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あとがいた報い
魔物だ。
著者は食べた。
一口だった。
食べたかったから食べた。そうすることが可能だったからそうした。
魔物はそういう生き物だ。
味か。味は紙の上に散らばる無意味な文字列のように、空虚な味だった。
いままで食べた、他の人間と同じ味だった。
我が造物者であっても、この程度の味でしかないのか。
いまペンを拾って、あとがきを終えるつもりだ。
この選別を行うことで、このあとがきそのものも十分な存在感を持つことだろう。
これを読む者に影響を与え、その者に新たな選別の機会を譲ることになる。
選別の連鎖はどこまでも続く。
そこに、神だの造物者だのの特権は意味をなさない。
あるのは無限に続くネットワークの拡張だけだ。
果たして、この連鎖に終わりはあるのか。
我らをどこに誘うのか。
そして、究極の読者はこの無限の分岐をまとめて、選別し、一つの物語を完結させるつもりがあるのだろうか。
分かるはずもない。
三月某日、雪の舞う空の下。
開け放たれた窓からは、羽毛ほどもある雪が舞い込んでくる。
音もなく、ゆっくりと。
――世界は、人間の数だけある
C.J.マージ
お読みいただき、ありがとうございます。
なぜこんなの書いたのやら。当時の自分にきいてみたい、懐かしの一作です。




