表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神神鳥蝶悪竜撃滅  作者: 雪銀かいと@「演/媛もたけなわ!」コミックシーモア等で連載中
第四章 赦しと覚醒《めざめ》

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/65

6話

       6


 ユウリは目を開けた。目の前にフィアナの顔があった。気遣わしげに眉を顰めていたが、ユウリの覚醒に気づいてぱっと表情を明るくする。

「ユウリ! 気づいたのね! 良かった! 急に現れた悪竜(ヴァルゴン)に前足で殴られたって聞いて、一時はどうなることかと思ったわ」

 フィアナの口振りには心からの安堵が感じられた。

「そうだ! あの悪竜(ヴァルゴン)はどうなったんだ?」ユウリは周りを見渡し、目を瞠った。

 あらゆる所に悪竜(ヴァルゴン)がいた。士官学校の生徒や先生と戦いを繰り広げている。

「な、なんだよこれ! 一匹だけじゃないのか? どこもかしこも悪竜(ヴァルゴン)だらけで……。どうなってるんだよ!」

 ユウリがまくし立てると、フィアナは唇を強く結び厳しい表情になった。

「ユウリが昏倒してすぐ、近くにいたカノンがユウリを襲った奴を斬り伏せた。それで終わったと思ったんだけど、次々と黒の渦巻が発生して、そこから悪竜(ヴァルゴン)が出てきたの。で、こうしてみんなで戦ってるってわけ」

 フィアナは淀みなく状況を述べた。

「戦況はどうなんだ? ファルヴォスみたいな人型の奴はいないのか?」ユウリは続けて質問を投げかける。

「人型悪竜(ヴァルゴン)の姿はない。それに加えて通常の悪竜(ヴァルゴン)も、どういうわけか動きが鈍いの。具体的に言うと、飛行がいつもと違って微妙に安定してないのよ。だから、そこまで劣勢を強いられてるわけじゃあ──」

 説明を続けるフィアナの背後に黒色球体が発生。みるみるうちに大きさを増していく。

「フィアナ、後ろだ!」叫んだユウリはフィアナを突き飛ばした。フィアナは転びそうになりつつも、足を器用に動かして持ち直す。

 次の瞬間、フィアナのいた位置を漆黒の火球が通過した。ユウリの肌に熱感が生じる。

 火球は校舎に激突した。ボゴウ! 大きな音がして、レンガの一部が剥がれ落ちる。

 ユウリはフィアナを攻撃した悪竜(ヴァルゴン)に向き直った。ユウリたちを射貫くような眼差しで睨んでいる。一見、ただの一般的な悪竜(ヴァルゴン)だが、目を引くのは身体の後ろのものだった。

 通常の悪竜(ヴァルゴン)の尾は、成人男性の身長ほどの長さである。だがその悪竜(ヴァルゴン)の尾は、細いがとにかく長かった。ユウリの背丈の倍はあるように見える。

「気をつけて! この悪竜(ヴァルゴン)、尻尾が他の奴と違うわ!」

 フィアナが危機感たっぷりに叫んだ。

 ユウリは精神を集中し、目を閉じた。

「ユウリ、戦う気? でもあなた今、神鳥聖装(セクレドフォルゲル)が使えないんじゃあ……」

 フィアナが不安げに呟くと同時、尾長悪竜(ヴァルゴン)は身体を回転。長大な尻尾を振り回す。

 ユウリは瞬時にバックステップ。射程の外へと逃れて躱した。近くではフィアナが、子ユリシスで作った障壁で尾を受け止めている。

(いや、使える。俺は、戦える! 戦って勝って、ルカが愛したルミラリアを守るんだ!)

 心中で吠えながら、ユウリは詠唱を進める。

 尾長悪竜(ヴァルゴン)が右腕を振るった。鋭い爪がユウリの腹部へと迫る。

 ほぼ同時、「神鳥聖装(セクレドフォルゲル)! (プラリア)!」詠唱を完遂したユウリの手に、水盾(すいじゅん)が出現。尾長悪竜(ヴァルゴン)の一撃を受け止めた。

「ユウリ! あなた力が──」フィアナの弾んだ声がした。

 ユウリは微笑で返答しつつ、長大な尾を引いていく尾長悪竜(ヴァルゴン)を睨み続けた。

ブックマークや評価をぜひお願いします。

ブックマークはページ下部の「ブックマークに追加」をクリック、評価は「ブックマークに追加」のすぐ下の【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