ドキドキ台湾☆
以前、姑と二人で台湾へ旅行に行きました。
なぜ二人だけで行ったのか? なぜなら「良い嫁」になりたかったのです。姑と友達みたいに付き合える、良い嫁になりたかった。その後、無理がたたって離婚しました(苦笑)。無理は、禁物です。
旅慣れない姑に楽しんでもらうため、私が旅行の手配をしました。とは言うものの、私だって旅慣れていません。当時の夫に手伝ってもらって、飛行機やホテルの手配をしました。
旅の目的は、姑に楽しんでもらうことと、故宮博物館へ行くこと。故宮博物館にある翡翠でできた白菜と、親子三世代で彫った象牙の珠が見たかった。
翡翠でできた白菜は、有名なのでご存じだと思います。実物大の白菜を、翡翠で再現している。なぜ高価な翡翠で大衆的な白菜を彫った!?と思ったら、台湾で白菜はとても縁起の良い野菜なんだそうです。
親子三世代に渡って彫った象牙の珠は、いわく付きの珠です。当時の王様は、名工に素晴らしい芸術作品を作らせた後、技術の流出を防ぐために名工を殺して(!)いたそうです。
王様から象牙の珠を依頼された名工は、考えました。
「これを完成させたら、殺される。何とかして、生き延びないと!」
そして一生をかけて、チビチビと象牙を彫りました。珠の彫刻が完成するまえに、寿命が尽きた。それを見ていた息子は、父親の意志を引き継ぎます。
「天寿をまっとうするその日まで、珠を彫り続けなければ!」
直径40センチほどの珠は、父親が表面を彫り尽くしています。もう彫る場所なんて、どこにもない。息子は珠を二重構造にしました。透かし彫の珠の中に、別の珠を彫ったのです。その珠にも、精緻な細工をほどこして、めでたく天寿をまっとうしました!
その息子も、同じようにしました。珠の中の珠に、さらに珠を……ww
そして王様の支配の世は終わり、息子は珠を完成させた後に、無事に天寿をまっとうしました。
その珠を自分の目で見たくて、台湾へ行くことにしました。
マズイと思ったのは、出発前夜です。
「わたし、台湾語は話せない……」
今までの旅行は夫が手配をして、私はテレテレと後をついてゆくだけでした。
何もかも、夫がしてくれていた。でも今回は、違います。私が姑を引率して、何もかもやらないといけない。通訳も、移動も、食事も、観光も、すべて私がやらなきゃいけない!
「いやああああ!!!!」
もっと前に気づけよ……っていう話ですが、おんぶに抱っこの旅ばかりしていたので、まったく気づかなかった!
台湾の地理さえ知りません! 空港とホテルの位置関係も、知らない! それなのに、私が引率!
一気に気分が悪くなって、お腹がピーピーになります。寝込みたいけど、出発は明日!!
「なんでこんなことに!?」 って、私が100%悪い。
翌日も、ピーピーは止まりません。空港までの高速バスに乗ったのですが、トイレに行きたい!
高速道路に乗る前のバス停で、泣く泣く下車しました。トイレを済ませてバス停に戻ります。
次の高速バスは、一時間後。それに乗ったら、飛行機に乗れません。仕方がないので、タクシーで移動しました。
空港のカウンターに到着したのは、出発ギリギリ。私が最後の搭乗客でした。不安そうに待っていた姑に謝り倒して、カウンターへ急ぎます。
グランドホステスの女性は私たちの航空券を受け取ると、なぜか姑と私を手招きしました。
「あのですね……」 小さな声で、女性が話します。
「なんですか?」 姑と私は、女性の口元に耳を寄せます。
「お客様がお乗りになる飛行機は、オーバーブッキングになりました」
?? オーバーブッキング ?? 知らない言葉です。
「なんですか、それ?」
「過剰予約のことです。 お二人が乗る予定だったエコノミーの席が、満席になりました。ですのでお二人は、エコノミーの席にお座りになれません」
オーバーブッキングの意味を知っている今なら、血の気が引く場面です。席がない!! 席がない場合は、次の便や他社の便に振り替えになる場合があります。でも当時の私は意味がわからなかったので、ぼーっとしていました。
「エコノミーのお席を準備できないので、ビジネスクラスにお乗りいただくことになります。無料のクラスアップですから、この事はご内密に……」
なんかわからんけど、席が豪華になったらしい!! やった~!
そしてなんかわからんけど、ホテルもクラスアップされていました。いまだに理由はわかりませんが、頼んだ部屋より豪華な部屋になっていた。
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そしてコレを書いている今、首がイタイです。このところ調子に乗ってバリバリ書いていたので、首を痛めてしまった。これから治療に行ってきます。
私もあなたも、無理は禁物です。