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百合とTSと悪役令嬢  作者: 宇奈木 ユラ
第四章 本当のヒロイン
97/125

97 再構成と失敗(Ⅱ)

 ▽▲▽


「ところでちょっと聞きたいんだけど」


 中庭で級友たちとの昼食。

 その雑談中に、隙を見計らって話題を変える。


「紫波雪風って誰かから恨みを買ったりしてる?」


「「「は?」」」


 ──我ながら焦りすぎて、変な質問をしてしまった感が否めない。

 フォロー入れねば。


「いや先日ね、紫波雪風がなんか激詰めされてる場面があったらしいからどうなんだろーなって」


「あの子のことなら私らより遠野の方が詳しいんじゃ──」


「ちょ、ちょっと!」


「──あ、ごめん!」


 あー、うん。

 記憶喪失の件、周りがめちゃくちゃ気を使ってくる。

 正直、ここまで使われるとは思ってなかったよ。

 軽く見てました、想定が甘かったです。

 なんだかキノも最近顔を合わせてくれないし、正直記憶喪失設定引きずってきたのは失敗だった。

 さっさとどこかのタイミングで、記憶戻った設定にしたい。

 でもやるにしたって、適切なタイミングっていつだよって話だ。

 もう今は黙ってこの扱いを受け入れるしかない。


「気にしてないから、続けて?」


「あー、紫波さんに関しては私らは()()()()()()思ってないよ」


「なんとも?」


 ボクがそう聞き返すと、皆がウンウンと頷いた。

 ──紫波雪風って、悪役令嬢だよな?


「お金持ちらしいけど、なんか鼻につくような感じはないし?」


「そうだねー、威張ってたり横柄そうだったりはしないよね」


「あと単純に私らと話すこと自体があんまり無いから、印象薄い」


「多分大体の子はそんな印象しかないんじゃないのかな?」


 そんな事を口々にいう級友たち。

 つまり、紫波雪風はあまり人から恨まれる感じはないのか。

 先日の三人組みたいなのが例外なだけで。

 じゃあ、原作における紫波雪風殺害の犯人もあの三人の誰かなのか?

 多分違う。

 そこまでのことするようには見えない。

 良くも悪くも、彼女らは()()でしかない。

 だがそもそも、紫波雪風に敵対的な行動を取るような人物ってあの三人組以外にいないのではないだろうか。

 他に誰か、紫波雪風に対して敵対行動や嫌がらせとかをしている人物といえば──。


「──ボク?」


 ──いやいやいや、それはないだろう。

 ボクはただ一介の友人キャラで、そんなそんなだいそれたことを仕出かす訳が無いじゃないか。

 多分本筋にだって、本来はあまり関わらない筈だよな。


「じゃあ違うな」


 果たして、犯人は、黒幕は誰なんだろうか。

 また別な切り口から犯人の特定が必要かもしれない。

 そう思いながら、級友たちとの会話に再び参加した。

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