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百合とTSと悪役令嬢  作者: 宇奈木 ユラ
第三章 主人公の誕生日は大抵波乱。
73/125

73 ピンチとチャンスは紙一重(Ⅰ)

 ▽▲▽


 紫波雪風が急な電話から戻ってきた。


「大丈夫だった?」


「はははは、全然大丈夫全然ダイジョウブ──」


 全然大丈夫そうには見えないけども。

 少し憔悴してるというか、ぐったりしてる様に見えるけども。

 まぁ、電話あった後でもコチラを優先するのだから大した内容ではなかったの、か?


「紫波さんが居ない間に一応注文はしておいたから、追加で何かあったらまた呼ぶけど?」


「結構ですわ、お気遣いなく」


 そう言いながらストンと着席する紫波雪風。

 数秒の沈黙の後、こう口を開いた。


(わたくし)、何を注文しましたっけ?」


「いや本当に大丈夫か?」


 マジで心ここに在らずだったんじゃねーか。

 一体何があったんだよ。

 情報収集に余念がないボクですら予測できないんだけど。


「リンちゃんと同じ坦々麺を頼んだよ」


「あ、あぁ、そう言えばそうでしたね」


 幸か不幸か、キノは紫波雪風の様子がおかしいことに気がついてない。

 まぁこの点はさもありなんというか。

 キノはラブコメ系主人公の原罪(さが)、なのか、やや鈍感というか、他人の様子を察するのが苦手だったりしていた。

 この鈍さは個人的には大いに助かる。

 ボクが多少不審な行動しても気にしないでくれるから。


 それからのトークは自然とあの映画の話に戻る。

 今回もボクが主導でなるべく紫波雪風には()()を渡さないようにしていたんだけど──。


「それで、紫波さんはどうだった?」


 思わぬところでキノが紫波雪風にパスを渡した。

 いい加減ボクだけと話をしている状況に疑問を持ったのか、ただ単に新しい意見・話を聞きたくて黙ったままの紫波雪風にふったのか。


「私としては、あぁいう"恋愛関係のない男女バディ"というのが良かったと思います。男女でペア組ませると何でもかんでも恋愛に直結させたがるのは良くないと」


「わかるー!!」


 紫波雪風の感想にキノが頷く。

 何でもかんでも恋愛に結びつけるなって意見に恋愛モノの主人公が同意するのは、なんかシュールだ。

 まさか、キノが恋愛に興味ない訳はな──いよな?

 流石にそれだと、ボクの計画や作戦も大規模な遠回りと変更を余儀なくされるんだけど。

 今のキノの恋愛観ってどんなのだろう。

 もしかしたら、今の会話でその鱗片が見えるかもしれない。

 そう思い、少し黙って耳を傾けようとした時。


「お待たせしました、坦々麺ふたつです!」


 さっきの女性スタッフがボクらが頼んだ坦々麺を持ってきた。

 絶妙なまでのタイミングの悪さに、内心舌打ちをする。

 ──まぁいい。

 それでは、紫波雪風を貶める第二作戦を始めよう。

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