破竹の勢いと、大いなる誤解
○破竹の勢い!
ありがとうございます! 昨日のPV、一日で100でした! 過去最高! そして初めての3ケタ! 素晴らしい!!
「一日で30PVあったら、嬉しいなぁ~♪」と思いながら書いていたのですが、ここ数日は破竹の勢いで伸びていて、とうとう過去最高の100PVになりました!
書き始めて15日後に累積のPVが500を超えて、1000PVを超えたのは32日目。すごく良いペースです! 以前にネットで出版社の編集さんが「1万PVを超えたら、書籍化を検討する」と言っていたので、1万PV超えたら、売り込みに行きます! ん?? 売り込みって、どうやったらイイんですか? どこに行けばいいの? 誰に言えばいいの?? もしご存じの方がいらしたら、ぜひ教えてください!!
〇大いなる誤解
(このお話、実話ですが色々と変えてあります。万が一にも誰かが傷付かないようにするためです。でも本質は、実話です)
私の親は「勉強は、できなくてもいい。でも挨拶だけは、できる子になりなさい!」と言って、私を厳しく躾ました。いついかなる時でも、挨拶は大事! 挨拶しないと叩かれたので、まさに「身体に叩きこむ」を経験しています。ww
でも世の中には、挨拶しても返してくださらない方がいるのですよね……。正直、不満を感じていました。
「挨拶して無視されるなら、挨拶しなかったらイイじゃん」と、あなたは仰るかもしれません。たしかに、その通り! でも、なんか負けた気がするのです! だから意地でも挨拶する!
以前の職場で、挨拶を返してくれない方がいました。私は意地になって挨拶して、無視される。
「ムキイイイッッ!!」となりながらも、まいにち挨拶していました。
その方はすごく美しい女性で、仕事もできる。お客様には、ニコニコしています。
「きっと私のことをバカにしてるんだわ! そうに違いないわ!」と、心の狭い私は勝手に被害妄想を膨らませていました。
それから数年後、ひょんなことから彼女と親しくなりました。冗談も言える仲になりましたが、相変わらず挨拶は無視される。
私は勇気を出して訊いてみました。
「どうして私が挨拶しても、無視するの?」
彼女の美しい顔が、さっと赤くなりました。何やら迷っているようです。私を見て「この人は、信用できるか? どうか?」と推し量っています。そして彼女は意を決して、話し始めました。
「……わたしね、左の耳が聴こえないの」
「えっ!? そうなのっ!? 知らなかった!」
「誰にも秘密なの。耳が聴こえないと知られたら、今の仕事を任せてもらえなくなるかもしれないから……」
「でもちゃんとできてるじゃない!」
「できてるけど、危険はおかしたくないの」
「そっか……。そうだよね」
「私が挨拶をしないのはね、もし他の人に挨拶してるのに横から私が挨拶したら、ヘンでしょう?」
「……そうかも」
「耳が聴こえないとね、そういうミスが起こりやすいの」
「そうなの?」
「だからヘンなミスをして耳が聴こえないのがバレないように、挨拶はしないの」
「あなたに挨拶をしている人にも??」
「そう。挨拶をしたりしなかったりすると、ヘンでしょう? だから私は、挨拶をしない人になっているの。誰から挨拶されても、返さない」
「それって、しんどいよね?」
「しんどいよ。でも仕事を失うより、失礼な人と思われたほうが、しんどくないの」
(重ねて申し上げます。この女性は、実在しません。お話は実話ですけれど、色々と設定を変えてあります。)
その時から私は、素直に挨拶ができるようになりました。
挨拶をしたくても、できない人がいる。耳が聴こえないかもしれないし、目が見えないのかもしれない。他にも何か理由があって、挨拶ができないのかもしれない。私は良かれと思って挨拶するけれど、それが迷惑な方だっている。でも私は挨拶をしたいから、挨拶をする。返してくれなくても、かまわないです。「私は、あなたの存在を認めていますよ」という気持ちが伝われば、それだけで十分。
「挨拶を返してくれないのは、私をバカにしてるからだ!」と思っていたのは、大いなる誤解だったのです。彼女は私を、バカになんかしてなかった。だからこそ、彼女の秘密を教えてくれた。
彼女だけでなく、他にも秘密を抱えている人がいることを、身をもって教えてくれた。
おかげで私は、素直に挨拶ができるようになった!!
