上手くいった相談
昔から、なぜか相談を持ち掛けられます。あまりにも相談が多いので「相談を仕事にしよう」と思い立ち、相談員をしていました。
一番ビックリした相談は、見ず知らずの男性にバーで「これから彼女にプロポーズをするのですが、何と言ってプロポーズしたら良いですか?」です!
見ず知らずの私に! 酒場で! 大事なことを! 相談するな!!!
「とりあえず、シラフの時に求婚したほうがイイと思いますよ……」 酒を吞みながら、言う私……。
「そうですか? シラフだと、緊張して言えなくて……」 お酒を呑みながら、答える彼。
「とりあえず、二人に乾杯」
「ありがとうございます。乾杯」
私も彼も、ダメダメじゃん……。
彼女を待っている間に私は酔っぱらったので、早々に帰りました。
その後、二人がどうなったのか、私は知りません……。
お二人に幸あれ……!!
上の相談はグダグダですが、これからお話する相談は、すごく上手くいった相談です。
ある日、知り合いの男性から、相談されました。
「訪問先の利用者様のお身体が、弱ってきて困っている」
彼は、訪問介護の仕事をしています。高齢な利用者様の家に行って、お風呂の介助をしたりする。
身体のことならお医者様に聞いてくれ! 私は医者でも何でもない!
「もちろん病院に行ったんだけど、良くならなくて……」
お医者さまが治せないなら、私はムリです!!それに、高齢者の方なら年齢的に、弱ってくるのは仕方ないでしょう?
「でもやっぱり心配で……。調子が良くなって喜んでいると、また悪くなるんだ。原因がわからないから、心配で……」
もしかしてその方、お身内、少ないよね?
「どうしてわかるの? お一人暮らしで、お連れ合いは、何年も前に亡くなってる。お子さんはいない」
それなら、お見舞いにくる身内がいるでしょう?
「いるよ! すごく優しい姪っ子さん! 利用者様は、姪っ子さんが来るのをすごく楽しみにしてるよ! 優しい方でね、本当に素晴らしい方なんだ! 高価なサプリとか買ってきて利用者さんプレゼントするんだけど、代金は一切受け取らないの!」
その姪っ子さんにね「ボク、サプリに興味があるから、このサプリ、ボクももらってイイですか?」って、言え。
「なんでさ? ボク、サプリとか興味ナイよ」
いいから、言え。代金は、払うと言え。
あと君が付いてたら、その利用者様は安泰だから安心しろ。
「??? ボクがいれば、大丈夫なの?? ふぅ~ん……??」
数か月後。
「この間話してた利用者様ね、この頃調子がイイんだ~! どうして良くなったかわかんないけど、良くなったから、良かった~!」
そりゃあ、そうだろう。
彼には言ってませんが、私は体調不良の原因がわかってましたから。
その優しい姪っ子、遺産狙いでサプリに毒盛ってたんだよ!!
優しいフリして喜ばせておいて、殺そうとしてたんだよ!!
君が毒入りサプリを飲んで同じ症状が出たら悪事がバレるから、サプリに毒入れるのやめたんだよ!!
「このサプリ、ボクももらってイイですか?」っていうのは、姪っ子からしたら「このサプリ、毒入りですよね? ボク、知ってます」って牽制に思えたんだよ。だから君が付いてる限り、姪っ子は手出しができないんだよ! 君が利用者様を心配してたから異変に気付いて、守ることができたんだよ! 君の優しさに、乾杯!!
人様の命を救えた、ものすごく上手くいった相談ですが、近しい人には言えない内容なので、ここに書いてみました。
どうぞ、良い一日を!!