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トゥルーエンド2

【16日目】


「師匠、キャシーちゃんは大丈夫なんですか。

 護衛役なんでしょ?」


「キャシー様は応援して下さっている。

 しかし領主様への背信行為になるのは心が痛い。


 しかし……」


「しかし?」


「執事ではなく、騎士として生涯を終えるのも悪くない。

 お前と出会ってそう思ったのが儂の運の尽きだな、ヤヨイ」


「さっさと魔王を倒してまたキャシーちゃんの執事をしてもらいますよ」


 師匠と二人で疾走して山を駆けている。


「止まれ」


 師匠の合図で止まる。


「もう村から十分に離れたな」


 東の空が白んで夜明けが近い。


「じゃあ、ド派手にやりますか」


 電撃魔法を放ちながら、さらに西へと駆けていく。



【???日目】


 師匠と修行をしながら旅をする。


 魔王軍に近づくとレベル100越えやレベル200を超える魔族がゴロゴロいる。

 そいつらを斬り伏せながら戦い方を学ぶ。



 転戦しながら魔王に対抗できそうな人も探す。

 レベルが自分より低くても戦闘に長けた魔族に囲まれると、補助魔法を出す余裕が無い。


 最初に見つけたのは回復術師、17歳の少女だった。

 レベルは150。


「魔王と戦うには力不足なのでは?」


「ヤヨイと一緒にいればすぐに強くなるでしょう」


 実際、時々<能力抑止>を解いた俺と稽古をしている師匠もレベル300を超えた。



【???日目】


 旅は続く。


 仲間を増やしていく。

 回復術師の少女を筆頭に27歳男性の拳闘師、30歳女性の黒魔術師、22歳男性の狩人。


 時々ケンカをしながらもお互い切磋琢磨しながらレベルを上げていく。


 俺のレベルはこれ以上は上がらないけれど、剣の腕は師匠と互角となった。



 魔王軍は版図を広げているるが動きが遅い。

 四天王が各地に散らばって動き回っているせいだ。


 どうやら勇者である俺を探しているようだ。


 これはチャンス。

 俺達は四天王の各個撃破をする事に決めた。


 最初に狙うはアルミ。

 物理遠距離攻撃を得意とするシューターだが、レベルが380と手頃だった。



 ……それにしても。

 生理痛がこんなに痛いものだったとは。



【???日目】


 四天王を全て倒した。

 全員幼女の姿だったのは謎だ。


 狩人からシューターへと進化した仲間は「的が小さくてやりずれぇ!」とボヤいていたが。


 残るは魔王のみ。


 しかしここで俺達に悲運が襲う。


 師匠、ブラドスさんが悪い風邪にかかり寝込んですぐ亡くなられた。

 女神メル様に相談したが再生や転生は無理との事。


「十分に生きて活躍したのだからもう休ませてやれ、との事です」


 獅子ナビのダルマがメル様の伝言を告げた。


 既に成人した俺は子供みたいに泣きじゃくり喚いた。


 元男性だったので、男性と付き合うなんてゴメンだ。

 尤も今は男のような恰好と立ち居振る舞いをしていたので、女性にモテるのだが。


 それは良いとして。

 師匠として、人としてブラドスさんを尊敬していたし好きだった。

 しかし。

 女性化の影響を受けた心の一部が異性として好きになっていた。

 愛していたのだ。


 それに気が付いたのは彼が亡くなったその時だった。



 師匠の死を乗り越えて。

 全員レベル600以上となった仲間4人と共に魔王軍へ挑む。



【???日目】


 魔王を倒し、魔王軍を「魔界の門」へと追い返した俺達は英雄となった。



【???日目】


 俺は魔族領だった土地の人々をまとめて国を建国した。

 貴族も奴隷も全て排して女王の俺以外は皆平等と定めた国。


 国の運営が順調に進むうちに、内閣が俺を「国の象徴」と決めて政治への介入を止めた。

 まあいい、どうせ政治とかややこしい事は嫌いだ。



【???日目】


 ある日、古いバッグの中に本を見つけた。

 「妖精少女キーズの冒険」。


 懐かしい、ダリアと出会ったあの日のドキドキを少しだけ思い出す。


 ダリアは村の若者と結婚、キャシーはオキサー国の王子と結婚をして幸せな家庭を築いている。

 俺は結局結婚をしなかった。


 女王の城のベランダに出て街を見下ろす。

 幼い女の子達が道路で遊んでいるのが見えた。


 どうして俺は幼女にあんなに熱をあげてたのだろう。


 子供は好きだ。

 子供は国の、世界の、そして人類の宝。

 それ以外の何がある?


 ベランダで子供達を見ながら考える。

 今度オキサー国へ親善大使として出向くから、その時にダリアにこの本を渡そう。


 まだ王制が残るオキサーとその周辺の国々と、我が国の関係は微妙だ。

 だから年に一度は親善大使として王制の国を周っている。


 ……いやそれよりも。

 この本を大量に印刷してこの国の皆に配布しよう。

 きっとそのほうがダリアも喜んでくれるだろう。


 母親に晩御飯で呼ばれた子供達が家に帰る。

 それを見届けた後、部屋に戻りベランダの窓を閉めた。


<終わり>

ここまで読んで頂きありがとうございます。

本編でストレス溜まって脱落した人がほとんだと思いますが、そんな中めげずに読んでくださり感謝です。


『子供は世界の宝』


最後に主人公が言ったセリフがこの小説の主旨です、ただのロリコン小説じゃないですよ!

という事にしときましょう。


ハーレム状態でみんなハッピーエンド! という書き方がきっと理想だとは思います。

でもそれはきっと「成人向け」になってしまい、主旨が変わってしまいます。


なので。

ハッピーエンドは皆様の心の中で描いてください。


最後に。

読んで感じた事をメッセージや☆評価にぶつけてください。

どんなご意見でも励みになります!


他に百合小説など書いておりますので、興味が湧かれたなら読んでください。

それでは、また。

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