ドキドキ台湾☆ 3 台湾レストランにて
おかげさまで、生きてます。ww
ここ(小説家になろう)は私にとって大事な場所なので、無理のない範囲でボチボチ書きます。
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姑と二人で台湾に行って、なんとか無事にホテルへたどり着きました。
何かご飯を食べないと……。 ガイドブックに載っている、高級台湾料理のレストランへ行くことにします。姑は高齢だし私も若くないので、冒険する勇気はない。ホテルにタクシーを呼んでもらって、運転手さんにガイドブックを見せて、お店に到着しました。
賑やかな街の中にある、立派なお店です。自動ドアを開けると、黒服の店員さんが出迎えてくれました。真っ白なテーブルクロスのかかった席に案内されて、メニューを見ます。ぜんぶ台湾語で書いてあるので、さっぱりわからない。でも大丈夫! ガイドブックに「日本語対応可能」と書いてあったから!
黒服さんを呼んで、メニューを見せます。
「美味しいお料理は、どれですか?」
黒服さんは困った顔で、首を振ります。なんてこったい! 日本語が通じない!
「日本語で話せる方は、いますか?」
黒服さん、申し訳なさそうに首を振ります。日本語は、通じないみたいです。日本語のできる方が、お休みなのかも。どうしよう?
こんな時のために、おぼえてきた単語があります。私はメニューの料理を指さして、
「ハオツー?(おいしい?)」と尋ねました。黒服さんの顔が、ぱっと明るくなります。
「ハオツー! ハオツー! (おいしい! おいしい!)」
通じた! 次々に料理を指差します。「ハオツー? こっちも、ハオツー?」
黒服さんは笑いながら、うなずきます。そして台湾語で、何度も同じことを言います。
言葉はわからないけれど、自信に満ちた身振りでわかる。
「ぜんぶハオツーだよ! このお店の料理は、ぜんぶハオツーだ!」
そっか! ぜんぶ美味しいんだ! これも、これも、これも、美味しいですか?
黒服さんは、ニコニコ顔です。
「もちろんだよ! 何を食べても、美味しいよ!」
じゃあ、コレをください! 写真はないけど「鶏」って書いてあるから、鶏肉のはず。
鶏肉なら、ハズレはないでしょう!
ニコニコだった黒服さんの顔が、一瞬で無表情になりました。え? わたし、なんか地雷踏んだ!?
言っちゃいけないコトを、言いましたか!?
黒服さんは怖い顔で、小さく首を振ります。そして小さな声で、何か言ってる。
意味はわからないけど、言いたいことは、わかった。「その料理は、ダメ」って言ってる!
「……じゃあ、こっちは?」
おそるおそる別の「鶏」と書かれた料理を指さすと、笑顔が戻ってきた!
「ハオツー!」
その後はどれを指差してもニコニコ笑顔だったので、ご飯とメインとサラダとスープだと思われる料理をお願いしました。どれも正解だったので、無事に食事にありつけました。
八角やショウガの香りがする、美味しい台湾料理を堪能します。熱々のチャーハンに、白菜の入ったまろやかなスープ、旬の野菜の入った春雨のサラダに、甘辛い鶏肉の炒め物。どれも美味しい!
黒服さんはニコニコしながら熱々のウーロン茶を注いだり、食べたお皿を下げてくれます。
デザートに杏仁豆腐みたいな甘いツルツルを注文すると、冷たい器に入った白い杏仁豆腐みたいなツルツルと、赤いクコの実の美しい一皿を運んできてくれました。
デザートスプーンをセットしたり、ツルツルを置いたりする時に、黒服さんが私の耳元で何かささやきます。
「??」
すごく小さな声で聞き取れなかったし、聞こえたとしても台湾語はわかりません。
「なんですか?」。日本語で聞き返すと、黒服さんが目だけで、隣のテーブルを指し示しました。
隣のテーブルには、ニワトリの黄色い足が数十本(!!)、大皿に盛られて湯気を上げていました! 足! 足! 足! ニワトリの足!
モモじゃないです! 蹴爪です! それが数十本! うわああああ!!
コワイです! コワイし、食べられる気がしない! ムリです!
黒服さんは台湾の方だから、そのお料理も食べるはず。それなのに、ニガイ顔です。
もしかして……??
私はメニューを開いて、さっき黒服さんが怖い顔になった料理名を指差しました。
「もしかして、さっきダメって言ったお料理、コレがアレですか?」
黒服さんは、満足そうにうなずきました。そして台湾語で、何か言いました。聞き取れなかったけど、意味はわかります。
「あの料理は、まずい」です。wwwwwwwww
うっかりあの料理を注文していたら、私は発狂したと思います。食べられない事はナイのだろうけど、なんせ馴染みがない! 見た目が怖い! 私にとってトリの蹴爪は、食べ物じゃない!
黒服さんのおかげで、ピンチを逃れることができました!!
でもこの旅行は、まだ始まったばかり!!
(つづく)