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濃厚旅行 小学館に突撃! 編

 うのていで部屋に逃げ帰った私は、放心状態です。ととと、とりあえず、一人で抱えられないショックを、ツイッターでみなさんに聞いてもらおう……!


私:たった今、ウズベキスタンのお若い方に、会って5分でプロポーズされました! 東京、怖い!


 ツイートすると、みなさんから「いいね」が届きます。ありがとうございます! ちょっと落ち着きました!

 とにかく、お風呂に入ろう! お風呂に入って、落ち着こう! 浴室のドアを開けると、ズラリとアメニティグッズが並んでいました。ここも、豪華(涙)。どこもかしこも豪華すぎて、貧乏な私は泣けてきます(涙)。 フツーのホテルは、シャンプーやリンスがボトルで入っているでしょう? んで、ちょっと高級なホテルは、そのシャンプーやリンスがちょっと高級だったりする。客はボトルの頭をボスボスと押して、必要な分だけ使う。ところが山の上ホテルでは、ボトルじゃなかったのですよ! チューブに入ってる! まっさらで新品のチューブに! こんなの一晩では、使いきれない! 余裕で1週間はイケる量!


私:……………………(涙)。


 私がこのチューブを開封して使うでしょう? 残るでしょう? その後このチューブ、どうすんのさ? 他の人に使い回すとは考えられないし、捨てるの? 捨てちゃうの?

 チューブには英語だかフランス語だかで色々と書かれていて、高級品だと一目でわかります。私にとってボディショップが海外の高級ブランドなのですけれど、ボディショップより高級なのが見てとれる(涙)。


 あなたは思うかもしれません。「ちょっと使って、持って帰ればイイじゃん!」

 私ですね、野良犬みたいな性格をしていますが、肌だけは繊細なのです。慣れないシャンプーやリンスをホテルで数回使うくらいなら大丈夫なのですが、続けて何度も使うと肌が荒れてしまう。だから持って帰っても、使うことはない(涙)。


私:…………仕方ない。ちょっとだけ使って、置いて帰ろう(涙)。


 石けんは自分で手作りしたオリーブオイルの石けんを持参していますから、顔と身体は石けんでイケる。化粧水や乳液なんかの高級基礎化粧品も一式置いてありますけれど、こちらも持参している自分のを使う。ボディクリームなるものも置いてありますが、そんな贅沢なもの、普段から使ってないからいらん! となると、シャンプーとリンスが足りない。うう、もったいないけどシャンプーとリンスは、ホテルの高級品を使わせてもらおう。そして余ったら、置いて帰ろう(涙)。


 高級なシャンプーは、きめ細やかな泡立ちです。天然のアロマオイルが入っているのか、えも言われぬ良い香りがします。高級な香水みたいな香りがする。すべらかな泡を洗い流して、リンスを付けます。貧乏人だからリンスって言ってますけれど、チューブにはちゃんと「ヘアコンディショナー」って書いてあります。こちらも天然成分の良い香りがする。ふだん使っている人工香料のシャンプーと、格が違う香り。持って帰って使えばいいかもしれないけど、この高級品に身体が慣れてしまったら、後がメンドクサイ。また安い市販品に戻すと肌が荒れて、慣れるのに苦労する羽目になる。もったいないけど、一夜の夢。今夜だけ、豪華な香りを楽しもう。


 頭と体をキレイキレイした後に、浴槽にお湯を貯めます。浴槽は広くて大きくて、おもいっきり足を延ばしても、足が壁に届かない。wwいつもは小さな浴槽にヒザを抱えて入っているのに、雲泥の差です。ww まるで王侯貴族☆


 髪の毛を乾かして、ベッドの上にある枕やクッション(その数、6個!)を払いのけます。貧乏人は、枕やクッションを使いません! キレイになった身体を、真っ白なベッドシーツの間に滑り込ませます。いよいよ明日は、小学館の本社ビルへ突撃です! 眠って英気を養わないと!

 キンチョーで寝たり起きたりを繰り返して、朝になりました。真っ暗な部屋で目をさましてボンヤリしていたら、ドアにノックの音が! そうだ! お部屋に朝食が運ばれてくるんだった!

