124 友人キャラ、真実を知る(Ⅱ)
「──お前、友人キャラじゃないからな」
「は、はい!?」
思わず変な声が出た。
え、ボクって友人キャラじゃないの!?
いやいや待ってくれ、前世で妹がやってたゲーム見てたけどちゃんど遠野花鈴は友人キャラだったぞ?
話しかければ攻略対象の好感度教えてくれたり、攻略対象とのイベントでファインプレーとかしたりしてた記憶がちゃんとある。
「いやいや、ボクはちゃんと友人キャラじゃないか? 妹のやってるゲーム見てたよ?」
「あー、真ルート以外だとそう見えるよねー」
「し、真ルート?」
知らないワードが出てきた。
何、真ルートって。
真ルートって誰と結ばれるルートだよ、真さんか?
真さんって誰だ?
「真さんって攻略対象いたのか」
「いねーよ」
一言でボクのセリフを切り捨てて、四島は何かを察したようにムカつくしたり顔をする。
「お前、さては恋愛シュミレーションやったことないな」
うん、無い。
プレイしたことは全然ないが、やっぱり不味かったらしい。
やっぱり妹がやってるのを側から時々見てただけでは駄目だったか。
「真ルートってのは、各攻略対象とのルート以外にある全ての真相が明らかになるグランドエンディングへ向かうルートだ」
「うんうん」
「それで、そのルートのラスボスが」
「紫波雪風?」
「遠野花鈴」
「──は?」
ボクが、ラスボス?
いや、いやいや、まさかでしょ。
このボクが悪役通り越してラスボスだと?
そんな訳が──ないとも言い切れない。
実際、今まで暗躍してきた内容を主人公側から見られれば明らかに悪役認定貰いそうだ。
そう言えば、役割を逸脱しそうになると修正力が働くと言っていた。
数々の暗躍自体に修正力が働いていた感じは無い。
つまり、アレは役割に沿った行動だったから?
だとしたら、ボクは今までキノの為に頑張ってきたのは全部裏目だったってことに。
彼女をバッドエンドから救おうとやってきたことは、全部キノを不幸な未来へ導く行為だったのか?
「──そっか、ボクはラスボスだったか」