第21話 岩炎巨竜
ドワーフ達が鉱山採掘のために掘られてきたドガン火山の洞窟。長い長い洞窟を突き進み頂上付近の出口、外に出たその広場で突然気温が上昇する。
地鳴りと殺気に続き感じたのは熱気ーーー
「ミィ!サレン!俺に掴まれ"跳ぶぞ"」
その一言でサレンは俺の首に腕を回し、背負われる体勢となる。ミィは俺が腕に抱える、獣人族のためか筋肉が人より多くその見た目とは反した重さがある。
二人を抱えて俺は全力で飛んだ。その瞬間、地面は火の海で包まれる。
「おいおい、どんな規模の攻撃だよ一体・・・レイナは!?」
[[氷華鏡壁]]
間一髪でまだ見えぬ敵の攻撃を空中へ回避した俺はレイナの方へ眼をやると氷の壁が築かれていた。モズ、ライナーと呼ばれていた2人にレイナを含めた三人は火の海を凌いでいた。
そして空中からもう1つの氷の壁を視認することができた。おそらくレイナが洞窟の方へ逃げる団員達を守るために築いたものだろうが相変わらずの魔法の精度である。
「まったく野蛮な攻撃だ。これほどの威力となるとおそらく今回の事件の元凶だろう」
着地をしてミィとサレンを地面に降ろして次の攻撃が来る前に急いで敵との距離を詰める。レイナさんも考えは同じだったのだろう火が来た方向へ全力で駆ける。
そして先ほどの炎が原因か時々見かけていた魔物気配が一切消えていた。火山に住み熱さに強いはずの魔物たちが焼ける程の威力・・・おそらく飛蛇竜の皮では防ぎきれないだろうと思案する。
「アイツか」
「デ、デカいですわね・・・」
「あんなの人が倒せるんですか・・・」
火山の頂上火口内部、そこにポツンとうく岩場に巨大な竜が眠っていた。身体は硬い岩に覆われ火口に尻尾を垂らし熱を吸い上げており、恐らくあの竜の生命線とも言える器官なのだろう。たまに吐かれる寝息は高熱の息吹となり周りを焼き尽くす。なぜこれほどの竜が突然このドガン火山に現れたのかここではわからないがやることはひとつである。
「巨竜退治といきますか」
「頼りにしている。ルーク殿」
俺が啖呵を切ったことから他の皆も覚悟を決める。岩炎巨竜討伐の開始である。
[[氷魔槍貫]]
<<風刃>>
手始めに俺とレイナさんが魔法とスキルを放つ。だが氷の槍は固い表皮に弾かれ、俺の風の刃は竜本体の熱気により上空へそれていく。この高温の竜は俺の風魔法とすこぶる相性が悪い、せめて剣が届く範囲まで近づければいくらでもやりようはあるのだがマグマに突っ込むのはさすがに無謀である。
遠距離と言えばサレンの出番であるが流石に無理だろうとサレンは首を横に振る。
「やはりワタシの氷魔槍貫では貫けないか。せめてもっと威力があれば・・・」
「威力か・・・」
思考を巡らせていると竜の身体がピクリと動く。今にも起き出しそうな雰囲気に緊張が走る。あまり悠長に考えてる時間はなさそうだと思った瞬間ーー
「避けろモズ!!!」
「え!?」
岩炎巨竜が突然その巨大な爪をモズにめがけて振り下ろした。ギリギリのところで盾を構えたモズであったが盾は切り裂かれモズ自身も吹き飛ばされ岩壁に叩きつけられる。
「グハッ・・・」
「モズ!!チィッ」
レイナが仲間を思い怒りに襲われる一方で俺は一つの案が浮かぶ。硬い爪が高速で敵を襲うその光景を見てーーー
「レイナさん案がひとつあります協力してください!サレンもだよろしく頼む」
そして俺達は岩炎巨竜狩りの一手を放つ