 あわてて飛び起きてドアを開けると、これまた背の高いシュッとしたイケメン男性が、料理を載せたワゴンを押して入ってきました。ああ(涙)。せめてバッチリお化粧してお洋服を着替えて、あなたにお会いしたかった……(涙)。


 男性はテーブルにお料理をセットすると、あっという間にいなくなりました。まるで魔法使いのような手際でした。

 私はテーブルに座って、朝食を眺めます。


私:………………(涙)。


 銀のポットに熱々のブラックコーヒー。大ぶりなグラスに、しぼりたてのグレープフルーツ・ジュース。花びらをあしらったベビーリーフのサラダと、白磁のピッチャーに美しい色合いのドレッシングが2種類。真っ白なお皿には、絵画のように美しい色味のカットフルーツが並べられています。真っ白なナプキンの中には、焼き立てのパンがホカホカと湯気を上げている。そして瓶詰のジャムが3種類と、バター。


 豪華すぎて、頭が追い付かない(涙)。とりあえず、写真を撮ろう(涙)。

 写真を撮った後に、いただきますをして実食です。冷たいものは冷たいし、熱いものは熱々です。熱々のパンに、冷たいバターをのせてパクリ。冷たいバターがパンに溶けて、えもいわれぬ風味が広がります。それを熱いブラックコーヒーで流し込む。美味しい!

 柔らかなベビーリーフに、美しい色の人参ドレッシングを掛けて頂く。人参だけでなく、トマトも入っているようです。まろやかでさわやかな味。このドレッシングだけ、ゴクゴク飲みたいくらい。

 真っ白なお皿に並べられたカットフルーツは、食べ終わった後もナゾの一皿でした。

 甘い甘いとろけるマンゴー、噛むと弾ける新鮮なブルーベリー、蜂蜜より甘いマスクメロン、見たこともない大きな巨峰、かろうじてここまではわかりましたが、ルビーのように赤い果物とか、見たこともないフルーツが他にも……。美味しかったけど、アレはいったい何だったんだろう??

 瓶詰のジャムですか? たしかオレンジマーマレードと、いちごと、ブルーベリージャムだったと思います。たぶん、果実がたっぷり入った上等な味がすると思います。え? 食べなかったのか? ですか? ええ。食べませんでした。だってジャムをパンに塗ってくれる人が、いませんでしたから! (← 急に発動する女王様気質!!) 


 おなかがいっぱいになったら、準備をしないと! 昨日のシャンプーとリンスを残すのが忍びないので、せめて朝シャンプーをします(← 女王様気質だが、本質は貧乏人)。それでも大量に残ったけど、ごめんなさい!


 カートに荷物をギュウギュウ入れて、ヨイショヨイショとカウンターまで運びます。余談ですがお部屋専属のメイドさんがいれば荷物をパッキングしてくれますし、メイドさんがいなくてもフロントに電話をすればパッキングした荷物を部屋から運び出してくれます。私は自分でできることはしたいので、自分でフロントまで運んだだけです。高級ホテルですから、あなたはする必要ありませんよ?


私:恐れ入りますが、この荷物を宅配で自宅へ送ることはできますか?

フロント:もちろんでございます。


 料金は、3千円しなかったと思います。けして安くはないが、これで手ぶらで帰れる!!

 部屋に戻ってぼうっとしていると、電話が鳴りました。フロントに手配をお願いしていたタクシーが、到着したとのこと。いよいよ突撃です!


 ドアマンの皆さまに送り出されて、タクシーに乗り込みます! 夢のような時間を、ありがとうございました! また皆さまに会うために、私は頑張ります!!


 小学館の本社ビルに到着しました。ここが今日の戦場! 頑張るぞ! 入る前に、ビルを撮影してやる! スマホを構えて、唖然としました。デカイ……! ビルがデカすぎる! デカすぎて、カメラに入らない……! あまりのデカさに、怖くなります。帰りたい! おうちに帰りたいよお!!


 こういう時は、ツイッターです! 愛するツイ友の皆さんに、今の気持ちを聞いてもらう!


私:ビルのデカさに、ビビる! おうちに帰りたい!!


 「いいね」や励ましツイートが届きます。ありがとうございます! 皆さんのおかげで、勇気が出ました!

 ビクビクしながら、自動ドアをくぐります。中に入ると、拍子抜けするほどガランとしている。高い天井と、広いスペースがあるだけ。何にもない。どうしたら、いいんだ??

 そうだ。担当さまから「2階で受付けをしてください」って言われてた! 2階に行かなきゃ!

 広いスペースの奥に、エスカレーターが見えます。その前に、怖そうな警備員さんが立ってる。黙って近づくと制止されそうだったので、私のほうから声を掛けます。


私:おはようございます。担当さまから2階で受付をするように言われているのですが、そのエスカレーターに乗ればよいですか?


 警備員さん、黙ったままエスカレーターを指差します。怖い! 一言くらい、何か言ってくれてもイイじゃん! トーキョーの人、冷たい!


