表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合とTSと悪役令嬢  作者: 宇奈木 ユラ
第二章 攻略対象②宮古杖助
41/125

41 悪役令嬢と買い物(Ⅱ)

 ▽▲▽


 プレゼント選びがひと段落ついて、私と剣将くんはフードコートで一休みしていた。

 今回、大変参考になった御礼にファストフードを奢り、ふたりで食べる。

 同じLLサイズのポテトをつつきながら、ちょっと気になっていたことを聞いてみる。


「ところで、何故貴方はそんなに女子のプレゼントとかに詳しかったのかしら?」


「うちにはハデな姉貴がいてよ。その姉貴がべらべら喋ってくる内容を長年聞き流していたら、なんとなく知識が付いちまったンだ」


「な、なるほど」


 なんかこういうコトワザあったよね。

 こう、一休さん的なナンカが。

 あれよね、つまり昔から睡眠学習的なのは有効だと言われてたみたいな。

 まぁ、それはともかく。

 剣将くんにそんな秘密があったとは。

 いや、彼に姉がいることは知っていた。

 設定資料集に書いてあったし。

 けど、それくらい。

 そのお姉さんが本編に出てきたこともないし、本編でソレ関係のエピソードも殆どない。

 だから全然そのことは忘れてしまっていたのだけど、そうか。

 案外、設定資料集とかの内容もちゃんとこの世界には反映されているのか。

 それはーー盲点でした。

 あとで設定資料集の内容、頑張って思い出そ。

 ついでに、目の前で山盛りポテトを頬張る剣将くんの顔をじっと見つめてみる。


「な、なンだよ?」


「いえ、別に」


 所謂、年頃のスポーツ少年であるはずなのに彼の顔にはニキビ痕ひとつない。

 ある意味、男子にあるまじき美肌だ。

 これももしかしたら、お姉さん直伝の知識でバッチリスキンケアしているからかもしれない。


 ーーそれはそれとして。


「ポテト食べすぎですわ! シェアなんだからちょっとは遠慮や配慮みせて下さい!」


 さっきからポテトの減りが早い!

 食べ盛り男子の胃袋を舐めていたか!

 無くなる前に私も本格参戦する。


「あ、お前! お嬢様の癖に意地汚くないか!?」


「お嬢様だからジャンクフード普段は禁止なのよ! それにいつだって末っ子は食い意地張ってるモノよ!」


「末っ子って初耳だけどな!」


今世(いま)は一人っ子ですけどね!」


「矛盾してねーか!?」


 なんか、こういうコトにちょっとした楽しさを覚える。

 失ったはずの青春を取り戻してる感覚。

 悪くないなぁ、って私はしみじみと感じた。


 ▽▲▽


 攻略対象キャラの一角である普代剣将。

 そんな彼が今、目の前で悪役令嬢(しわゆきかぜ)とイチャついている。


「ーーなん、だと?」


 事前の下調べにショッピングモールに訪れたボクがたまたま目撃したのは、そんな衝撃的な光景。

 今まさしく、悪役令嬢が主人公の攻略対象キャラを攻略しようとしている。




「これ、やばくないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