ところが、ですよ。
そうも言ってられない事態になりまして……。
アパートで、よく顔を合わせる日本人の男性です。私のアパートには、外国籍の方が多い。日本人はほとんどいないので、珍しい存在です。彼とは部屋が近いので、よく会う。会うたびに挨拶をするのですが、ガン無視! ようすを見ていても、耳が……とか、目が……という感じではない。それより何より、他の方にはにこやかに挨拶してる! もちろん、国籍問わず! 無視されるのは、私だけ! ムキイイ!!!
「アイツ、マジムカつく! いつか、泣かす!」と心に決めていました。いつかチャンスがあったら、絶対に泣かす!
そんなチャンスが訪れたのは、先月のことです。ドアにノックの音がしたので開けてみると、彼が立っていた。
「〇〇号の川本(仮名)です!」
「はあ……」
彼はいったい何をしに来たんだ?? 私は無愛想に答えます。
「今度、引っ越すことにしました! 今までお世話になりました! 引っ越し当日はお騒がせするかもしれません。申し訳ありませんが、よろしくお願いします!」
お騒がせって、あなた! そもそもフロア違いますやん! どんなに騒いでも、ぜんぜん大丈夫ですよ! もしかして、めっちゃイイ人??
「これ、大したモノではないのですが、お納めください」
えええっっっ!? 引っ越しの挨拶品まで持ってきてくださったの!? めっちゃ礼儀正しい方やん! 私、誤解してたかも!?
「今までお世話になりました! どうぞお元気で!」
待って! ここで別れたら、私ぜったい一生後悔する!!
「ちょ、ちょっと待ってくださいね! イイモノを差し上げます!」
「そんな! お気を遣わないでください!」
「ちがうんです! 私が差し上げたいんです!」
私はあわてて自分の書いた本を持ってきました。彼に押し付けるように渡します。
「これ! 私の書いた本です!」
「えええええっっっ!?」
彼、完全にフリーズしました。理解が追い付かないらしい。
「ソウマチというのが、私のペンネームです。ほら、ここに書いてある」
本の表紙を差し示します。
「あ、ああ! 書いてありますね………」
なんとか気を取り直してくれたようです。
「お書きになったんですか? このお話を??」
「そうです。私が書きました」
「ここで……。このアパートで、書いたのですか?」
ん? なんか変な質問だな。
「はい。この部屋で書きましたが??」
彼は、最高の笑顔を見せました!
いつも私には無愛想で、私以外の住人には笑っていたけど、その笑顔よりもニッコリ!
「作家さんだったんですか! 怪しい人じゃなかったんだ!!」
「え???」
「すみません! 仕事にも行かず部屋にいらっしゃるから、いったい何をしてる方なんだろうと思ってたんです! ちょっと、怖くて……ww」
そうかあ~! 私、怪しい人だと思われてたんだああああ!!!!!
怪しいから近寄らないほうがいいって、思われてたんだああああ!!!!
なるほど~!!! そりゃあ、挨拶しても無視されるわああああ!!!!
「誤解ですよ~! 大いなる誤解~!!!」
「あはは! ほんとですねぇ! ボク、誤解していました!!」
「ちゃんと仕事してましたよ~!」
「まさか本を書く方だとは、思わなかったんです! すみません!」
私が彼を誤解していたように、彼も私を誤解していました。お互いの、大いなる誤解。ww
でも彼が最後の最後に挨拶に来てくださったおかげで、誤解は解けました!
良かった! めっちゃスッキリした!!
新しいお引越し先は、すぐ近くとのこと。
「それなら見かけたら、声かけてくださいね~!」
「ボクのことも見かけたら、声かけてくださいね!」
と約束しつつ、笑顔で解散しました!
なあんだ! 誤解だったのか! やっぱり挨拶してて、良かった! おかげでちゃんと、誤解が解けた!!
笑っちゃうわ! 私が怪しい人だなんて!!
…………ちょっと、待て。
仕事にも行かずフラフラしてて、ボサボサ頭でいつも同じジャージでウロウロしてる私って、怪しくないか? どう見ても、怪しいぞ。
私が「怪しい人」なのは、何一つ間違ってないぞ。
しまった! 私が私を誤解してた!!
私、客観的に見たら「怪しい人」だった!
今まで自分を「まともな人間」と思ってたけど、大いなる誤解でした!!
嗚呼!! 大いなる誤解でした!!!!! 自分で自分を誤解していた!!!!!!