 エスカレーターで登ってゆくと、降りる所に二人の警備員さんが立っています。1階の警備員さんも怖かったですが、こちらのお二人はさらに怖い。身体が大きくて、ゴツい! 武器を手にして戦っても、勝てる気がしない! 私が小学館を襲撃しようとしても、無理でしょう!

 お二人に挨拶しますが、無言です。エスカレーターを降りると、奥に受付カウンターがあります。そしてシャネルのスーツみたいなお洒落制服を着た女性が、ズラリと並んでいる! 怖い! 警備員さんと違う意味で、怖い! 私みたいな者が、来てはいけない場所に来てしまった!!


 ここでいきなり話が変わりますけど、いいですか? 小学館のセキュリティについてです。

 セキュリティの都合上、ここで私が詳細に書くのは控えます。私が見ただけでも侵入者を防ぐセキュリティが各所にありましたし、私が知らないセキュリティもたくさんあると思います。もしもあなたが小学館を襲撃するご予定がある場合、悪いコトは言わないからやめといたほうがイイです。必ず失敗しますから。まず侵入することが、非常に難しいです。頑張って侵入できたとしても、目的の場所に辿り着けないと思います。目的の場所に辿り着いたとしても、目的の人物を見つけるのは、非常に難しいです。ってか、見つからないと思います。そして初めに戻りますが、そもそも侵入できないです。詳しいことは書きませんが、そういう構造になっています。もし襲撃する予定がおありでしたら、老婆心ながら「やめておきなさい。失敗するから」という助言を贈らせてください。


 閑話休題。

 受け付けを済ませて、待ち合いスペースのカラフルなイスに腰を落ち着けます。お洒落でカラフルなイスとテーブルが並ぶ広々としたスペースには、私一人です。ポツンと座って、あたりを見渡す。壁のラックには一面、小学館の雑誌の最新号がズラリと並んでいます。普段なら嬉々として手に取るところですが、今はキンチョーして雑誌を眺めるどころではない。ドキドキしながら座っていると、遠くにヘンな物を見つけた。なんだ、あれは?


 最新号の雑誌の数々は壁に沿って、ずうっと奥まで並んでいます。そして突き当りの壁の前に、べんがら色(朱色みたいな茶色)の大きな板が、立て掛けて置いてある。なんでこんなトコロに、板が置いてあるんだ?

 その板の大きさは、B2サイズ。728✖525mm。デカい。

 しばらく見ていて、気づきました。板じゃない! 本だ!! それはとてつもなくデカい、一冊の本でした! 我を忘れて、本に駆け寄る。いったい何の本なんだ!


 ヨイショと重たいページを開くと、見開きで仏像が! 山々が! 神社仏閣が! それは大きなおおきな写真集でした! ど迫力! 吸い込まれそう! 目の前に、大和路の風景が広がる! 実物大より大きな仏像が、私を睨んでる! すごい!

 入江泰吉という写真家の写真集らしい。いったい幾らするんだ?(←下世話)。

 352,000円!!! こんな高額な本、初めて見た! しかもこれ、シリーズ物の本らしい。他にも土門拳や、東大寺の写真集もあるみたい。土門拳! 見てみたい!! でも1冊、352,000円!! 買えない!! あと、本が重たい! こんな重たい本、どうやって見るんだ!?

 大きな本は、大きな書見台に置いてあります。この台がないと、本が読めない。そしてどうやらこの台も、販売しているらしい。いったい幾らするんだ? (←下世話)。

 書見台のお値段、55,000円! 台だけで、55,000円!! いったい誰が買うんだ!?

 

 せっかくの機会だから、もう一生見ることのできない本だから、ガン見しておこう! 私は夢中でページをめくります。ページをめくるたびに被写体が迫ってきて、圧倒されてしまう! まるで自分が大和路の世界に立っているようです。足元の落ち葉の葉脈まで、はっきり見える!! 仏像が大きく開けた口の中に、飲み込まれてしまいそう! この本、すげぇ!!


「ソウマチさ~ん! お待たせしました~!」


 気が付くとすぐそばに、可愛らしい女性が立っていました。


私:Pさん!? Pさんですか!?

Pさん:そうです! 編集者のPです!

私:初めまして! やっと会えた~!(涙)。

P:やっとですね~!


 ずっと一緒に頑張ってきた、編集さまのPさんです! やっと会えた!(涙)。苦節3年、艱難辛苦を乗り越えてきた仲間です! 時には励まし合い、時にはガチンコで意見を戦わせ、そして本を世に送り出した盟友! それなのに、初対面!!


