第1話 旅立ちと出会い
「さてと行ってくるぜシリス師匠」
「おう!ルークよ私のことの調査するのも大事だが、せいぜい都をギルドを外の世界を楽しんでくるんだな!外の世界はお前が思ってるよりも広くて楽しいぞ!」
地獄のような3年にも及ぶ特訓の末、ついに俺は自称伝説の女剣士シリス=アルベルトから免許皆伝となり晴れてシリス師匠をギルド追放へと追いやった黒幕探しに出ることとなった。地獄のようなというが実際地獄そのものであったが辛すぎて脳が記憶することを拒否してくる。
まずは俺は都に行く道中の街を見て回りながら見聞を広めつつ旅をすることに決めた。
この3年シリス師匠とほぼ二人っきりでの修行であったため、常識からすこし離れてしまった感じがた故そのような結論がでた。
村をでてしばらく平和な道中を楽しんでいたところに未知の横の雑木林から一角兎の群れが現れた。
魔物であるその兎たちは俺に対し明らかな敵意を見せて襲い掛かってきた。
「きたか!村人だったころの俺とは思うなよ魔物め!」
そういって俺は木の棒を構えた。なんで木の棒かって?師匠が剣ひとつ譲ってくれなかったからである。彼女曰く色々な剣を出会い触れあい自分のコレだと思う剣を見つけることは非常に大事ななことであり、自分の剣を渡すと出会おうとすら思わなくなるかららしい。「なーに、都までの道中なぞ木の棒でも十分だ」と言ってはくれたが。
「まぁ正直木の棒ってのはなぁ・・・不安だよなぁ・・・・」
そういって初の魔物と相対して剣(木の棒)を構え、軽く兎を斬りつけた。
・・・・・
・・・・
ウサギの群れは一振りで吹き飛び塵となった。
「・・・・・ん?」
俺は軽く斬りつけただけだぞ?しかも木の棒で。なんで吹き飛んでるんだ?
その斬りつけた際の衝撃に驚いた別の魔物たちも木の陰から飛び出してきた。
「オイオイオイオイオイさすがにいきなりそんな一辺は無理・・・」
そういって斬り上げた。
魔物の群れの半数が吹き飛んでいった。虫っぽいものや小動物っぽいもの、ちょっと大き目な蝙蝠まで。
うーんこれは・・・なにかおかしいな。そんな力こめて振ってないぞ俺は。
斬り上げた木の棒を振り下ろす。
魔物の群れが全滅した。剣技ってなんだよ。こんなの技とかじゃないだろ。
こうやって初の魔物との戦闘はあっけなく終わった。返せよ俺の緊張感!!ぼやいていると木の陰から視線を感じまた魔物かと思い睨みつけた。
ビクッ!ガサッガサッ
何か奥の方で草木が揺れたのが見られた。向こうから出てくる気配はないようである。
「よし。出てこないならよう斬ってみるか」
木の棒を振りかぶる。木の棒なので斬るという表現はどうかなと自分でも思っているが気にしないようにしよう。
「まってまってまってまって!待ってください!!!」
そういって慌てて奥からケモミミ少女がでてきた。また変な魔物が出てくると思っていたからちょっと驚いた。見た目は15歳前後でボロ布を身にまとい胸はなかなか。犬のような耳にお尻から尻尾がぴょこっと出ている。俺?俺の見た目はザ村から出たばかりの残念な軽装ですよ。彼女は半泣きになりながらこちらに近寄ってきた。
「待ってください。そこの村人さん!その頭おかしい力を人畜無害なワタシに向けるのはやめてください!」
「す、すまん・・・」
魔物に襲われた直後なのだから警戒もするし攻撃しようとするのも当然だから自分が謝るのは筋違いではあると思ったが置いておこう。
「それで君は何でコチラを見てたんだ?すぐに逃げ出せばよかったんじゃ?」
「ワタシも都に行きたいのですが一人では不安で・・・。そんなところに都に行こうとする村の入口で話をしているアナタがいたので見張っていたのです」
なるほど。さすがケモノ耳、ピコピコ動いている耳は伊達じゃなく聞き耳がたつってところなのだろう。どうせ都に行くことに変わらいないから別に構わないが、女の子と二人っきりで旅というのは・・・。師匠のような脳筋人間兵器みたい人ならいざ知らず。
「お願いします!迷惑はかけません!どうか連れてってください!!」
「お、おう・・・。わかったよ一緒に行こう。よろしくな、えっと君の名前は?」
「ワタシの名前はミィ。よろしくお願いしますね村人さん!」
「村人だが村人さんはやめて。俺の名前はルーク。よろしくなミィ」
押し切られた形になったがケモ耳女の子ミィとの旅が始まった。