13話 お庭で遊ぶ幼女
別荘と言うからコテージくらいに思っていたら。
3階建ての大邸宅だった。
「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」
立派な正面玄関の扉が開くと10人ほどのメイドが出迎える。
「ごめん、ダリアちゃん。
想像以上に立派な所だから私もビビってる」
「もう、ヤヨイちゃんのバカァ~ッ」
ダリアちゃんは半泣きだった。
テラスに通されてメイドの給仕が終わると、キャシーちゃんは爺もメイドも追い出した。
「さあ、これで落ち着いてお話し出来るわね!」
そこからはテーブルに着いて紅茶を飲みながら、キャシーのお家自慢が延々と続く。
領主の権威を笠に着て鼻高々に話す幼女は小生意気で幼稚で可愛い。
キャシーちゃんはダリアちゃんと今の俺より2つ年上だそうだけど。
お蔭でこの国の事が少しわかった。
このアカニ村はオキサー国の南端のフライシャー領にある。
魔王領から一番遠い場所。
キャシーちゃんは普段は王都に住んでいるが魔族が迫る中、娘の心配をした両親がこの村に疎開させた。
「キャシーさんは親と離れて寂しい?」
と聞いてみた。
「べ別に寂しくなんかないもん!」
と、少し機嫌を損ねさせてしまった。
虚勢がバレバレ幼女が可愛い件について。
とはいえ、話が長いのでバッグから本を出して机の下でそっと開く。
「妖精少女キーズの冒険」を読む。
真面目なダリアちゃんはキャシーちゃんの話を真剣に聞いている。
というか興味津々だ。
自慢する度に「すごい、すごい!」って手を叩いて喜ぶからキャシーちゃんの舌もさらに滑らかになる。
今は先祖の英雄譚を語っていた。
お昼は「爺」と呼ばれてた老執事がサンドイッチを持ってきた。
「庶民の方はこちらの方が気楽で良いでしょう」
いちいち一言多い。
美味しく頂きましたけど。
さて、このまま座ってお話しを続けるのもどうかなー。
本も読み終えて飽きてきた。
できれば2人ともっとキャッキャウフフしたい!
ロリコン脳をフル回転させて辺りを見渡す。
「キャシー様、綺麗なお庭ですね」
あ、ナイス発言ダリアちゃん!
「ホント綺麗だねー!
お庭の散歩しようよ」
「では案内しますわ。
爺、日傘をお願い」
庭は手入れされて七色に花が咲きこぼれていた。
キャシーちゃんのために日傘を差す老執事がご丁寧に花の名前と説明をしてくれる。
「この子、良い子ですわー」
「ねー、良い子でしょー」
「そ、そんな……///」
ダリアちゃんの肩を抱いて歩くキャシーちゃん、恐縮して小さくなる良い子ちゃん。
「爺、この二人は今日から私のお友達ですから、
賓客として扱いなさい。
皆にもそう伝えなさい!」
「はっ」
「ありがとう、キャシーさん!」
ここぞとばかりにキャシーちゃんに抱き着く。
「庶民の分際でお嬢様に失礼な!」
「爺、私の客人と言ったわよね!」
「せめてキャシー様とお呼び……」
「爺!」
決して表情を変えない爺が黙る。
3人肩を寄せ合って陽光の中を歩く。
なるべく密着してキャシーちゃんの高貴な香りを楽しみながら、目的の場所を探す。
あった、芝生の遊べる場所!
「来て、ダリアちゃん!」
「あっ!」
強引に手を引いて芝生に入る。
「背中合わせになって手を組んでいい?」
「はい?」
「手を組んだらそのまま座るよー」
二人でゆっくり座ると。
「今度は立ち上がるよー」
「なんですのそれ?」
「二人で組んで上手に座って立てるかって遊び。
出来なかったらダリアちゃんが罰を受けるの」
「き、聞いてないよっヤヨイちゃん!」
「あははは、
じゃあ今度は向かい合ってー」
手押し相撲を説明して遊ぶ。
当然チートステータスの俺が負けるわけないので、ワザと負けたりたまに勝ったり。
「お召し物が汚れますのでお嬢様は見ているだけにしてください」
「そうね………………。
……やっぱり我慢できませんわ!
ドレスを持ってあっちへ行ってなさい、爺!」
ドレスを脱いだシュミーズ姿の幼女が現れた!
「私も混ぜなさいよ、ヤヨイ!」
力任せにドーンとぶつかってくるキャシーちゃんを受け止める。
爺が何か言ってたが、お嬢様は遊びに夢中で取り合ってくれないとわかると去っていった。
他には「鍋鍋底抜け」でおなじみのくぐり抜け遊び、おしり相撲など色々な遊びを教える。
ポイントはとりあえず身体の接近度と密着度が高い遊び。
それと身体の弱いダリアちゃんが疲れない事。
幼女が幼女達とキャッキャウフフして何が悪い!
俺が多くのお遊戯を知っているのは子供の頃に「放課後児童クラブ」に預けられていた事があるからだ。
そこの「おばあちゃん先生」がレトロな遊びを教えてくれた。
そういうレクリエーションは嫌いだったけど、こんな所で役に立つ日が来るとは!
最後はキャシーちゃんと相撲を取って、抱きつきながらワザと負けて二人で芝生の上を転がる。
ハイスコアも勝ちも負けもないゲームで夢中になってる。
そんな自分が不思議だった。
そして忘れていた懐かしい記憶が蘇ってくる。
馬鹿みたいに友達とはしゃいでふざけ合った、そんな時間が前世の自分にもあったっけ。
夕焼けの中、3人で芝と泥だらけになって笑いあった。
「ええ~!?」
「早くしなさいよ、なに恥ずかしがってるのかしら」
素っ裸のキャシーちゃんが湯気の中で手を組んで待っている。
なんて神々しいお姿、しっかり目に焼き付けておかなければ!
皆泥だらけになったのでお風呂に入るのは自然な流れ。
「なんでダリアはタオル撒いてるのよ、
邪魔だから取りなさい」
「は、恥ずかしいです……///」
「そうだよ、邪魔だから取りなさい!」
「ってそう言うヤヨイは何で下着を着たままなんですの!?
しかも下着がすごい派手ですわ!!」
「ズ、ズルい、ヤヨイちゃん!」
しましま柄のパンツとブラはこっちの世界に無いようだ。
そして二人の下着剥ぎ取り団に襲われる。
二人の幼女に襲われるなんて、これはこれで燃えるシチュエーション。
「ちょ、ちょっと?
この下着、ただの布なのにビクともしない!」
うーん、どう誤魔化したものか。
「これは下着じゃなくて、剣と魔法の師匠が貞操帯として無理やりつけられたの」
「てーそーたい?」
「うん、美少女の私が変態オジサンに襲われても最悪な事にならないようにガードしているの。
それがこの魔法の貞操帯」
「ふーん、悪い遊びをしないようにって事かもしれませんわー」
「???」
ギクゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!
さすが年上幼女、鋭い!
幸い純朴なダリアちゃんは話の内容をよく理解していない。
「だっ、ダリアちゃんもタオルのままでいいからお風呂に入ろー」
ダリアちゃんの背を押して進む。