P:ゆっくりお話できるよう、会議室を取ってあります!

私:そ、その前に! Pさんにお土産でしゅ! コレと、コレ! あげましゅ! おいしいお菓子でしゅ!


 あわててお菓子を押し付ける。今思えば、何もそんなトコロで渡さなくても……。落ち着いてから渡せばイイじゃん……。


P:わあ! うれしい! ありがとうございます~!

私:こっちは、ジュニア編集部のみなさまでしゅ! こっちは、ちゃお編集部さんでしゅ! あと、営業さんと校閲さんにも、渡してくだしゃい!!


 動揺したまま、お土産を押し付ける。だから後で落ち着いてから渡せばイイのに! とりあえず、落ち着け!! 優しいPさんは笑顔でお土産を受け取ってくださいます。本当は営業さまや校閲さまに自分で手渡ししたかったのですが、ビルのデカさにあきらめました。部外者の私がウロウロしてたら、かえってご迷惑になる。


Pさん:ではでは、会議室にご案内しますね!


 杖をついてヨチヨチ移動します。案内されたピカピカの会議室は、30畳くらいでしょうか。最新鋭のデジタル機器が並んでいて、ピカピカです! そして広すぎる!! 広すぎる会議室に、ピカピカの長机とオシャレなイスが、ロの字でズラリと並んでいる。私ごときのために、地価の高い東京の一等地でこんなに広い場所を! すみません!! 申し訳ありません!!


P:お好きな場所に座ってください♪

私:好きな場所……。


 広々とした会議室でロの字に並んだ机の、角っこに陣取ります。部屋の隅に、一番近いところ。それでも広いが、ど真ん中より落ち着く。有能なPさんのリードで、打ち合わせを進めてゆきます。私の原稿にPさんが書いた赤字の修正について、電話ではわからなかった細かいニュアンスを話し合いながら確認してゆく。直接話すと、早いなぁ。電話だと聞けないこともすぐ聞けるし、Pさんの表情が見えるからわかりやすい。すごい速さで打合せが進んでゆきます。覚悟していたダメ出しもほとんど無くて、安心しました! たまに肉どころか骨まで砕ける厳しいご指摘が入るのですが、今回は無かった! 良かった!


 ダメ出しがないまま終了したので、心に余裕が出てきました♪ やっと落ち着いて、初めて会うPさんを見ることができる。Pさん、有能なのに可愛いなぁ♡ Pさんは小柄です。(ご本人はイヤかもですが)ちっこくて、可愛い♡ ゆるいウェーブのかかった髪の毛をパツンと切り揃えて、六角形のお洒落で可愛いメガネをかけています。デニムのストンとしたワンピースを着て、歩きやすそうな柔らかな革靴を履いている。児童書制作という職種のせいか、浮世離れした雰囲気です。誰かに似てるんだけど…………白雪姫? 白雪姫が東京で働くなら、こんな感じかなぁ?


 そうだ! 大事なことを質問しないと!


私:小説家になろうでエッセイを書いているのですが、売り込みに行くならどこがイイですか?


 Pさんに会ったら、ぜひ聞きたかった! このエッセイを書籍化するには、どこへ売り込んだらいいか知りたい!!


Pさん:なろうのエッセイ、拝読しました。うちのジュニア編集部は児童書なので、うちからの刊行は無理です。

私:お子さん向けでないのは、承知しています。下世話な話もありますから、大人向けだと思います。

P:言いにくいのですが、面白いだけでは無理です。

私:えっ!?

P:ソウマチさんのエッセイ、すごく面白いです! でも面白いだけで、書籍化はできません。逆に面白くない作品でも、書籍化は可能なんです。

私:いったい、どういうことですか!?

Pさん:大きな文学賞を取った作家さんは別として、その他の人が本を出すには、知名度が必要なんです。たとえばモデルさん、タレントさん、何かでバズった人など。

私:モデルでも、タレントでもナイですね。私は。

P:モデルやタレントでない素人さんでも、インスタグラマーの人が本を出すこともあります。この場合、フォロワーが10万人いれば、1万部は売れると予測できます。1万部売れる可能性があるなら、出版社は喜んで本を出します。

私:なるほど。

P:つまり、本の内容は関係ないのです。「有名なあの人の本なら、買ってみよう」という動機が必要なのです。その結果、面白くない本が世に出ることもある。もちろん面白いに越したことはないのですが、面白さよりも本を買ってもらう知名度が必要なんです。

私:なるほど! それなら私、ぜんぜんダメですわ! 知名度、ありませんもの! 

