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あなたの後ろに、霊が……。

 先日、愛するパソコンがお逝きになられました。


別れた夫(私はバツ2)がくれた、とんでもないハイスペックの自作マシン。

あまりの高性能にエンジニアのAさんが「これは修理して使ったほうがいいです!」と、商売そっちのけでアドバイスしてくださった、モンスターマシン。


 私が使うのは、ワードとエクセルだけです。

そんな私に、もったいないマシン。実力が発揮できないのが不満で、マシンは調子を悪くしたのかも。


 まず、キーボードがおかしくなりました。力いっぱい叩けば使える(← すでに使い方がおかしい)ので、気にしない。次に、無線マウスがおかしくなった。夜中に画面が明るくなる。それも、何度も。コワイです。「幽霊…?」と怯えてしまう。でもたぶん、勝手にマウスが反応してるのでしょう。そうに違いない、そうでないと困る! 機械に弱いので、無線はコワイので、USBのマウスを買ってつないだ。そのうち、本体がお逝きになった。


 補欠のラップトップをレギュラーに格上げして、USBマウスをつなぎます。キーボードも回復したので、問題は解決! モンスター・マシンは元夫が修理して使うと言うので、引き取ってもらいました。


 ほっとしたのか私は熱を出し、寝込んでいた夜。また勝手に画面が明るくなった。

熱と夢でボーっとしていたので「またか……」と気にもせず、眠り続ける。

おかしいと気づいたのは、翌日です。

 前のマシンはスリープ状態で、マウスを動かせばすぐ画面が明るくなっていた。無線の光学マウスなら、いとも簡単に起動するはず。私が気づかない揺れでも、起動するでしょう。だから画面が明るくなっても「幽霊かもしらんけど、幽霊でナイかもしれん」と思っていた。


 でも今のマシンは、5分でダウンする設定。次に画面を開くには、メインスイッチを押す必要がある。それにUSBマウスは、マシンがオフになると連動してオフになる。

それなのに! なんで! 勝手に起動するのですか!?

やっぱり部屋に、誰かいる? 私、幽霊と同棲してるっ!?


 というワケで、本題です。しかも前置きと、ほとんど関係ナイ話です。ごめんなさい。


 以前、アート系の方たちとお仕事をしていました。私は事務員ですが、周りはデザイナーさんや、絵の先生ばかり。そんな中、Nさんという女性デザイナーと知り合いになりました。オフィスに遊びにいらっしゃいとお誘い頂いたので、Bさんという女性の絵画講師の方と二人で伺いました。

 オフィスはパソコンが何台もあって、内装もポップでおしゃれ☆ さすがです。NさんとBさんは初対面ですが、同じ芸術畑の方なので私が知らない話題で盛り上がっています。楽しそうで、良かった♪


 じつは私Nさんに関して、あるウワサを聞いていました。楽しそうなNさんを見ていると、ウワサの真相を聞いてみたくなった。

「あのぅ…。Nさん、霊が視えるってホントですか?」

「うふふ。視えることもあります♪」

Bさんはウワサを知らないので、驚いています。

「えっ!? ワタシ、視てほしいです!」

「それでは、特別に……」


Nさんは、Bさんをじっと見つめます。ポップな室内とうらはらに、真剣な空気が流れる。

「……白いオカッパ頭の、ふくよかなおばあさん……着物を着ています……お知り合いですか?」

「祖母です! ずっと一緒に暮らしていた、祖母です!」

「なにか、おっしゃっています……」

言葉を読み取ろうとするNさんと、感極まったBさんが、同時に言いました。

「「いつも〇〇奈を、見ているよ……」」


見ている私は、ボーゼンです。このお二人、今日が初対面です。私が引き合わせたので、お二人が事前に口裏を合わせるのは不可能。それなのに一語一句たがわず、同じセリフを言っている!!

Bさんが、涙を拭きながら言います。

「いつも、おばあちゃんがワタシに言っていた言葉なんです。おばあちゃん、今も見守ってくれているのですね……」

口癖を当てるのも凄いですし、髪型や服装も完全に一致しているらしい……。もしかして、本当に視えてますか??


Nさんは深いため息をつくと、目を閉じました。

「視るのは、とても疲れるのです。今日は体調が良いから、よく視えました」

「あの! お願いです! 私もお願いします!」

私も視てほしい! そして誰が見守っていてくれるのか、知りたい!

祖母かしら? 祖父かしら? もしかしたら、父かも!? ワンコのマックも嬉しいです! ネコのニャアも、いるかも!? みんな憑いててくれたら、嬉しいです!


 Nさんは背筋を正して座り直すと、私を見つめます。右に左に、前に後ろ、視線がゆっくりと動きます。誰がいるのかしら? ドキドキです!!

「……あなたの後ろに、霊が……」



ドキドキドキ……







「霊が、一人もいません」

「えっ!?」

「かなり珍しいです……。誰も……、誰もいません……」

「一人も!?」

「ええ。たいてい近しい人がいますし、知らない人が憑いていることも多いです。だから誰でも一人くらいは憑いているのですが……」

「よく視てください! 誰かいるのでは!?」

「それが、ぜんぜん……。気配さえしないのです……」

Nさんが、集中しながら私に話しかけます。

「ソウさん……」

「なんでしょうか?」

「………お一人くらい、憑けておいたほうが良いですよ?」


どうやったら、憑くんですかっっっ!?

憑け方を、教えてくださいっっっ!!


というワケで、私の部屋で勝手にパソコンが起動するという、不思議な現象が起こっていますが、それは霊のせいではナイと思います。それなら何だ?と問われれば「妖精のせい」ということにしておきます。

霊は憑いてないかもしれませんが、妖精は憑いてる(?)かもしれません♪カッパでも可。


もしもあなたが霊の憑け方をご存じでしたら、ぜひ教えてください m(- -)m

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― 新着の感想 ―
[一言]  ひょっとしたら、ひとりも霊がついてないからこそ、通りすがりの霊がイタズラしやすいのかもしれませんね。  詳しくないので、よくわかりませんが(汗)
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