第23話 戦いの後は
岩炎巨竜の身体は崩れ落ち大量の素材をドロップする。ドロップ品をイソイソと皆で回収しながらとあることに気が付く。
「なんか暑くないか?」
「恐らく、竜の尻尾を斬った時から随分と時間が経ち火山の熱が戻り始めたのだろう」
「そんな急に戻るもんなんですかね・・・」
「それだけあの竜が恐ろしいことをやっていたのだろう」
レイナさんに説明され、そんなものなのかと納得しようとしたところ、さらにレイナさんの言葉が続く。
「その竜の尻尾を対峙してすぐに斬れたことは値千金であっただろう。幸いに重傷者もでなかった。ルーク殿、君のおかげだ」
「みんなの魔法のおかげですよ。俺もノーリスクで原動力っぽい尻尾斬れてよかったです」
言葉や態度と裏腹にレイナさんは意外と素直に褒めてくるので心臓に悪い。だがこうして褒められると地獄だった特訓の日々が報われる感じがして嬉しいものである。
ちなみにリスクはあるが尻尾を斬る案として、俺が尻尾に突っ込んでコマ切れにして、あらかじめサレンの空間魔法に俺の風魔法を仕込み、熱により上に流れる風を利用して飛んで戻ってくるというものがあった。
「君のあの機動力なら別の案もあったのだろう。それにしてもサレン・・・だったか、彼女が使っていたのは空間魔法・・・?都でも滅多に見ないが凄いものだな」
「サレンの爆裂魔法と空間魔法はホント凄いですよね。空間魔法だけでも脅威なのに威力の高い爆裂魔法と同時使用してるあたり天才以外の何物でもないですよ」
「わたくしの横でわたくし自身をべた褒めされると流石に照れますわね・・・」
「ホント凄いですよサレンさんは」
「ミィまで!!!何もでないわよ!」
雑談しつつもそうこうしている内にドロップ品を全て回収して下山する。登ってきたときと違い気温が上がり戦闘の疲れもあってか、ゆっくりとした下山となった。
無事ドワーフの街に帰り着く頃には陽は完全に落ちて真っ暗であったため、レイナさん達と別れた後すぐに宿へ向かって荷物を置く。疲れ切った旅の後といえばやはり・・・
「温泉行きましょうルークさん!!!!!!」
「温泉行くわよルーク!!」
「はいはい。行くから行くから」
そう温泉である。ミィとサレンに引きずられいつもの温泉へと向かう。
温泉に着き『それじゃあ、また後でね』とサレン、ミィと別れを告げて男湯へ向かう。
「あっ」
「これはミィとサレンではないですか。あなたたちも温泉へ?」
「えぇ、汗をかいたままなんて嫌ですもの」
「ふふふ、ワタシも同感だ。一秒でも早く温泉とやらに来たかった」
男湯の様子など置いておき女湯の様子ーーー
ミィとサレンは生まれたままの姿で、生まれたままの姿のレイナと鉢合わせる。騎士をやっているだけあり筋肉質で引き締まった身体で無駄な脂肪は一切なく、あるべきところに大量の脂肪がついている。
ボン、キュッ、キュッの理想体型を隠す素振りもなく、ミィはその身体を目に焼き付ける。汗をお湯で流し温泉に浸かる。
「いいものだな温泉というのは」
「そうですわね、わたくしの街にも建設したいですわ」
「サレン殿の街は都の方か来たのですか?どうしてドワーフの街のような辺境の地へ?」
「いいえ、わたくしはニバンガイから来ましたの。元々は都で貴族だったのですが、お父様が突然追放されて追い出されたの」
「そうだったのですね。辛いことを聞いてしまい申し訳ない。その所作の美しさからまさかさらに南とは思いもよらずに失礼した」
「構いませんわ。辛いことも多かったですがこうしてミィとルークに会えたのですもの」
そう言いながらサレンはミィにギュッと抱き着く。突然のことでビックリするミィであったが、不思議と悪い気はしないため抵抗することなくされるがままとなる。
華咲き乱れる乙女たちの夜はこれからである。




