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百合とTSと悪役令嬢  作者: 宇奈木 ユラ
第二章 攻略対象②宮古杖助
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34 陰キャゲーマーと親友キャラ(Ⅲ)

「あの、遠野さん。僕、そんなゲームジャンル()()()()()()()()()()()()()んですけど」


 ーーなんだって?


 どういう事だ。

 乙女ゲーム、というジャンルが無い?

 それは、ちょっと衝撃的な事実だ。

 え、じゃあボクは乙女ゲームという概念のない乙女ゲームの世界に転生したのか。

 なら、この世界で乙女ゲームという概念を知っているのもボクだけか。

 もしかして、悪役令嬢という言葉も同様にこの世界には存在しないのか?

 ーーこれはこれで、後日しっかり調べておかないと。

 一つの概念の消失が、どれだけの影響を世界に与えているのか。

 何が付随して消えたのか、もしくは代わりに何が登場しているのか。


 閑話休題。


「今言ったことは忘れて」


「は、はぁ?」


「ちなみに恋愛シュミレーションとかは詳しかったり?」


「あ、あんまり女の子に言う話ではないと思いますがーー」


 そう言って彼は少し目線を逸らし、壁の方を向くと小さくこう続けた。


「ーーそこそこ、は詳しかったりします」


 ほんのり顔を赤くしてそう言う彼の姿を見て、少し微笑ましい気持ちになる。

 いやぁ、思春期だなぁ。

 女子相手に恋愛ゲームやってるのカミングアウトするのが恥ずかしいかぁ!

 その気持ちはすごくわかる。

 前世のボクが宮古くんと同じ立場なら、自分も絶対恥ずかしい。

 はー!

 そっか恥ずかしいか、照れちゃうか!

 あー、愉悦。


「実は今ある恋愛ゲームやっているんだけど、今までやったことないからかちょっと難しくて。出来れば玄人な宮古くんからアドバイス欲しいなと」


「攻略サイト見ればよくないですか?」


 あったら苦労しねーんだよ!!

 マジで見たいわ!

 前世からそのサイトだけ持ってきたいわ!

 と喉元まで出かかった叫びを飲み込み、軽く咳払いをして話を再開させる。


「一周目は攻略サイト無しでやりたい」


「気持ちはわからなくもないですね」


「だから教えて欲しいんだけどーー」


 ボクはここで、客観的な現状をゲームの程で話した。


「ヒロイン4人いて、そのどれかとゴールさせたいんだけど、ソレを妨害してくるライバルがいて、そのライバルの行動が全く読めない上にライバルの妨害を妨害する度にヒロインとの恋愛フラグが潰れていってる可能性もあり、主人公の行動もある程度しか制御出来なくて、進行度と好感度もわかりやすく表示されてなくて、固定イベント発生も予期できなくて、それでBADエンドが多くて途中セーブも効かないしコンテニューもできないゲームなんだけどさ、どう攻略を進めて行くのが最善かな?」


「何ですかそのクソゲー」


 ーーうん、ボクもそう思う。

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