P:残念ながら現状では、そうですね。今後は、わかりませんが。

私:それなら私が有名になった時に「本を出しましょう! 原稿はありますか?」と言われたときに、すぐ出せるようにエッセイを書き続けます! そしたらバズっても、すぐに本が出せますから!

P:そうですね! 面白いですから、書き続けてください!


 一番知りたかったことを教えてもらえたので、気が済みました! もちろん他の出版社に売り込めば、すぐに出版という可能性だってあります! でも今は、腰を落ち着けてエッセイを書きます! そして姫さまの二巻を仕上げます! スッキリした!


 和やかに打ち合わせは終わり、ジュニア編集部へご挨拶に伺います。編集長様をはじめ、他の編集様にもご挨拶をする。皆さんそれぞれ個性的な方で、何よりもキラキラしています! 文化を発信している自信でしょうか!? 内面からキラキラしてる!☆ まぶしいです! 直視できません!


 皆さんとは後でランチのお店で合流することにして、他の編集部を見学に行きます。聞けば社内がにぎやかになるのは、午後から夜にかけてとのこと。まだ午前中ですからほとんど人はいませんし、閑散としています。それに今はリモートが主流ですから、以前より人が少ないそうです。


 いったん最上階まで上って、降りながら見学をすることにします。ヨチヨチ歩いてPさんとエレベーターに乗り込んだら、中年のおじさまが駆け込んできた。


P:お疲れ様です♪

おじ:おう!

私:おつかれさまでしゅ♪


 Pさんと顔見知りのおじさんみたいです。Pさんは私にビル内の説明をしてくださっているので、おじさまに背を向けている。おじさまはジロジロと私を見ています。やめてください。顔やカラダに穴が開きます。記者の方かなぁ? 何事も見逃さない感じ。やらしい感じではなくて、私が何者か観察している感じです。きっと誰に会っても、ジロジロ見る方なのでしょう。

 おじさまは自分のフロアに着くと「じゃ!」と言って、エレベーターから降りてゆきました。ドアが閉まって二人きりになると、Pさんが言いました。


P:今のおじさんね、〇〇〇の〇〇。平社員の私にも、フレンドリーなおじさんでしょ♪

私:えええええええええええええええっっっ!?


 めっちゃVIPでした! まさに雲の上の人! Pさんには失礼ですが、Pさんがニコニコ挨拶できるのが意外なくらいVIPです!! ここにウッカリしたことを書いておじさまの動向が漏れるとシャレにならんので、詳細は控えます。控えますが、ビックリした!!!!!! おうちに帰って画像がナイか調べてみたのですが、見つかりませんでした。安全のために、画像なんかも非公開なのかなぁ?

 めっちゃ失礼ですが、そんな偉い人には見えなかったです! 普通のおじさんより、目つきの悪いジロジロ見るおじさん。見た事すべてを記憶してそうな、隙のナイおじさん。独断と偏見ですが、週刊誌の記者さんみたいな感じ。……週刊誌の記者さん、見たことナイけど。


 私の衝撃も知らず、Pさんは小学館の案内をしてくださいます。新しいビルなのでどこも同じようにピカピカなのですが、部署によってぜんぜん雰囲気がちがう。役所みたいに固い雰囲気のところもあれば、フィギュアやポスターがたくさん飾ってある部署もある。特に、少年サンデー。コナン君のフィギュアが、ものすごい数並んでた! ファンの方なら、狂喜するかも。少年誌のほうは男の子っぽい雰囲気ですし、ちゃおみたいな少女誌のほうは、女の子っぽい雰囲気です。本やポスターの色味も少年誌は青っぽいし、少女誌はピンク色をしている。ついでに言うなら、漂っている空気のニオイもちがいました。ww


 色んな部署がある中で、共通していたのは本の多さです! どこも大きなスチール製の据え付け書棚が完備されていて、床から天井まで大量の本が収納されているのですが、それでもスペースが足りないのか、どのデスクにも本が積み上げられている! どこを見ても、本がある!!

 私が死んで幽霊になったら、小学館のビルに侵入したいです。そしてずうっと、あちこちで本を読んでいたい♪ 待ち合いスペースで見た特大本も、書棚の本も全部読みたい♪


 あなた様には「小学館に侵入するのは不可能だから、あきらめれ」と言いましたけれど、死んで幽霊になったら侵入できるかもしれませんね……。もし私が不慮の事故で死んだら、試してみます♪ 


おまけ:今日のエッセイに出てきたお風呂のアメニティや朝食の写真は、今日(2022年12月4日)のソウマチのツイッターで、ご覧いただけます♪ 良かったら、見てみてください♪

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