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05話 パンツとぷにぷに幼女

「むぉーっ!

 パンツが脱げなぁああいっっ!」


 お風呂場でパンツと奮闘中。



 ―――


 熊料理パーティが終わり。

 皆さん帰りましょうか、となると。

 村に宿はなく、俺には帰るところがなかった。


 それならと村長夫妻が家に来るよう誘ってくれた。


 そこでダリアちゃんの事を思い出す。

 伝えたい事があったのに!

 ダリアを探すと家に広場から離れていく彼女の後姿があった。


 くっ、夜も遅いし追いかけて話し込むのもどうかと思う。

 可愛い幼女は早寝早起きで育つ。


 俺の視線に気が付いたかのように良いタイミングでダリアちゃんが振り返った。


「ダリアちゃーん、おやすみーっ」


 手を振って挨拶すると、少女ははにかみながら小さく手を降ってくれた。


 他の家より少し大きな村長家にお邪魔すると、その娘さんが出迎えてくれた。

 パパと同じ赤毛のショートのソフィア=ソダーノちゃん。

 俺より小さなソフィアは「ヤヨイお姉ちゃん」と言って甘えてくる。

 少しぽっちゃりして愛嬌のあるその子を、いっぱいいっぱい抱きしめてあげた。

 ミルクに似た甘い香りをいっぱい嗅いで。


 幼女同士だから何も問題ない!


 それからお風呂をお借りした。


 ―――



 そこでパンツ問題。

 しましま柄のパンツとブラが身体に密着して脱げないのだ。


「どういう事だ、ダルマ」


「理想の身体に転生して、その身体で遊ぶ者がたまにおりまして。

 一日中鏡を見て自慰にふけるのは勇者としてどうかということで規制下着となっています。

 ……あっ今、その手があったかって思いましたね」


「心を読むな!」


「貴方の表情はわかりやすいんですよ。

 魔王を倒せば外せますので、その時はご自由に」


 なるほど、ロリ板胸にブラが付いてるのもそういう事か!

 そういえばキャラメイク画面で下着は絶対外せなかったのを思い出す。


「いやその前に!

 下着の替えや身体を洗うのはどうするんだよ!?

 下着が濡れて大変な事になってるんだよ!」


「おもらしですか?」


「違う!」


「思念パネルの<生活>から探して<着衣洗浄>と<身体洗浄>を選択して……

 選択して洗濯してください」


「――面白くないぞ」


「そうですか」


 ダルマはどんな話も表情を変えない。


 ボタンを押すと身体も髪もさっぱりしてカモミールの香りに包まれる。


「でもトイレの時はどうする?

 おもらしとか言うからもよおしてきたじゃないか」


「<生活>の<体外排泄>で近くのトイレに身体の不要物がワープします」


「説明が雑になったな」


「ここまで説明したら大体理解されるかと。

 時間がありましたら一応メニュー全部にざっと目を通しておいて下さい」


 説明されたボタンを押してスッキリする。

 結局バスタブは使わずに浴室を出た。


 居間に入ると村長夫妻の会話が聞こえる。


「……南のソルティン国が魔王の手に落ちたそうだ」


「まあ、まだ遠いとはいえ国を追われた人達がまた増えますねえ。

 今日のような盗賊が増えるのでしょうか……」


「そうだな……この村の守りを強化しないと……」


「その話、詳しく聞かせてください!」


 勇者としてこの世界の魔王の情報は必要だ。

 イスに座り、村長夫妻から話を聞く。


 話をまとめると。

 3年前、はるか北の雪に閉ざされた山脈の「地獄の縦筋」と呼ばれる谷に「魔界の門」が出現。

 そこから魔王「アンテ」が魔族軍を引き連れて現れ、瞬く間に世界の3分の1が占拠された。

 国や種族を超えて地上の人々は抵抗したが魔王軍は強く、現在は世界の半分が占拠された。


「魔王占領された地の人達はどうなったのですか?」


「さあねえ、魔王領から逃げて来た人はいないから、

 最悪、皆殺しに……」


「俺達、地上軍領も難民や徘徊する魔族があふれて大混乱さね」


 不意に太ももに柔らかな重みを感じた。

 話に夢中になっていてソフィアちゃんを忘れていた。


「お姉ちゃん、いっしょにねよーっ」


 小さな身体が無邪気にしがみついてくる。


「こら、ソフィア!」


「よーし、じゃあソフィアちゃん一緒に寝ようかー」


「そんな、ソフィアのワガママに付き合ってくださらなくても。

 ヤヨイ様は客室で寝てください」


「ううん、私もソフィアちゃんと寝たいですー!」


 こんなセリフが許されるのは、美幼女になったからこそ。

 結果、おもちゃとぬいぐるみがいっぱいのソフィアの部屋の小さなベッドで抱き合って寝る事に。


 ふかふかでぷにぷに。

 ああ、幸せ。


 試しにソフィアちゃんのパジャマの中に手を入れようとすると。


「いっ!!」


 指先に激痛が走る。

 ”未遂”だったせいか指は曲がっていなかった。


 や、やましい気持ちからではないからな!

 ダルマが言ってた仕様を確認したかっただけなんだから!


 しかし幸福すぎて眠れる気がしない。

 また下着が大洪水のような気がする。

 思念パネルを出して<着衣洗浄>ボタンを押す。


 急に強烈な眠気に襲われた。


「ステータスが高くてもまだ身体が戦闘と魔法に慣れていません。

 相当疲れているハズですよ」


 可愛いぬいぐるみたちの間にダルマがちゃっかり座っている。

 何か言い返そうとしたけど……眠気が…………。



【2日目】


 朝食をご馳走になると村長にダリアの家を教えてもらう。


「ソイネさんとこに行くなら、

 これを届けてくれ、お裾分けだ」


 村長から野菜や果物が入ったカゴを預かる。


「あの母娘はちょっと特別で苦労しているからな。

 よかったらダリアちゃんと仲良くしてあげて欲しい」


「うん、そのつもり」

 


 暑い日差しの中、村の中心から一番遠いその家へ向かう。

 夏に向かう季節なのかな。


 村は昨日の襲撃の修復で皆忙しそうだった。

 それでも俺を見かると「ヤヨイ様、おはようございます!」と挨拶してくれる。


 挨拶はいいけど「ヤヨイ様」はやめて欲しいな。

 

 歩きながら魔法の確認する。


「あれ、あれぇ?」


 魔法の中に押しても反応がないボタンがある。

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