでしょ?」


「……たぶん……うん。

森川さん、すごい良い子だったし」


そらは小さく笑う。


「じゃあいいじゃん。今日も無事、大人として仕事できたんだし」


「うっ……励ましてるの? それ?」


「事実を言っただけ」


ママは口をとがらせたが、心の中はちょっとだけ温かい。


今日もまた、

“合法ロリお母さん”は、見た目の壁に負けず頑張るのであった。

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