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百合とTSと悪役令嬢  作者: 宇奈木 ユラ
第二章 攻略対象②宮古杖助
50/125

50 愛の告白はこうするんだ!(Ⅰ)

 ▽▲▽


 今日も快晴、木曜日。

 青空の下を歩きながら、ボクは清々しい気分と共に大きく伸びをした。


「本来梅雨のはずなんだけど、晴れが続いてるな」


 今年の夏は水不足になりそうで、晴れ続きもまた心配だが。

 まぁ、それでも週末までは晴れが続いたままでいてほしい。

 あと三日と迫ったXデー。

 室内施設で遊ぶから天気の影響自体は少ないかも知れないけど、どうせなら晴れの方がいいにきまっている。

 それにボクの方も、そろそろ週末に向けた準備が各種取り揃ってきた。


「昨日何もなかったから準備捗ったな」


 いや、本当に。

 何故か昨日は、ここ二ヶ月くらいの中で一番何もなかった日ともいえなくない。

 紫波雪風に起因するトラブルは無し。

 キノと宮古くんは放課後になるや否や即刻居なくなる。

 他の攻略対象には特に異変なし。

 キノと宮古くんに関しては、以前に「近々ソシャゲのレイドイベが」云々言っていたからソレ関係かな?

 あの二人は共通の趣味があるおかげで、中々関係の進展が早い気がする。

 これは、宮古ルート確定かな。

 そうなれば、あとは紫波雪風にのみ注意すればいいだけだから、だいぶ楽になるなぁ。

 

「まぁ、その紫波雪風が一番やべぇんだけど」


 ベストな展開はXデーを機会に紫波雪風を排除し、キノと宮古くんをくっつけて宮古ルート入りさせちゃうことか。

 何事も順調にとは行かない可能性もあるが、それでも最善は常に目指すべきだ。

 そんなことを思いながら校門を潜り、正面玄関を入る。

 そういえば、何故か今日は登校中に誰とも会わなかったな。

 いつもなら、キノか宮古くん、もしくは両方に会う機会が多いのに。

 ーーまぁ、そんな日もあるさ。


「取り敢えずこのまま、日曜日まで何事も起こらないといいんだけどなぁ」


 ヒヨッた事を呟きながら、下駄箱の蓋を開ける。


 ーーすかさず閉めた。


「ーーんんん???」


 何か一瞬、変なモノが見えた気がする。

 いや、まさかまさか。

 ラブコメ主人公であるまいし。

 こんな展開が、現実にあるわけがーー。


「ーーあるかもしれない」


 TS乙女ゲー転生という特大の()()()()()を経験済みなのだから。

 あれよりあり得そうな事態は、総じて()()()()かもしれない。

 そっともう一度蓋を開ける。

 

 中には見慣れた上履き、だけじゃなく。

 見慣れない一枚の手紙らしき封筒。

 しかもその封は、赤いハートのシールでされていた。


前世(おとこのとき)に欲しかったなぁ」

 

 明らかなラブレターの存在に、思わず現実逃避したくなった。

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