第20話 氷の騎士レイナ
[[氷魔槍貫]]
青髪の女騎士は魔鋼蟲の叩きつけた尻尾を華麗に捌くと同時に氷の槍を放つ。本来なら生半可な魔法では外殻を貫くことが出来ないはずだが、彼女の放った氷槍は魔鋼蟲を引き裂いた。
どういうことかと思いよく見てみると硬い外殻が貫通するまで削られていた。しかも1か所に集中して・・・恐ろしい精度と魔力量、そしてそれを実行する精神力である。
彼女は魔鋼蟲が完全に倒れたのを確認した瞬間、すぐさま仲間がいた方へ駆け出そうとした。だが俺の存在に気が付いたのだろう
「君はあの朝の。ごめんなさい今は構ってる時間はない」
「アナタの仲間なら大丈夫ですよ。敵は片付けたので」
「えっ!?」
俺の言葉をすぐには理解できなかったのか、信じられなかったのかはわからないが、彼女は脚を止めずにそのまま駆け出して行ってしまった。心配だもんね仕方ないよね。
すぐに追い越せそうな速度だったが急ぐ理由もないので後ろから少し距離を開けて後ろから俺も付いていく。
しばらくして息荒く仲間の一団の元へ辿り着いたレイナはその光景に安堵した。奇襲を受け少なくとも半数は調査続行不能を覚悟していたが、最初の攻撃で負傷した2人とそれを庇うために傷を負ったのが2人程度であった。何よりも一人も命を落としていないことに安心した。
敵の姿が見当たらなくなった代わりに二人の少女が目に入った。
「アナタ達が助けを?感謝してもしきれないなこれは」
「まぁわたくし達も倒したには倒したんですが・・・」
「ほとんどそこの後ろの男が一瞬で倒してましたね」
ミィが指を指すのに釣られてレイナが俺のほうを振り向く。やっと目が合ったなと思わなくもなかった。
「アナタが言っていたのは本当だったようですね。話も聞かず駆け出してしまってすまない」
「別にいいってことです。仲間が心配で駆け出すのは俺も一緒ですから」
「そう言ってもらえるとありがたい。だがあの数の魔鋼蟲を一瞬か・・・」
「邪魔するつもりはなかったんですけど、つい手をだしちゃいまして」
「ふふっ・・・意地悪なことを言うのだな君は」
これまでのちょっとした意趣返しに苦笑いをするレイナさんであった。初対面の時から冷徹なイメージがあったが力の抜けた笑顔には思わずドキッとした。
そんな俺のちょっとした発見なんて知る由もなく
「改めて礼を言うルーク殿。仲間をたすけてくれてありがとう」
「そんな急に素直になられると照れますね・・・」
「?ワタシはずっと素直にモノを言っているが?」
あっハイそうですか。なんかこの人に振り回されてばかりだな俺・・・。
「それでだルーク殿。もしよければ力を貸してもらえないか。こちらは負傷した仲間を街へ返さねばならなく人手が心許ない。もちろん礼はする」
「うーーーーーん。ちょっと待ってください」
チラッとミィとサレンの方を見ると『まぁいいんじゃない?』の合図が送られた。正直氷魔法をもっと間近で見たかったので嬉しい。
「大丈夫です。俺たちも目的は一緒ですので手をかーーーーーー」
返事を仕切る前に地鳴りがして地面が揺れる。そして強烈に感じるこれは
「殺意!?ミィ!サレン!構えて!!!」
「モズとライナー以外は怪我人を連れて撤退!!二人はワタシと時間稼ぐ!!!」
安心も束の間、息つくのはまだ先になりそうだ




