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百合とTSと悪役令嬢  作者: 宇奈木 ユラ
プロローグ
2/125

02 奇妙な令嬢

 紫波雪風。

 SIWAインダストリアルという日本有数の大企業の創業者一族の1人。

 性格は高飛車で激情家、プライドが高く自己中心。

 自分以外の他人なんか石ころ程度の価値しか無いと思っているタイプ。

 捨てる程に有り余る財力を持ち、学校の送り迎えはリムジンだし、学院に多額の出資をしているらしく教職員も彼女に逆らえない。

 男女問わず取り巻きも多く、学院の一大派閥を築いている。

 まさしく"学院の女王"だ。

 原作(ゲーム)における主人公のライバルキャラで、自分の思い通りにならない攻略対象たちとすんなり仲良くなった主人公に対し、様々な嫌がらせなどを行ってくる。


 ーーその筈、なんだけど。


 ▽▲▽


「失礼いたしますわ!」


 そう言いながらズカズカと教室に入ってくる紫波さん。

 彼女はそのまま真っ直ぐにボク達二人の元へやって来た。


「あら!こんな所で会うなんて奇遇ですわね滝沢月乃!」


「奇遇も何も会いに来てるじゃん、ボクらの教室なんだからココ」


「あ、貴女には関係ありませんことよモブA」


「誰がモブだ!」


 そんな言い争いを始めたボク達を見て、キノはクスりと笑う。


「二人とも仲良しだね」


「「どこが!?」」


 奇しくも紫波さんと声を重ねて反論してしまった。

 なんと言うか、紫波さんは悪役でボク達が平和な未来へ向かう為の障害の筈なのだけれど、何故か変に馬が合うというか。

 意外と嫌いになれない自分がいる。

 本来いる筈の取り巻きも見たことないし、他クラスなのにちょくちょくボク達のクラスに遊びに来るし。

 何なのだろうか、この悪役令嬢は。


「いつも思うんだけどさ、紫波さんはボクに対する当たりがキツ過ぎない?」


「ーー当然ですわ」


「え、何で?」


「それは、自分の胸に手を当てて考えるのが宜しいかと」


 彼女のその言葉に、特に心当たりがなくて特大の疑問符を浮かべるしかなかった。


 ▽▲▽



 (わたくし)が月乃さんと朗らかに会話をする最中、彼女の友人である遠野花鈴の目が怪しく光る。

 それを見て、私は「やはり」と確信を強める。


 この世界には秘密があります。


 それは、ここが『クワトロ・まりあーじゅ!』という乙女ゲームの世界であるということ。


 そしてそのことを、紫波雪風(ワタクシ)だけが知っていることです。

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